色が、人の心に与える影響は絶大!
世の中を動かしているような偉い人たちは、「色の偉大なチカラ」をよ~く知っています。
たとえば、歴代のアメリカ大統領は、熱い演説をするときは赤系のネクタイ。
なぜかといえば…
人は赤を見ると、血圧が上がり、興奮することを知っているからです。
反対に、冷静な演説をするときや、好印象を与えたいときは、青系のネクタイ。
ほかにも…
●飲食店の看板や照明は、赤やオレンジ
●漫才師はブルーのジャケット
それにも深~い意味があります。
まるで催眠術のように、色をつかって「私たちの心」を動かしているのです。
色には、想像以上にすごいパワーがあります。
色の力を知ると、いろんなことに活用できます。
たとえば、モテる色。
自分を魅力的にみせる色があります。知りたいですよね。
ほかにも…
- ストレスや怒りを抑える色
- 頭が良くなる色
- 作業が早くなる色
- 健康にいい色
- よく眠れる色
- 勝負に強くなる色
- 温度を上げる色、下げる色
それから驚きなのが、時間を伸縮させる色もあります。
色をつかって、時間をのばしたり、縮めたりもできるんです。不思議ですけど。
これらを毎日の生活に活用しないなんて、もったいない!
というわけで今回は、色の上手な使いかた・具体的な活用法をご紹介していきますが…
そのまえに、ちょっと1つ。
なぜ色には、絶大なパワーがあるのか?
色は目で見るもの、眼で感じるものと思いますよね。
ところが、目も耳も聞こえなかったヘレンケラーは、色を識別できたそうです。
なぜか?
理由は、皮膚で色を感じているから。
私たちは、肌でも色を感じています。
それを証明する面白い実験があります。
赤い部屋に入ったときと、青い部屋に入ったときとでは、体感温度が3度も違った。
赤い部屋のほうが暑く感じました。
次に、目隠しをして同じ実験を行ったら、どうなったか?
なんと!同じような結果が得られました。
私たちは、目だけでなく、全身で色を感じている。
目で見ていなくても、眠っていても、大きな影響を受けているわけです。
色のパワーがわかったところで、本題に入らせていただきます。
色の心理学① 異性にモテる色は?
まず1つ目は、異性にモテる色。
これは誰もが知りたいですよね。
「男性のモテ色」は何かというと…
ずばり、赤
赤いものを身につけると、いつも以上にモテるということが、さまざまな研究で判っています。
では、「女性のモテ色」は?
これまた、赤
男も女も、赤がモテ色。
これを、「ロマンチックレッド効果」といいます。
なぜ、赤を身につけると異性にモテるのか?
これは、ぜひ覚えておいてほしいのですが…
「ライト・トーナス値」
ライト・トーナス値とは、光を浴びたときの筋肉の緊張度。
「完全にリラックスしている」ときのトーナス値は23。
青を浴びると、24に上がります。
緑は28
黄色は30
オレンジは35
そして赤は、トーナス値が42にまで跳ね上がる。
赤を見るだけで、筋肉がギュッと硬直するだけではなく、血圧・脈拍・呼吸数も同時に上昇します。
つまり、赤を見ると、興奮して胸がドキドキする。
このドキドキを、脳が恋愛感情とカン違いしてしまう。
相手が魅力的に見えてくる。
恋愛心理学の「吊り橋効果」。
「グラグラ揺れる吊橋の上で告白すると成功しやすい」のと、まったく同じ原理です。
ちなみに僕は、「ロマンチックレッド効果」を知ってから、赤いTシャツばかり買ってます。
赤いTシャツを着て、一人旅で吊橋を見にいくこともあります。
妻からは、「いい年こいて、なに考えてんの!」と言われているのですが…
なにを考えてるのかというと、良からぬことを考えているんです。
色の心理学② 時間が伸びる色・縮む色
時間が伸びる色は、赤。
赤の多い部屋に一時間いると、「1時間半から2時間くらいいた感覚」になります。
反対に、時間が縮む色は、青。
青の多い部屋に一時間いても、「30分から40分くらいしか経っていない感覚」になります。
その差は、2倍~3倍。
ラーメン屋さんにいくと、赤いテーブルや赤い丼など、赤いものばかりですが…
赤いものが多いと、お客さんの回転効率がグンと上がります。
少しの時間いただけで、長時間いたような錯覚が起こるからです。
反対に、病院の待合室に赤いものが多いと、患者さんは長時間待たされたような気がしてしまう。
さらに赤は、トーナス値を上げてしまうので、興奮してイライラしてしまうのです。
では、時間の伸び縮みを、どう生活に役立てるのか?
たとえば、子供の勉強部屋・読書・単純作業・流れ作業など…
青いものが多いと、長い時間がんばっても短時間に感じられて、楽なんです。
反対に、リビングや遊び中は、赤いものが目に入ると 時間が長く感じられて、短時間でも満足できる。
色をちょっと工夫するだけで、ストレスの少ない、楽しい暮らしができるということですね。
色の心理学③ 怒りや不安を解消する色
怒りや不安を解消する色は、ピンク。
ピンクは、人の心を安らかにしてくれる色です。
面白い話があります。
アメリカの海軍や刑務所で、暴れる者をピンクの部屋に入れたところ…
15分もすると、みな、魔法にかかったようにおとなしくなった。
これを「ベイカーミラーピンク効果」といいます。
また、アメリカの他の研究でも…
ピンクの部屋に5分いるだけで、「不安が激減する」ということが突き止められています。
なぜピンクが、人の心を安らかにしてくれるのか?
一説によると、ピンクは「お母さんのお腹のなかの色」。
お腹の中にいたときの「安らかな気持ち」がよみがえるからだそうです。
ですので、気持ちが不安定な人やイライラしやすい人は、ピンクのものを身につけるとか、
心配性の人は、ピンクのパジャマや抱き枕をつかうとか、
身の回りにピンクを増やすと、心が落ち着いてリラックスできるはずです。
ピンクで、性格をコントロールする義父
ぼくの話で恐縮ですが…
建築屋を経営している妻のお父さんは、ものすごくイラチな人で、いつもイライラしています。
せっかちで、いつも怒鳴っているんです。
でもね、あるとき「ピンクの服を着ると、心が落ち着く」ということを本能的に気づいちゃった。
それ以来、現場にでるときは、いつもピンクの作業着。
コンビニアルバイトの女の子には、ピンクパンサーと呼ばれています。
で、そのお父さんが、「アパート経営をはじめよう」ということで、自分の土地にコーポをたてた。
ところが、事情があって、そのコーポの一室に自分が住むことになったのです。
すると、「この家は、どうも落ち着かない」ということで…
ペンキでピンクに塗っちゃった!
ほかの住人たちは、それはもうビックリ!です。
でもね、ピンクというのは、それくらい人の心を落ち着かせてくれる色、安らかな気分にしてくれる効果があるということですね。
色の心理学④ ダイエットに効く色
ダイエットに効く色は、青。
青をみると、食欲が減少します。
「青いふりかけ」や「青いカレー」などもありますが、それだとちょっと味気ないので…
たとえば、青系の箸や器、ランチョンマットなどを使用すれば、それだけでダイエットにつながるはずです。
反対に、ダイエットの天敵は、赤やオレンジ。
赤やオレンジを見ると、食欲がわいてきます。
飲食店の看板や照明のほとんどが、赤系なのもそのため。
なぜ、赤で食欲がわくのかというと…
昔の人間は一日2食で、朝焼けと夕焼けの時間に、火を囲んで食事をしていたため。
赤いものを見ると、胃の動きが活発になり、ヨダレが出てくる。
一方、青は夜空の色。
深夜は「寝る時間」「胃を休める時間」だから、食欲が湧かないというわけです。
色の心理学⑤ 頭が良くなる色
頭が良くなる色は、青。
その理由はたくさんあります。
●青は、時間が短く感じるから、長時間勉強できる
●青はトーナス値を下げるので、リラックスできてアイディアが浮かびやすい
などなど。
反対に、頭が悪くなる色は、赤。
赤は、時間が長く感じて、長時間勉強できない。
それと、もう一つ。
とくに試験のときは、赤は要注意!
試験のとき 赤は禁物で、トーナス値が上がって緊張しすぎてしまう。
たとえば、IQテストの場合だと、平均で10%~30%の成績低下がみられるそうです。
すごいですね。
暗記は赤がいい!
ただ1つだけ例外があって、暗記のときだけは赤がベスト。
アンダーラインやマーカーは赤がいい。
そのほかは青がいい、ということですね。
色の心理学⑥ 健康にいい色
健康にいい色は、緑。
緑は、体の健康だけでなく、心の健康にもいい。
とくにリラックス効果がすごい!
たとえば、自殺の名所だったロンドンのブラックフライア橋を…
「黒から緑に塗り替えただけで、自殺が3分の1に減った」という報告もあります。
ただ、緑でも、人工的な緑ではなく、自然の緑がベスト。
自然の緑が見える場所で暮らしていると…
病気になりにくいだけではなく、病気が治りやすいということがわかっています。
ですので、都会に暮らしている方は、部屋に観葉植物がおすすめ。
緑色の効果だけでなく、マイナスイオンやフィトンチッドという体にいい化学物質も出してくれます。
それから、週末はときどき、自然の多い場所へ遊びに行くのもおすすめです。
森林浴は、もともと日本の林野庁がはじめたものですが…
今では、その絶大な効果が科学的に認められて、世界会議も行われるほど。
健康効果・リラックス効果だけでなく、IQアップやコミュニケーション力アップも研究で証明されています。
自然の緑は、驚くほど体にいいですからね!
意識して取り入れることが大切だと思いますよ。
最後の最後に…
最後の最後になりますが、ここまでで伝えきれなかったことを、簡単にまとめてご紹介させてください。
●冷え性の方は、赤やオレンジ系の衣類がおすすめ。体感温度が上がります
●「暑くて眠れない」など、暑がりの方は、青系のパジャマや布団がおすすめ。体感温度が下がります
●「なかなか寝付けない」という方も青がおすすめ
水族館にいくと、気分がまったりして眠たくなることもありますが、青を見ると3倍はやくリラックスできるということが判っています。
ただ、照明はオレンジがベスト。
夕方の色ですからね。はやく眠たくなります。
●「もっと明るい性格になりたい」という方は、黄色を身につけるのがおすすめ。
黄色は、「感情豊かな子供の心」にしてくれる色です。
まとめ
色によって、自分の心を変えることができます。
他人の心を動かすこともできます。
上手に使いこなせば、今よりもっとストレスの少ない、楽しい毎日をすごせるはずです。
今回は、色についてたくさんご紹介してきましたが、色の効果はこれだけではありません。
まだまだ、たくさんあります。
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以上、人をあやつる「色の心理学」でした。
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