もしも、職場の主任にこう言われたら、どうでしょうか?
「もっと勉強しなさい!」
「きれいに片付けなさい!」
もう、イヤになっちゃいますよね。
それなのに…
自分は子どもに対して、ついつい言ってしまう。
「さっさと宿題やりなさい!」
「きれいに片付けなさい!」
「~しなさい」と言われて出てくるのは、やる気ではなく、ストレスホルモン。
脳内にストレスホルモンが発生すると、一瞬でやる気を失います。
子どものやる気を引き出すのに必要なことは、ただ1つ。
脳内にドーパミンを発生させること。
勉強でも、スポーツでも、掃除でも、やる気に必要なのはドーパミンです。
脳がドーパミンでタップタプになれば、子どもは勝手にやる気になる。
親が口うるさく言わなくても、たいていのことは自主的に行動してくれるものです。
そんな子が、クラスに1人か2人は必ずいますよね。
ドラえもんの出木杉君みたいな。
そんな「やる気にあふれた子」に育てば、親が楽になるだけでなく、子ども自身も楽になる。
出木杉君のように「理想通り」とはいかなくても、「理想に近づける」ことはできるはずです。
では、どうしたらドーパミンを出すことができるのでしょうか?
というわけで今回は…
子どものやる気を引き出す3つのコツをご紹介していきます。
子どものやる気を引き出す3つのコツ
子どものやる気を引き出すのに必要なのは、「ドーパミンを出してあげる」こと。
そして、ドーパミンを出すためのキーワードが…
「自信・ワクワク・欲」の3つです。
●自信
サッカーに自信がある人は、サッカーをしたくなる。
それと同じで、自分に自信のある人は、何でもチャレンジしたくなります。
●ワクワク
ワクワクしていると、筋肉がウズウズしてきて動きたくなります。
●欲
欲を刺激されると、「損したくない」という気持ちがわいてきて、やらずにはいられなくなります。
つまり、子どものやる気を引き出すのに大切なことは、この3つ。
・自信をつける
・ワクワクさせる
・欲を刺激する
「指示する」ことは極力避けて、上の3つで子どもを動かす。
すると、だんだん子どもに自主性が出てくるものです。
子どものやる気を引き出すのに必要な、「自信・ワクワク・欲」。
これらを1つずつ、具体例を交えてお伝えしていきます。
一度読むだけで、コツがつかめると思いますよ。
①自信をつけるには…
「100回の批判より、1回の褒め言葉」
「国語はいいけど、算数がちょっとね」
「ピーマンも食べないとダメでしょ!」
そんなことを口酸っぱく言えば、たしかに子どもは伸びるかもしれません。
でも、それと引き換えに失ってしまうのが「自信」。
どんな人間でも、批判されると徐々に自信を失ってしまいます。
それだけではありません。
自信を失うと、「指示された事しかできない」という、いわゆる指示待ち人間になってしまう。
つまり、自主性まで失ってしまうのです。
「子どものため」を本気で願うのなら…
100回の批判より、1回の褒め言葉のほうが大事。
人は褒められることで、自信が育つからです。
自信が育てば、ドーパミンが出やすくなって、自主性も出てくる。
何をするにしても、「やるぞ!」という前向きな気持ちになれるのです。
では、批判をやめて、子どもを褒めるにはどうしたらいいのか?
その具体例を、いくつかご紹介させていただきます。
テストで50点だったときに…
×「なにこれ!テスト勉強をしないからよ!」(批判)
↓↓↓
○「テスト勉強をしなくても50点って、記憶力がいいよね」(褒め言葉)
ゲームばかりやっている子に…
×「ゲームばっかりやってたら、ロクな大人にならないわよ!」(批判)
↓↓↓
○「集中力があるわね。勉強もスポーツも集中力が一番大事だからね」(褒め言葉)
おしゃべりばかりしている子に…
×「おしゃべりはいいから、はやく部屋を片付けなさい」(批判)
↓↓↓
○「おしゃべりが上手だから、商売の才能があるわね」(褒め言葉)
「自分が親から言われている」ところを想像してみてください。
子どもの気持ちがよくわかると思います。
②ワクワクさせるには…
「将来の不安をあおるより、夢や希望を語る」
不安をあおっても、ドーパミンは分泌されます。
「やらなくちゃ!」という気持ちになります。
ところが…
「将来、困るわよ!」
「落ちこぼれるわよ!」
そう言われても、ほとんどの子どもはピンとこない。
ぜんぜん不安にならないのです。
大人の場合は、不安をあおったほうがヤル気になります。
しかし、子どもの場合は、不安よりもワクワクさせたほうがヤル気になるもの。
つまり、夢や希望を語ったほうが、子どものやる気を引き出せるのです。
では、夢や希望をどう語ったらいいのか?
その具体例を、いくつかご紹介させていただきます。
なかなか勉強しないとき…
×「勉強しないと、将来困るわよ!」(不安)
↓↓↓
○「今のうちに勉強しておけば、何にだってなれるわよ!パイロットにもなれるし、お金持ちにだってなれるわよ」(ワクワク)
食べものの好き嫌いが多い子に…
×「野菜を食べないと、病気になるわよ」(不安)
↓↓↓
○「何でも食べてシッカリした体をつくれば、女の子からモテるわよ」(ワクワク)
ゲームの腕前を自慢する子に…
×「ゲームがうまくても、将来なんの役にも立たないわよ」(不安)
↓↓↓
○「手先が器用だから、職人でもパティシエでも、何にでもなれるわね!」(ワクワク)
広い大海原でボートを漕いでいても、やる気は出ません。
でも、遥かかなたに「希望の島」が見えてくれば、俄然やる気が湧いてきます。
親が、夢や希望を語ってあげることで、きっと子どもは「希望の島」がうっすらと見えてくるはずです。
③欲を刺激するには…
「正しさを教えるより、損得を教える」
「正しく生きる」とか、「ちゃんとする」とか。
子どもはそういうのが、あまり好きではないようです。
とくに、男の子は。
だから、子どもを「正しさ」で説得しても、ほとんど無駄。
それよりも、「損得」で納得させたほうが、子どもはやる気になるものです。
部屋がグチャグチャなとき…
×「汚い部屋ね!きれいに片付けなさい!」(正しさ)
↓↓↓
○「不潔だとモテないわよ。女の子は清潔感のある男が好きなんだから」(損得)
なかなか宿題しないとき…
×「はやく宿題やりなさい!」(正しさ)
↓↓↓
○「先に宿題を済ませたら、寝るまで遊べるわよ」(損得)
字が汚いとき…
×「もっと丁寧に書かないとダメでしょ!」(正しさ)
↓↓↓
○「字が汚い人って、カッコ悪いよ」(損得)
☆☆
「自信・ワクワク・欲」で、子どものやる気を引きだす。
その要領を、ざっとご説明させていただきました。
これらは一朝一夕に効果が出るものではありませんが、やがて子どもは自信がついてきて、希望を持つようになり、欲がでてくる。
だんだんだんだん、やる気に満ちてくるはずです。
最後に…ひとつ重要なこと
子どもは、「親の気持ち」をとても敏感に感じ取ります。
なので、「口から出まかせ」で子どもを褒めても無駄。
「お母さん、嘘ついてる」とバレてしまいます。
では、どうしたらいいのか?
大切なのは、子どもの「指導者」ではなく、「応援団」になること。
「わたしは、子どもの指導者ではなく、応援団だ」
そう強く意識したとき…
言葉が、口からではなく、心から出てきます。
話す表情や、声のトーンまで変わってきます。
同じことを言っても、「言葉にこもる愛情」がぜんぜん違ってくるのです。
「お母さんは、指導者ではなく応援団」
そのことを忘れずに、子どものやる気を存分に引き出してあげてくださいね。
☆☆☆
以上、子供のやる気を引き出す3つのコツでした。
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