「図太い」というと、ずうずうしい人や無神経な人というイメージがあるかと思いますが、今回の話はそうではありません。
・困難に負けない、たくましい心
・凹んでもすぐに立ち直る、しなやかな心
・細かいことは気にしない、おおらかな心
この3つを兼ね備えているのが、「真の図太さ」です。
図太いメンタルが手に入ると、不安・怒り・悩みは半減します。
反対に、自信・やる気・勇気は2倍になります。
人生がすんごい楽になります。
すがすがしく心穏やかに、そして、いさぎよく生きていけます。
というわけで今回は、図太いメンタルのつくり方を厳選して2つご紹介させていただきます。
「自分に自信がもてない」
「すぐに不安になる」
「些細なことで腹が立つ」
「言いたいことが言えない」
「クヨクヨ悩んでしまう」
など、なんとなく生きづらさを感じている方にとっては、必見の内容になると思いますよ。
図太いメンタルのつくり方①
図太いメンタルのつくり方、そのまず1つ目は、こちら↓
あきらめる
「あきらめる」というのは仏教用語で、一般的にいう「ギブアップする」という意味ではありません。
そうではなくて「現実を明らかに見る」。
これが「あきらめる」。
簡単に言えば、「物事を現実的に考える」ということ。
たったこれだけで、心がウンと強くなるんです。
たとえば、わかりやすいのが「告白」。
告白して成功する確率は、せいぜい3割~4割程度。
どんなに好きでも、どんなに情熱があっても、半分以上はフラれます。
これが現実。
この現実をしっかり理解している人は…
「ダメ元だけど、告白してみよう!」と、告白する勇気が出てきます。
たとえ、フラれちゃったとしても…
「やっぱりダメだったか。現実、そう甘くないよな」とそれほど落ち込まない。
「ダメ元だ」と思っているので、心安らかに敗北を受け止めることができます。
それとは反対に、現実を無視して、「きっとうまくいく」などと過大な期待をすると…
「でも、もし上手くいかなかったら、どうしよう…」と不安が出てくる。告白するのが怖くなる。
それでも勇気を振りしぼって告白したけど、結局フラれちゃったとなれば、ズドーンと落ち込んでしまう。
だけでなく、「フラれたのは、自分に魅力がないからだ」と自分を責めてしまう。
そうやって、どんどん自信を失っていくわけです。
物事を現実的に考えるか、勝手な期待をするかで、心の強さがぜんぜん違ってきますよね。
これは、仕事でも同じ。
「仕事が大変なのは当たり前」
「最初は上手くできないのが当たり前」
「上司は口やかましいのが当たり前」
このように、現実をシッカリと受け入れている人は…
仕事で失敗をしても、それで上司に叱られても、粘り強く努力できます。
たくましく成長できます。
それとは逆に…
「できれば楽な仕事がしたい」
「きっと上手くいく」
「みんなに褒められたい」
このような淡い期待をしていると、たった一度の失敗でズドーンと落ち込んでしまいます。
さらに上司に叱られれば、自信を失う、だけでなく、やる気まで失ってしまう。
「こんなはずじゃなかった…」と。
こんなことを何度も経験すれば、やがて心はポキッと折れてしまいます。
で、「こんな会社、もうやめたい!」となってしまうわけです。
人間関係でも、同じこと。
勤めにいけば、どんな職場でも、嫌な人や苦手な人が1人か2人は必ずいます。
ワガママな人やズル賢い人も必ずいます。
その確率は、山に行ったらハチやアブに遭遇するのと同じくらいの確率。
イヤだけど、仕方がない。
これが現実。
この現実を受け入れている人は…
嫌な人に出会っても、「あっ、この人、めんどくさい人だ。なるべく関わらないでおこう」とうまく対処できます。
それとは逆に、現実を無視して、「みんなと上手くやっていきたい」なんて淡い期待をもつと…
「嫌われたらどうしよう」とか、「怒らせちゃったらどうしよう」などと、要らぬ心配が出てきます。プレッシャーを感じます。
すると、必要以上に気を使ってしまったり、態度がオドオド・ビクビクしてしまったり…。
で、ワガママな人やズル賢い人は、オドオドしている人が大好きですからね。
そういう人が集まってきて、都合よく扱われてしまう。
そうやって、どんどんどんどん自信を失ってしまう、というわけです。
現実を受け入れている人は、落ち着いていられる
「踏切故障のため、全線不通となっております」
こんなときに、ものすごい剣幕で駅員さんに食ってかかる人、いますよね。
こんな人も、現実が見えていない人です。
事故や災害で電車が止まるのは、よくあること。
ニュース速報でも、しょっちゅう見ますよね。
電車が動かないというのは…
「あっ!500円玉だ」と思ったら、「ゲームセンターのメダルだった」というのと同じくらい、よくあること。
それが現実。
この現実を受け入れている人にとっては、電車が不通なのは想定の範囲内。
「あっ、またか。仕方ない。喫茶店で時間を潰そう」とか、「ビジネスホテルを押さえておこう」とか、冷静に対処できます。
一方、現実を受け入れていない人は…
電車が動かないのは、「よくあること」ではなく、「異常事態」と考えてしまう。
異常事態だから、心が動揺して、アタフタアタフタして、イライライライラしてしまうわけです。
現実が見えてる人に言わせれば…
「それが嫌なら、はなから車にしなよ」って話なんですね。
この話と同じように…
・天気予報が「晴れ」でも、突然雨が降り出すのは、よくあること
・店員さんがビックリするほど不愛想なのも、よくあること
・相手が待ち合わせに遅れてくることも、よくあること
・寝る間も惜しんでつくった企画書が、取引先に即脚下されるのも、よくあること
・安全運転していても、車をぶつけられることは、ときどきあること
・彼女から、突然別れを切り出されるのも、ときどきあること
・お医者さんに「入院してください」と言われることも、ときどきあること
これらすべて現実。
現実を受け入れていれば、「ああなったら、どうしよう」という不安は小さくなります。
たとえ、それが現実になったとしても、想定の範囲内なので衝撃も小さくなります。
「つらいけど、仕方ないか」と落ち着いていられます。
ちなみに、ここまでの話を聞いて、勘のいい人ならピンと来ていると思いますが…
あきらめる(物事を現実的に考える)の反対は、何でしょうか?
はい、そのとおり!
「期待する」です。
人は、期待すればするほど…
不安を感じたり、プレッシャーを感じたり、落ち込んだり、腹を立てたり、自信をなくしたりするものなんですね。
だから、何事も期待するのをやめて、シッカリと現実を見た方がいい。
「期待しない」と聞くと、なんだかネガティブな感じがしますが…
本当はその逆で、期待するからネガティブになる、現実的に考えるからポジティブになる。
これが、2500年前から受け継がれる仏教の知恵「あきらめ」です。
何事にも期待しないタモリさん
タモリさんは、ある雑誌で、こんなことを言っています。
オレは何事にも期待していないところがあるんだね
現場で誰かが遅刻をしても…
「撮影現場に10人も集まれば、一人くらい遅刻するでしょ。そんなことでいちいちイライラしない」
たぶん、こんな感じでしょうね。
タモリさんは、体は小さいけど、器が大きくてメンタルも図太い。
それもきっと、何事にも期待せず、現実的にモノを考えているからなのでしょうね。
図太いメンタルのつくり方②
図太いメンタルのつくり方の2つ目は、こちら↓
開き直る
心が弱くなる一番の原因は、「どうしよう」です。
「うまくいかなかったら、どうしよう」
「嫌われたら、どうしよう」
「緊張したら、どうしよう」
「クビになったら、どうしよう」
「病気になったら、どうしよう」
「怒られたら、どうしよう」
そして、「~どうしよう」に対抗できる最も簡単かつパワフルな方法が、「開き直る」ことです。
「うまくいかなかったら、どうしよう」じゃなくて、「失敗したっていい。とにかくやるしかない」
「嫌われたら、どうしよう」じゃなくて、「嫌われたって、命まで取られるわけじゃない」
「緊張したら、どうしよう」じゃなくて、「笑われたっていい。三度の飯に困るわけではない」
「クビになったら、どうしよう」じゃなくて、「クビになっても、何とかなるさ」
「病気になったら、どうしよう」じゃなくて、「病気になったら、あとは医者に任せるしかない」
「怒られたら、どうしよう」じゃなくて、「さあ、怒られにいこう!」
開き直った人は、強いです。
ちょっとやそっとの事では、くじけない。
それだけでなく、開き直ったほうが、物事は案外うまくいくものなんです。
開き直ると、人生がイージーモード
たとえばですが、「クビになったら、どうしよう。この仕事、辞めるわけにはいかない」なんて思っていると、心穏やかではいられなくなります。
上司にも同僚にも、必要以上に気を使います。
自分の意見も言えなくなります。
些細なミスで、「ヤバいことをしてしまった」と落ち込みます。
ストレスが雪だるま式に大きくなり、ますます心が弱くなります。
ひどいと心の病になり、結局会社を辞めることになります。
それとは反対に…
「最悪、こんな会社いつでも辞めてやる」と開き直っている人は、ありのままの自分を出していけます。
無駄に気をつかうこともなく、ざっくばらんに話ができます。
自分の意見もストレートに言えます。
その結果、人間関係が深まります。
些細なミスをしても、仲間が助けてくれます。
会社の居心地がよくなります。
結局、辞めなくて済みます。
こんな感じで、開き直っている人のほうが、人生うまくいくものなんですね。
心理学の研究でも…
「失敗したらどうしよう」と思っている人より、「失敗したっていい」と開き直っている人のほうが、失敗する確率が大幅に低いということがわかっています。
開き直ったイチロー
イチローは、WBC決勝の韓国戦、延長10回、ツーアウト1・3塁の場面で打席に入ったとき、このようなことを考えていたそうです。
「ここで打てなかったら、えらいことになるな。日本に帰れないな。でも、こんなことを考えてちゃいけない。そうだ!開き直って楽しくやろう」
その結果、タイムリーヒットで日本は優勝し、イチローはMVPに輝きました。
開き直った人は、プレッシャーがなくなり、冷静かつ堂々としていられますからね。
何かと、うまくいくものなんですね。
開き直ったラッキー
ぼく自身の話で恐縮ですが…
我が家の場合は、もしもご近所さんと上手くいかなければ、いつでも引越す気でいます。
「家を売り払って、アパートでも借りればいい」と、最初から開き直っているんです。
そうすると不思議なもので、何も隠すことなくオープンに話ができるので、
老若男女、たくさんの仲間ができました。
そんなある日、町内会の会合で、長老たちがビックリするような理不尽な要求を突き付けてきたんです。
そこですかさず、うちの妻が手を上げて…
「そんな理不尽なことを言うなら、うちは町内会をやめます」
「私もやめます」
「うちもやめます」
そうしたら、長老がひと言。
「町内会をやめた人は、ゴミを出してはいけませんよ」
それを黙って聞いていた一人のおじいさん(この方も親しくさせてもらっている人です)が、次の日に区役所に聞きに行ってくれたんです。
「町内会をやめると、ゴミを出せないんですか?」
「そんな訳ないでしょ!ゴミは自由に出してください」
で、次の会合のとき、それを伝えると…
「だったら、うちもやめる」
「わたしも、町内会やめる」
結局、困った長老たちは、理不尽な要求を引っ込めてくれました。
このように上手くいったのも、最初から開き直っていたおかげなんですね。
開き直っていたから、オープンに話ができた。仲間ができた。
開き直っていたから、「町内会をやめる」と言えた。仲間も助けてくれた。
これがもしも、開き直っていなかったら、理不尽な要求に泣き寝入りするしかなかったんです。
坂本龍馬の有名な言葉に、こんなものがあります。
世の人は我を何とも言わば言え、我なす事は我のみぞ知る
龍馬はもともと、泣き虫で弱虫だったそうです。
でも、途中から開き直ったんですね。
「皆から笑われようが、馬鹿にされようが、憎まれようが、そんなことはどうでもいい!」と。
開き直った人は、とにかく強いです。
強いからこそ、あれだけの大仕事を成し遂げることができたのでしょうね。
人は開き直ると、一瞬で強くなれます。
すがすがしく、晴れやか気持ちで生きていけます。
しかも人生、案外うまくいく。
開き直る気持ちよさを一度覚えれば、「何でもっと早く開き直らなかったんだろう」と思うときが、きっと来ると思いますよ。
まとめ
メンタルを強くする方法は山ほどあって、このブログでも過去にたくさん紹介してきました。
その中でも、今回ご紹介ました2つは、ぼくが知るかぎりでは最もパワフルな方法です。
・あきらめる
・開き直る
メンタルが強くなるどころか、図太くなります。
堂々と、揺るがない自分でいられます。
仕事も健康も人間関係も、より良くなります。
最後に、本を2冊ご紹介させてください。
著者の楠木さんは、「期待のツマミを悲観方向に回しておくだけで、打たれ強くなるだけでなく、人生の喜びも増える」という感じのことを書いています。
今回の「あきらめる」と、とっても似た考え方ですね。
何よりこの本、すごく読みやすくて、わかりやすい。
そして、とってもおもしろい。
「久しぶりにいい本を読んだ」という気持ちになりました。
二冊目は…
今までに何度もご紹介していますが…
この本を読むと、岡本太郎さんの生き方を通して、「開き直る」とはどういうことなのかを深く理解できます。
「自分も、開き直ってみよう!」と勇気が湧いてきます。
二冊とも、とってもいい本ですので、「まだ読んでないよ」という方は、ぜひ手に取って読んでみてくださいね。
以上、【人生楽になる】図太いメンタルのつくり方・2選でした。
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