好印象な話し方には、ある一定の型があります。
ここでは、感じのいい人が無意識に使っているトーク術やテクニックを、心理学的な側面から12種類ご紹介させていただきます。
パターンさえ知ってしまえば、今すぐにでも応用できると思いますよ。
好印象な話し方12選
マイナス・プラス法
好印象を与える一番の鉄則は、「ネガティブなことを言わない」こと。
ネガティブ言葉で、言った本人がネガティブオーラになってしまいます。
心理学の実験でも、「このパソコンは使いづらい」と言っただけで、その女性の好感度は約2分の1に半減しました。
そこで、ご紹介したいのが「マイナス・プラス法」。
マイナス・プラス法をつかえば、あらゆる会話がポジティブに大変身!
やり方も簡単です。
「いちばん最後に、プラス面を言う」
たった、これだけ。
「ここのラーメンは、美味しいけど、値段が高いよね」
これだと、ネガティブですね。
マイナス面が、最後になっているからです。
ところが、プラス面を最後に持ってくると↓
「ここのラーメンは、値段が高いけど、美味しいよね」
一瞬でポジティブな会話に大変身!贅沢している気分も味わえます。
せっかくの旅行が雨だったとしても…
「残念だったけど、忘れられない思い出になったね!」と、最後をプラスで締めくくればポジティブになります。
会話が、誰かの悪口になってしまっても…
「でもあの人は、あの人なりに頑張ってるんだよ」と、最後をプラスで締めくくればポジティブになります。
このように、とても便利なマイナス・プラス法。
感じのいい人になるための必須テクニックです。
アイメッセージ
2つ目にご紹介するのは、「アイメッセージ」。
これも簡単!
「自分の感情を言葉にする」だけ。
たとえば、友達が待ち合わせに遅刻してきたとき…
「遅いじゃない!いい加減にしてよ!」
これは普通の怒りかた。険悪なムードになります。
アイメッセージの場合は、こう↓
「遅いじゃない!心配したんだから!」
これなら相手も、「悪いことしちゃったな」と素直に反省してくれるはずです。
「自分の感情を添えるだけ」というアイメッセージ。日常生活のあらゆる場面で使えます。
「歌がうまいのね」
↓↓↓
「歌がうまいのね。感動したわ!」
「ごちそうさま」
↓↓↓
「ごちそうさま。すごく美味しかったよ!」
「どうして約束破ったの?」
↓↓↓
「どうして約束破ったの?残念だわ」
「なんで、いつも帰りが遅いのよ!」
↓↓↓
「帰りが遅いと、わたし淋しいわ」
「花子は新年会に出席する?」
↓↓↓
「花子は新年会に出席する?花子が来てくれると嬉しいなぁ」
アイメッセージを使えば、「褒め上手・叱り上手・怒り上手・喜び上手」という4つの才能が、いっぺんに手に入ります。
ネームコーリング
ネームコーリングは、その名のとおり「名前を呼ぶ」こと。
頻繁に相手の名前を呼ぶことで、親密度が増すという心理テクニックです。
「山田さん♪おはよう」
「山田さん、知ってる?」
人間にとって、もっとも心地よい音の響きは「自分の名前」と言われています。
それを何度も聴くことで、だんだん気分が良くなってくる。
このような心理を「社会的報酬」とも言います。
目上の人なら…
「先生」よりも「吉田先生」。
「部長」よりも「石田部長」。
友達の場合なら…
名字よりも、下の名前。
下の名前よりも、呼び捨て・ニックネームのほうが効果を期待できます。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、いわゆる「オウム返し」。
「相手の言葉を繰り返す」という単純なテクニックですが、想像以上に相手を心地よくする効果があります。
相手「これ、すごくない?」
自分「ほんと、すごいよね!」
相手「駅前に新しいラーメン屋ができたの知ってる?」
自分「駅前に新しいラーメン屋できたよね!」
相手の言葉を復唱するだけで、会話がスムーズになるだけでなく、相手は「受け入れられている」という感覚になります。
バックトラッキングは、テレビ司会者やカウンセラーなどの「聴くプロ」も頻繁に使っている効果抜群のテクニック。
好印象を与えられること間違いなしです。
まずは一度、家族や友人など身近な人で試して、その効果を実感してみてください。
ミラーリング
ミラーリングとは、相手の鏡になったつもりで、動作や表情をマネること。
相手の潜在意識に「親近感」を与える効果があります。
・相手が笑っていたら、自分も笑う
・相手がイスにのけぞっていたら、自分ものけぞる
・相手がジュースを飲んだら、自分も飲む
動作を合わせることで、相手は「なんだかウマが合う」と無意識に感じてくれる。
まるでテレパシーのような効果を期待できるのです。
ペーシング
ペーシングは、先のミラーリングとほぼ同じ。
「相手と波長を合わせる」というテクニックです。
・相手がハイテンションに話していたら、自分もハイテンションにうなずく
・相手がゆっくり話す人なら、自分もゆっくり話す
・相手が落ち込んでいたら、自分も元気のない声で話す
声のスピードやトーン、感情、テンションを相手に合わせることで、二人のあいだに親近感や仲間意識を生み出すことができます。
芸能人でいうと、鶴瓶さんはペーシングの達人。
「鶴瓶の家族に乾杯(NHK)」などで確認してみると、わかりやすいと思いますよ。
初頭効果
初頭効果とは、「最初の印象が強く残る」という心理。
つまり、人間関係において一番大切にすべきは「あいさつ」です。
とくに、「出会った最初の約7秒」が強く印象にのこると言われています。
感じのいい挨拶のコツは、3つ。
- 先手
- 笑顔
- 名前を付けて
「西田さん♪おはよう!」と笑顔で歩みよれば、相手はうれしさや安心感を感じるもの。
その好印象が、その日、一日つづくはずです。
承認欲求を満たす
承認欲求とは、「褒めてほしい・認めてほしい」という欲求。
食欲と同じぐらい大切な基本的欲求です。
ところが、承認欲求が完全に満たされている人は、まずいません。
ほとんどの人が、「やや飢え気味」といっても過言ではありません。
つまり、承認欲求を満たしてあげられる人は、間違いなく好感度が上がるわけです。
相手の承認欲求を満たすためには、「褒める」「認める」というのも良いですが、ちょっと芸がありません。
ヘタすると、「お世辞」や「おべんちゃら」になってしまいます。
では、どうすればいいのか?
おすすめしたいのは「感謝」です。
「教えてくれたお店、最高でした!ありがとうございます」
「おみやげ、美味しかったですよ。家族も喜んでいました」
「石原さんも一緒だと心強いです。ホント助かります」
「安田さんがプレゼントしてくれたポーチ、友達にもカワイイって好評なんです」
感謝の気持ちを伝えれば、自然な感じで相手の承認欲求を満たすことができます。
「感じのいい人だ」と思われること、間違い無しです。
自己開示の法則
自己開示とは、心の内面の弱い部分や、ちょっと恥ずかしい失敗談など、ありのままの自分を包み隠さずさらけ出すこと。
自己開示すると、「裏表のない正直で素直な人」という好印象を与えることができます。
また、こちらが先に自己開示をすれば、相手も心を開いて話してくれる。
心を開き合って話している時間は、この上なく心地いいものです。
一方、弱い部分を隠して、自分を守ろうとすればするほど、見栄やプライドが見え隠れして悪印象になりがち。
相手に、余計な気をつかわせることになります。
自己開示のコツは、明るく陽気に話すこと。
自分を笑い飛ばせる人は、どこに行っても人気があります。
一体感願望を満たす
一体感願望とは、「相手も自分と同じように考え、同じように感じてほしい」という願望。
「あなたも西武ライオンズファンなの!うれしい!」というのも、一体感願望が満たされた喜びです。
普段の会話で、相手の一体感願望を満たすには、「うなずき」と「共感」が大切。
うなずきは、相手の話を飲み込むしぐさ。「わかります。わかります」という無言の言葉です。
そして共感は、「そうだよね。わかるわかる」という有言の言葉。
この2つがしっかり出来ていれば、相手の一体感願望を満たせるだけでなく、「私のことを理解してくれる良い人だ」という好印象を与えることもできます。
うなづきのコツは、「大きくゆっくり」。
意外と、自分が思っているほど 頭は動いていないものなので、一度 鏡でチェックしてみるのもいいかもしれません。
好意の返報性
返報性とは、自分の出した感情が返ってくるという心理。
・こちらが怒れば、相手も怒る
・こちらが笑えば、相手も笑う
・こちらが嫌えば、相手も嫌う
このように、良くも悪くも 自分が出したものは反射して返ってくる。
それが返報性です。
その中でも”好意の返報性”とは、「自分が好きになった度合いにあわせて、相手も好きになってくれる」という心理。
つまり、人から好かれたければ、まずはこちらが「相手を好きになる」ことが必要なのです。
でも実際には、すべての人を好きになることはできません。
そんなときは、まず「相手に興味をもつ」ことから始めるのがベスト。
「どんな話が聞けるだろう?」
「この人はどう考えるのだろう?」
人は、自分に興味をもってくれる相手に好感を抱くものです。
そして、次に大切なのは「笑顔」。
こちらが笑顔で話せば、相手も自然と笑顔になるもの。
笑顔になると、幸せホルモン・セロトニンが分泌され、気分よく会話を進めることができます。
タッチング
タッチングとは、ボディータッチのことです。
心理学の実験でも、適度なスキンシップで 好感度がグンと上がることが証明されています。
その理由は、赤ちゃんのころの「安心感」を思い出すからと言われています。
- 握手やハイタッチ
- 肩や背中をポンッ
- 二の腕をギュッ
それらを、会話の流れで さり気なくできるようになることが、親密度を高める一番の近道かもしれません。
好印象な話し方・まとめ
好印象な話し方を12種類ご紹介してきましたが、これらを実践して うまくいくときもあれば、うまくいかないときもあると思います。
会話は生モノ。やはり訓練が大切です。
表面的なテクニックにとらわれ過ぎて、会話がギクシャクしてしまっては本末転倒。
「楽しくてワクワクした気持ち」を忘れないことが、なにより重要だと思います。
最後に「好印象な話し方」の要点をまとめておきます。
使えそうなものが見つかったら、さっそく実践してみてくださいね。
●マイナス・プラス法
会話の最後は、プラスで締めくくる
●アイメッセージ
褒めるとき・喜ぶとき・怒るとき・叱るときは、「自分の気持ち」を添える
●ネームコーリング
頻繁に相手の名前を呼ぶ
●バックトラッキング
オウム返しで、相手の言葉を繰り返す
●ミラーリング
相手の鏡になったつもりで、動作や表情をマネる
●ペーシング
声のスピードやトーン・感情・テンションを相手に合わせる
●初頭効果
挨拶は、先手・笑顔・名前を付けて
●承認欲求を満たす
感謝の気持ちを伝える
●自己開示の法則
自分の弱点を、包み隠さずさらけ出す
●一体感願望を満たす
しっかりうなずき、共感する
●好意の返報性
笑顔で、相手の話に興味をもつ
●タッチング
さりげなくボディータッチを増やす
以上、好印象な話し方12選でした。
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