もともと僕は、記憶力がかなり悪いほうでした。
ひどいときは、娘の名前を思い出せなかったことも!
ところが今では…
年間に700冊~1000冊ほどの本を読んで、重要な箇所はすべて暗記するようにしてます。
かなり膨大な量を記憶できるようになりました。
なぜ、急に記憶力が良くなったのかというと、記憶術を徹底研究したから。
おかげで、大量の情報も、比較的短時間でスイスイ記憶できるようになりました。
しかも不思議なもので、記憶力が良くなると、暗記すること自体が楽しくなってくるものです。
というわけで今回は…
徹底研究の末に生まれた記憶術を、そのままゴッソリご紹介していきます。
この記憶術は、学校の勉強だけではなく、資格取得・仕事を覚えるときなど、いろんな場面で応用できます。
やり方さえ覚えておけば、かならず役に立つと思いますよ。
スイスイ記憶術
ご紹介していく内容は、この2つ。
①記憶のメカニズム
②海馬を制する5つの方法
「記憶のメカニズム(海馬)」を知ることも大切ですので、はじめにお伝えさせていただきます。
①記憶のメカニズム
私たち頭の中には「タツノオトシゴが2匹いる」というのをご存知でしょうか?
本物ではありませんが…
タツノオトシゴの形をした部位が、脳の中に2つあります。
それが「海馬」。
記憶の司令塔です。
司令塔とはいっても、 役割は単純で「情報の仕分け」。
「この情報は大事!」「この情報は不要」と仕分けをしています。
この海馬が、「これが大事」と判断した情報だけが、側頭葉という場所に送られる。
それが長期記憶。「暗記した」という状態です。
暗記するには、どうしたらいいのか?
では、「この情報は大事だよ」と海馬に伝えるには、どうしたら良いのでしょうか?
その方法は、主に3つ。
- 衝撃
- ワクワク
- 復習
1つ目の「衝撃」というのは…
たとえば、「バンジージャンプを飛んだ」とか、「ファーストキスの思い出」など。
衝撃的な出来事は、すぐさま長期記憶になります。
でも残念ですが、「衝撃」は暗記に使えないんです。
「バンジージャンプしながら勉強」などは、無理ですからね。
2つ目の「ワクワク」というのは…
「好きこそモノの上手なれ」というように、人はワクワクしていると、飛躍的に記憶力が上がります。
「鉄道マニアは、現役の鉄道職員よりも、電車の知識がある」というのも、そういうこと。
でも、これまた暗記には使えないんです。
勉強中にワクワクするって、難しいですからね。
というわけで、最後に残ったのは「復習」のみ。
海馬に「この情報は大事だよ」と伝える方法は、結局『復習』しかないのです。残念ですけど。
つまり…
- 復習回数
- 復習時間
この2つをいかに減らすかが、記憶術の鍵。
海馬の性質をうまく利用して、復習時間を大幅に短縮してしまえばいいのです。
②海馬を制する5つの方法
というわけで、ここからがこの記事のメイン。
海馬の性質を利用した記憶術を、5つに分けてご紹介していきます。
01.メインとなる記憶術
暗記法というと…
- 音読
- 語呂合わせ
- 人に教える
- ビジュアル化
- チャンク化
- 場所法
などなど。
これらの暗記法は効果があるのか?というと、バッチリ効果があります。
でも、あくまで「補助的な暗記法」ですね。
では、メインの暗記法は何かというと…
多くの方は、下の3つのうち、どれかを使っていると思います。
- くり返し読む
- 参考書と問題集
- 単語帳やチェックペン
ところが、もっと効率のいい暗記法があるんです!
それが、3キーワード暗記法。
やり方は、簡単!
3つのキーワードを頼りに、繰りかえし思い出す
この説明だとわかりづらいので、実例でご紹介させていただきます。
たとえば、下の文章を記憶する場合…
関ヶ原の戦いは、 1600年美濃の関ヶ原で、徳川家康を大将とする「東軍」と、石田三成を中心とする「西軍」との戦い。
東軍は総勢7万、西軍は総勢10万が関ヶ原に陣を構えた。
まずは、この文章からキーワードを3つ、拾います。
どの言葉を選んでもOKです。
それをノートに書く。
たとえば、こんな感じ↓
この3つのキーワードから、さきほどの文章を「芋づる式」に思い出すわけです。
「え~と、関ヶ原の戦いは、え~と、1600年美濃の関ヶ原で、え~と…」という感じに。
これは、実際にぼくが使っているノートです。字が汚くて申し訳ないのですが…↓
まずは本のタイトルを書いて、ページ数と3つのキーワード。
これが、ずらーっと並んでいます。
一番右ある赤いのは、マル・バツです。
うまく思い出せたらマル。思い出せなかったらバツ。
このように、ノートを問題集にする。
そして、自作のテストを繰り返す。
これで、すっごく覚えられるんです!
どうして、こんなに簡単なことで、たくさん暗記できるのか?
ちゃんと理由があるんです。
とても面白い研究があるのですが…
●Aグループは、「暗記5分・暗記5分・暗記5分・暗記5分」というように、暗記ばかりさせました
●Bグループは、「暗記5分・テスト5分・テスト5分・テスト5分」と、テスト中心にしました
その結果、記憶はどうなったのか?
暗記ばかりのAグループは、最初の1・2日はたくさん覚えていたものの、その後はものすごい勢いで忘れていきました。
一方のBグループは、最初の記憶量は少ないものの、なかなか忘れないんです。
つまり…
●「テスト」をすると長期記憶になる
●「暗記」では長期記憶になりにくい
ということ。
だから、3キーワード暗記法がいいんです。
キーワードを3つ書いたら、あとはテストの連続ですからね。
だいたい7回くらい復習すれば、長期記憶になるはずです。
POINT①3キーワードノートをつくって何度もテストしよう!
02.復習するタイミング
では、いつ復習するのがベストなのか?
これは、1週間以内に3回。
はじめて覚えたことは、1週間以内に3回復習するのがベストです。
中でも、ぼくのおすすめは…
翌日⇒3日後⇒7日後
有名な『忘却曲線』というものがあります。
人間の、記憶を忘れていくグラフです。
もしも、最初に勉強してから「1週間」も放っておいたら、ほとんど忘れてしまうんです。
だから、再び憶えなおし。
手間と時間がもったいないですよね。
では、翌日⇒3日後⇒7日後に復習したらどうなるのか?
グラフの「赤線」のようになります。
忘れる前に復習したほうが、手間と時間の大幅な節約になるのです。
このほうが絶対にお得ですよね!
POINT②翌日⇒3日後⇒7日後に復習しよう!
03.記憶しやすい時間帯
「暗記しやすい時間帯」があります。
それは…
寝る前の2時間が、暗記のゴールデンタイム
海馬は、睡眠中に情報を整理しています。
その手順は、新しい情報を優先的に整理。
古い情報は後回し。
つまり、寝る直前の情報が優先なのです。
朝起きるまでに整理しきれなかった情報は、ゴミ箱行き決定。
朝や昼に暗記したものは、ゴミ箱行きになる可能性が高いのです。
POINT③暗記は、寝る前2時間がゴールデンタイム
04.分散学習が効果的
2時間3時間と、ぶっ通しで暗記することを「集中学習」といいます。
一夜漬けは、その典型です。
一方、こまめに勉強するのが「分散学習」。
通学中に勉強するのは、まさに分散学習です。
分散学習と集中学習で、記憶がどれくらい違うのか?
グラフのとおり、「分散学習」はすぐに長期記憶になる。
ところが、「集中学習」はなかなか長期記憶にならないのです。
それだけではありません!
分散学習には、もう1つの大きな利点があるんです。
歩行中・電車・バスなどの移動中は、脳内に「シータ波」という脳波がでてくるそうです。
シータ波のとき、海馬の活動が活発になって、記憶力がグンと上がるということが判っています。
つまり、移動中は記憶のゴールデンタイムになるのです。
POINT④すきま時間は暗記に使おう!
05.超重要!睡眠と運動
記憶力を上げるには、睡眠と運動が信じられないくらい超重要です。
まずは、睡眠。
先ほどもお伝えしましたとおり、海馬は「整理しきれない情報」をゴミ箱行きにしてしまいます。
そうならないためにも、8時間睡眠は必須!
海馬が整理する時間をしっかり確保しましょう、ということです。
でも、「8時間も寝てる暇はない!」という方もみえると思います。
そんな方にオススメなのは、昼寝。
NASAの研究がわかりやすいのですが…
『26分の昼寝で、人間の能力が34%向上する』
すごい数字ですよね!
ですので、昼寝のできる方は、ぜひ積極的に昼寝してください。
ただ、30分以上寝てしまうと、夜の睡眠の質が落ちてしまいますから、寝すぎは禁物です。
次に運動。
「有酸素運動で海馬が大きくなる」ということが判明しています。
つまり、ウォーキングやジョギングをすれば、単純に記憶力が良くなる。
反対に、「運動不足は記憶力が悪くなる」ということも判っています。
ですので、もし大学受験の最中で忙しいとしても、運動だけは絶対に欠かさないほうがいいですね。
まとめ
長い文章になってしまいましたので、最後に簡単にまとめておきます。
記憶術は、「復習時間をいかに減らすか」が鍵。
そのためには、海馬を制することが必要。
★海馬を制する5つの方法★
①3キーワードノートをつくって、何度もテストしよう!
②復習は、翌日⇒3日後⇒7日後がベスト
③寝る前の2時間が記憶のゴールデンタイム
④分散学習が効果的。暗記はすきま時間で
⑤睡眠・運動は超重要!
人より記憶力がよくなると、不思議なもので「学習」が楽しくなります。
学習が楽しなれば、人生も変わってくるはずです。
今回ご紹介しました方法を使って、ぜひ記憶力をマックスまで高めていってくださいね。
☆☆☆
以上、スイスイ記憶術!海馬を制する者は暗記を制すでした。
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