突然ですが…
「3日前の夕飯に何を食べたか」覚えていますか?
これを思い出すのは、なかなか難しいですよね。
では、「中学生のときに好きだった異性の名前」は覚えていますか?
これは、ほとんどの方が思い出せるはずです。
なぜ、「3日前のこと」は思い出せないのに、「何年も前のこと」がすんなり思い出せるのか?
このメカニズムさえわかれば、記憶なんて簡単!
大量の情報でもスイスイ覚えられるようになります。
というわけで、それが今回ご紹介します記憶術です。
内容は、この2つ。
①記憶のメカニズム
②メカニズムを生かした超効率記憶術を3つ
この3つの記憶術は、心理学でも認められた5つ星の記憶術。
実はぼく自身、もともと記憶力が良くありません。
人の名前も、音楽の曲名も、なかなか思い出せない。
ひどいときは娘の名前が出てこなくて、「おたく誰だっけ?」と聞いたことすらあります。
妻には、「ハハッ!お大事に」って笑われちゃいましたけど…。
そんな記憶力の悪い僕ですが、暗記は大の得意。
なぜなら、今回ご紹介する記憶術をフル活用しているからです。
おかげで、大量の情報でも、短時間で記憶できるようになりました。
しかも簡単に。
今回ご紹介します方法は…
学校の勉強だけではなく、資格取得・仕事を覚えるとき・本の内容を頭に入れたいときなど、さまざまな場面で活用できます。
そして、他の誰よりも、高速で暗記できます。
学ぶことが楽しくなります。
やり方さえ覚えておけば、かならず役に立つと思いますよ。
記憶のメカニズム
まず最初は、記憶のメカニズム。
私たち頭の中に、「タツノオトシゴが2匹いる」のをご存知でしょうか?
本物ではありませんが…
タツノオトシゴの形をした部位が、脳の中に2つあります。
それが「海馬」。
記憶の司令塔です。
司令塔とはいっても、 役割は単純で「情報の仕分け」。
「この情報は不要」「この情報は重要!」と仕分けをしています。
この海馬が「これが重要」と判断した情報だけが、側頭葉という場所に送られる。
それが長期記憶。「暗記した」という状態です。
海馬は、何を基準に「重要」と判断するのか?
では、海馬は何を基準に「重要な情報」と判断しているのでしょうか?
その条件は2つ。
①心が動いた情報
②何度も思い出す情報
このどちらかに当てはまれば、「重要な情報」と判断して長期記憶に保存する。
ここで、最初にお伝えしました「好きだった異性」の話を思い出してください。
好きな異性は、心を動かす情報であり、また何度も思い出す情報でもある。
2つの条件を満たしているから、「覚えよう」と努力しなくても、覚えてしまう。
何十年も忘れない長期記憶になる。
ところが、「3日前の夕飯」は心も動かなければ、思い出すこともない。
だから、3日も経たないうちに忘れてしまう。
これが、記憶のメカニズム。
簡単ですよね。
つまり…
何かを覚えるには、「心を動かす」か「何度も思い出す」か、方法は2つしかないのです。
ただ、残念な話ですが…
「心を動かす」という方法は暗記に使えません。
「bicycleは自転車」
「関ヶ原の戦いは1600年」
ワクワクもドキドキもしないですよね。
ワクワクできるのは、せいぜい中学校の保健の授業くらい。
だから、「心を動かす」という方法は、暗記に使えない。
何かを暗記するには、「何度も思い出す」。
これ以外に方法がないのです。
つまり、「いかに効率よく思い出すか」が記憶術の鍵。
そして、今からご紹介します「3つの超効率記憶術」こそが、もっとも効率よく思い出す方法になるわけです。
ちなみにですが、今回のキーワード「思い出す」。
これを専門的には「想起」「リトリーバル」「検索練習」など、いろんな名前が付いているのですが…
今回は「想起」という言葉を使わせてもらいますね。
超効率記憶術①
超効率記憶術、そのまず1つ目は、こちら↓
マインドマップで想起
マインドマップは有名なので、「もう使ってるよ」という方もみえると思いますが…
マインドマップというのは、こんな感じのノート術。
これは、「腸と脳」という本をマインドマップにまとめたものです。
書き方は簡単で…
①丸のなかにメインテーマを書く
②枝を伸ばす
③キーワードを書いていく
これだけ。
たとえば、「桃太郎」をマインドマップにするなら、こんな感じ。
最初は難しく感じるかもしれませんが、3回も書けば、すぐに慣れます。
このマインドマップは、とっても不思議で…
「書くだけでも、驚くほど記憶に残る」ということが、たくさんの心理学研究でわかっています。
どれくらい記憶に残りやすいのかというと…
クラスディスカッションより効果が高い。
クラスディスカッションは、一つのテーマに対して、みんなで意見を出しあう授業ですが、非常に効果が高いので、文部科学省も推奨しています。
ところが、マインドマップは、このクラスディスカッションよりも遥かに記憶に残りやすい。
しかも、書くだけで。
すごいですよね!
マインドマップを書くだけでは、もったいない!
とはいっても、マインドマップを書くだけ終わらせたのでは、もったいない!
なんと言っても、暗記の王様は「想起」ですからね。
想起とマインドマップを組み合わせれば、もう鬼に金棒。
記憶ががっちり定着するんです!
やり方は、至ってシンプルで…
マインドマップを書き終えたら、裏返して想起する
「え~と、え~と」と言いながら、一生懸命思い出す。
すると、海馬は「一生懸命思い出そうとしている。この情報は重要だ!」と判断して、長期記憶に保存してくれる。
実際にやってみると分かりますが、この方法だと、自分でもビックリするほど覚えられます。
しかも、そう簡単には忘れない。
我が家の話で恐縮ですが…
うちには、今度中3になる双子の息子がいるのですが、二人とも理科と社会だけは成績が良い。
ほかの教科は残念ですが…。
なぜ、理科と社会だけ成績がいいのかというと、マインドマップで想起しているからです。
まずは、教科書の内容を、マインドマップにまとめて想起する。
これが予習。
あとは、学校の授業をきいて、足りない部分を追加する。
息子たちいわく、「これだけで、ほぼ完璧に覚えられる」そうです。
なので、「マインドマップ、まじ神!」と息子たちはよく言っています。
このように、マインドマップで想起するのは、最高の記憶術。
なのですが…、実は1つだけ欠点があるんです。
マインドマップの欠点
マインドマップの欠点は…
情報が多いと、マインドマップに書ききれない
先ほどの「腸と脳」も、300ページ以上の分厚い本ですが、とてもじゃないけど一枚のマインドマップには収まらない。
だから、マインドマップに書くのは、もっとも大切な情報のみ。
では、細かな情報は、どうやって覚えるのか?というと…
それが、2つ目の記憶術なんです。
超効率記憶術②
というわけで、超効率記憶術の2つ目は、こちら↓
暗記カードで想起
電車やバスの中で、暗記カードや単語帳をペラペラめくっている人をときどき見かけますが…
あの方法が、シンプルにして最高の記憶術!
わかりやすいのが、ワシントン大学の研究で…
あらゆる記憶術を比較した結果、結局「暗記カードが最強!」
なぜかといえば、「超高速で想起できる」からです。
たとえば、ぼくが使っている暗記カードは115枚とかなり分厚いのですが、20分もあれば一冊終わります。
もしも、朝の通勤で1冊、夜の通勤で1冊終わらせれば、一日230回も想起できる。
1週間なら1150回。一カ月なら5000回。
通勤のすきま時間だけで、莫大な量の想起ができる。
あと、オマケの効果もあって…
電車やバスなどの移動中は、海馬からシータ波が出ます。
で、シータ波が出ているときは、記憶力が劇的に高まります。
通常の10倍効果があるという説もあるほどです。
さらに、もう1つ。
「大量に想起すると、試験のプレッシャーに強くなる」とも言われています。
そんな、なんだかんだの理由で、暗記カードが最強の記憶術。
暗記カードのコツ
暗記カードのつくり方は、至って簡単。
表に「自分でつくった問題」を書き、裏に「答え」を書く。
コツは、問題を「自分の言葉」でつくること。
イラストを添えれば、もっといい!
暗記カードをつくるには、多少の手間がかかりますが、出来てしまえば、もうこっちのものですからね。
試験勉強でも資格取得でも「暗記モノ」であれば、すきま時間のみで勉強を終わらせることもできるはずです。
また、マインドマップに書ききれなかった細かな情報も、暗記カードでOK。
暗記カードは何かと役立つので、学習の必須アイテムになると思いますよ。
超効率記憶術③
超効率記憶術の3つ目は、こちら↓
チャンク化して想起
下の2つの写真をご覧ください。
どちらの本棚にも、同じ本が入っています。
一冊の本を探すとしたら、どちらの本棚のほうが探しやすいでしょうか?
これは、考えるまでもなく下の本棚ですよね。
下の本棚のように、似た者同士をまとめておくと、一瞬でパッと取り出せるようになります。
これを、チャンク化といいます。
実は脳みそも、これとまったく同じ。
たくさん記憶したときは、脳の中がゴチャゴチャ状態。
すると、脳が混乱して「なかなか思い出せない現象」が出てきます。
たとえば、「徳川吉宗の改革って、享保の改革?寛政の改革?それとも天保の改革?ほかに何かあったっけ?」みたいに。
こうなったら、せっかく覚えたものも水の泡。
それを防止するために、脳のなかをチャンク化して、きれいに整頓してあげる必要があるのです。
まとめて想起すれば、脳内をチャンク化できる
そのやり方は簡単で、マインドマップで似たもの同士をチャンク化する。
たとえば、「getの熟語」であれば…
- get in
- get it
- get on
- get off
- get up
- get at
- get to
あとは、日本語を隠しながら想起する。
すると、脳のなかでバラバラになっていた記憶につながりができて、きれいに整理(チャンク化)される。
すると、ビックリするくらい思い出しやすくなります。
大量の情報を記憶するには、脳のチャンク化が必須ですからね。
ぜひ、この方法も覚えておいてくださいね。
まとめ
「いかに効率よく思い出すか」が、記憶術の鍵。
①マインドマップで想起すれば、驚くほど記憶が定着します。全体像も把握でき、学習の基礎がかたまります。
②暗記カードで想起すれば、スキマ時間で「大量の情報」を記憶できます。
③チャンク化して想起すれば、脳内の情報が整理されて、混乱を防げます。
今回ご紹介しました記憶術は、学生さんだけでなく、ぜひとも大人の方にも使っていただきたい!
というのは、大人が一年間、ムキになって学習すれば、たいていのことは立派な専門家になれるからです。
たとえば、図書館で「睡眠の本・50冊」をマインドマップにまとめる。
細かな情報は、暗記カードで記憶する。
最後にチャンク化して情報を整理すれば、あなたはもう立派な睡眠の専門家です。
睡眠のサイトやYouTubeを始めることもできる。
人気が出てくれば、セミナーを開くことも、本を出版することだって可能。
必要とされる人間になれば、ますます勉強が楽しくなります。
記憶術さえ習得すれば、あなたの可能性は無限大。
自分でも想像していなかった未来が開けてくると思いますよ。
以上、【最強の記憶術】誰でもスイスイ覚えられる心理学式・超効率記憶術でした。
●こんな記事もありますよ