運動・読書・ダイエット…
「今度こそは習慣にするぞ!」と意気込んではみたものの、結局は三日坊主。
「何をやっても続かない」という方も、少なくないと思います。
実はぼくも、昔はそうでした。
習慣化できないのは、「生まれつき意志が弱いからだ」と半分あきらめていました。
ところが、そうではなかったのです!
習慣化できない原因は、意志が弱いことではなく、やり方が間違っていたから。
習慣に関する本を何冊か読んで、気づいたんですが…
習慣づくりには「一定の型」がある。
それが、今回ご紹介します「強化の原理」です。
「強化の原理」のわかりやすい例が、イルカの調教。
イルカは、努力と根性で芸を身につけるわけではなく、喜びながら、芸を体に染みこませていきます。
あれが「強化の原理」。習慣づくりの正しいやり方です。
ぼくも、強化の原理を知ってから、読書・運動・瞑想・仕事・街の掃除・朝晩の勉強など、生活のほとんどを習慣化しました。
習慣化すると何がいいのか?というと、努力がすっごく楽なんです。
「やらなくちゃ」「めんどくさいなぁ」と思わなくなるから、意志の力が不要になります。しかも成果はグングン上がる!
というわけで今回は、強化の原理をつかった習慣化のやり方をご紹介していきます。
覚えておいて、絶対に損はないと思いますよ。
習慣づくりの正しいやり方『強化の原理』
習慣化の方法をざっくり分けると、この2つ。
- アドレナリン式
- ドーパミン式
定番のアドレナリン式では習慣化できない!
アドレナリン式のやり方は、「努力と根性」。
「今度こそダイエットを成功させるぞ!」という定番の方法です。
ところが、アドレナリン式はたいてい失敗します。
なぜなら、アドレナリンを出し続けることが、人間には不可能だからです。
3日もすると、アドレナリンは消えてなくなります。
「あのときの熱い気持ちは、どこへ行っちゃったんだろう?」と。
それが、三日坊主の原因。
ただ、アドレナリンを永遠に出しつづけることも、不可能ではありません。
それは、大声を張り上げること。
「気合いだー!」「やるぞ!絶対に達成するぞ!」と大声を張り上げれば、アドレナリンは分泌されます。
でもそれは、あまりやらない方がいい!
というのは、アドレナリンは、もともとストレスホルモン。身体に毒です。
だから、続けていいのは、せいぜい1カ月まで。
半年・一年と続けていると…
- 燃え尽き症候群
- うつ病
- 心臓病
- 糖尿病
など、怖いことになる恐れがあります。
燃え尽き症候群になってしまうアスリートも時々いますが、そういうことなんです。
実はぼくも、学生のころに、燃え尽き症候群になったことがあります。
半年間くらい、気合と根性で猛勉強してたら、突然「活字」が読めなくなったんです。
活字をみると、胸がムカムカするというか。とにかくツラいんです。
それから10年間くらい、本も雑誌も読めなくなってしまいました。
そんなわけで、アドレナリン式はダメ。
よっぽど意志の強い人でないかぎり、破綻してしまう方法です。
習慣化の正しいやり方は「アドレナリン式」
もう一つの方法「ドーパミン式」は何かというと…
それが、今回ご紹介します「強化の原理」です。
やり方は…
「毎日、小さな達成感を積み重ねる」。
たった、それだけ。
たとえば…
●運動ができたら、カレンダーにハナマルを書いて「よしっ!3日続いた!いいぞいいぞ!」
●「昨日はスクワットを8回しかできなかったのに、今日は10回もできた。新記録だ!」
●読書をつづけて「一週間で100ページも読めたぞ!すごい!」
このように、とにかく自分を褒める。
些細なことでもいいから、「やったぞ!」と自分を褒めるんです。
自分を褒めると、達成感を感じます
↓↓↓
達成感を感じると、ドーパミンが分泌されます
で、ドーパミンが分泌されると、どうなるのか?
脳科学者の茂木健一郎さんの言葉をかりると、こうなります。
脳はドーパミンが分泌された時、どんな行動をとったか克明に記憶し、ことあるごとにその快感を再現しようとします。
脳は、ドーパミンを分泌した行動を、もう一回やろうとします。
「またやりたい!」って思うんです。
これは、子どもがゲームにハマる原理と同じ。
「よし!クリアしたぞ!」と、ドーパミンが分泌されると、また翌日もゲームをやりたくなる。
それを繰りかえすことで、ゲームがやめられなくなる。
言い方は悪いですが、「ドーパミン中毒になる」ということです。
これが、強化の原理。
もう一度、茂木さんの言葉ですが…
大切なのは、ドーパミンによる強化サイクルが回るかどうか。
この回路さえ回りはじめれば、あとは簡単です。
つまり、
ドーパミンを分泌
↓↓↓
翌日もやる
↓↓↓
ドーパミンを分泌
↓↓↓
翌日もやる
これを繰りかえすことで…
脳の中に、「毎日やる」という思考回路が出来あがる。
食後のコーヒーと同じで、どんなことでも毎日やるとクセになります。
それが、思考回路が出来あがった状態。
つまり、習慣化した状態です。
この思考回路が出来あがるまでは、「強化の原理」を活用して毎日続けていきましょうということです。
習慣化するまでの期間
では、習慣化するまでに、どれくらいの期間が必要かというと…
長くて3か月。
難易度の違いや、個人差もありますからね。
でも、どんなことでも3か月続ければ、かならず習慣化すると言われています。
強化の原理「3つのポイント」
ここからは、「強化の原理の3つのポイント」をお伝えしていきます。
これさえ覚えておけば、習慣づくりは簡単ですよ。
①毎日続けることを目標にする
「少しはやせたかな?」「筋肉はついたかな?」と結果を目標にするのは、NG。
結果を目標にすると、なかなか達成感を感じることができないからです。
そうではなくて、「毎日続ける」ことを目標にする。
「今日で3日続いたぞ!」「10日達成だ!すごい!」と。
これだったら、毎日達成感を感じることができますからね。
カレンダーを買ってきて、ハナマルを描いていくのが一番いいと思います。
②少しずつレベルアップする
毎日同じことの繰り返しも、NG。
達成感を感じられるように、少しずつレベルアップすることも必要です。
例えばですけど、ウォーキングなら、初日10分⇒2日目11分…。
1分ずつ増やしていけば、一カ月後には40分。
で、次は、40分で歩いたルートを、早歩きして35分で歩くなど。
少しずつレベルアップしていけば、日々 達成感を感じることができるはずです。
③成果を記録する
たとえば、読書なら…
「昨日は4ページ」「今日は6ページ」と、成果を記録していく。
すると、「今週はトータル80ページ読めたぞ!」「今月は400ページも読んだぞ!やったぜ!」と達成感を感じることができます。
また、毎日続けることの「凄さ」も、身に染みてわかります。
これも、カレンダーに書き込んでいくのがオススメです。
習慣化のちょっとしたコツ
最後に、習慣化のちょっとしたコツも、4つご紹介させていただきます。
こちらは「途中で挫折しないためのノウハウ」です。
①習慣の連結
習慣化の賢いやり方は…
「古い習慣」と「新しい習慣」を連結させること。
たとえば、
●朝、顔を洗ったら⇒すぐに着替えてウォーキング
●お風呂から出たら⇒すぐにストレッチ
一連の流れをつくると、「何時からやろう?」と考える必要がないし、ウッカリ忘れてしまうこともなくなります。
②お金をかける
たとえば、ちょっと高級なランニングウェアやスニーカー。
スポーツクラブの会員になったり、年間パスポートを買っちゃったり。
人間は不思議なもので、最初にお金をつかうと、「少なくとも元だけは取ろう」と無意識に考えます。
その分、続けやすくなるというわけです。
③ツラいときは「今は慣れていないだけ」と考える
運動でも読書でも、習慣化しようとすると「ああ、ツラいなぁ」と感じる瞬間が、きっとあると思います。
「自分には向いていないのかな?」「やめちゃおうかなぁ?」と。
そんなときは…
「今は慣れていないだけ」と考えれば、長続きしやすくなるということが研究でわかっています。
というか、ツラいのは、本当に慣れていないだけなんですね。
人間、どんな事でも必ず慣れますから。
ツラいときは…「今は慣れていないだけ」と考える。
これは、けっこう重要だと思います。
④習慣化は「1つずつ」
「早起きして、ジョギングする」というように、2つ同時に習慣化しようとすると、たいてい挫折します。
人間の体は「変化を嫌う」ようにできているから、2つ同時はまず無理。
習慣化は3カ月に1つ。一年で最大4つまで。
これも大切です。
まとめ
とても長い文章になってしまいましたので、簡単にまとめておきます。
習慣化の方法は2つ。
アドレナリン式とドーパミン式。
●アドレナリン式は、多くの人が失敗するパターン
●正しいやり方は、ドーパミン式(強化の原理)
自分を褒める
↓↓↓
達成感を感じる
↓↓↓
ドーパミンが分泌される
↓↓↓
翌日もやりたくなる
このサイクルを繰り返して、「毎日やる」という思考回路をつくる。
これが、習慣化の正しいやり方『強化の原理』。
習慣化までの期間は、長くて3か月。
それまでは、「強化の原理」を使って毎日続けましょう。
★3つのポイント★
- 毎日続けることを目標にする
- 少しずつレベルアップする
- 成果を記録する
『習慣は第二の天性なり』という言葉のとおり…
いい習慣をたくさん身に付けると、人生が変わります。性格も変わります。運勢も変わります。
自分でもビックリするくらいに変わるんです。
まるで別人になったように。
しかも、いったん習慣化してしまえば、努力や根性は不要。
楽チンなんです。
「強化の原理」をつかって習慣化すれば、きっと、想像以上に楽しい努力になると思いますよ。
☆☆☆
以上、習慣づくりの正しいやり方『強化の原理』でした。
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