この記事でお伝えしたいこと
- 子育てで絶対にしてはいけないこと
- 子育てで絶対にしたほうがいいこと
子育てで「絶対にやってはならないこと」というのは…
- 夫婦喧嘩
- 愛情不足
- 体罰
- ネグレスト
これらは あえて言うまでもなく、子どもの脳に大きなダメージを与えます。
今回の内容は、そうではなくて…
両親や周りの大人が「悪気もなく ついウッカリ」やってしまったことが、子どもの人生を台無しにしてしまう。
そんなことが、心理学や脳科学の発展で、たくさん分かってきているんです。
1つ例をあげると…
アンダーマイニング効果
お絵かきの大好きな子が、おじいちゃんの似顔絵を書く。
おじいちゃんは嬉しくなって、その子にお小遣いをあげてしまう。
このように、子どもが好きでやっていることに対して、ご褒美をあげてしまうと…
その子は、好きなことが、好きではなくなってしまう。
お絵かきをしなくなる。
これが、アンダーマイニング効果。
算数の好きな子がテストで100点をとってきたとしても…
ご褒美で、遊戯王カードを買ってあげてはいけないんです。
「好き」というのは、その子にとっての大切な才能。
ご褒美をあげたら、才能を摘みとることになってしまう。
このように、大人の何気ない行動が、子どもの成長に悪影響を及ぼしてしまうということが、たくさんあります。
それらの中でも、とくにヤバいもの。
「えっ!マジで!」と叫びたくなるくらいヤバいものを、厳選して5つご紹介させていただきます。
今回の内容は、パパ・ママだけでなく、おじいちゃん・おばあちゃんや、「子育てはまだ先」という若い方まで、
覚えておけば、かならず役立つときがくると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
子育てで絶対にやってはいけないこと・5選
子育てでやってはいけないこと・その1
子育てでやってはいけないことの1つ目は、こちら↓
リターンしない
「リターンって、なんのこっちゃ?」ということですが…
たとえば、幼い子がワンちゃんを見つけて、「あ、あ」と指をさす。
そのときにお母さんが、「ワンワンいたね!かわいいね!」と子どもの気持ちを言葉にしてあげる。
子どもがアクビをしたときには…
「眠たいね。ねんねしようね」とか、
おむつが濡れてグズったときには…
「あらあら、おしめが冷たいね~。すぐに変えましょうね」というように。
「子どもの気持ちを言葉にしてあげることが、脳の発達において最も重要だ」ということが分かってきたんです。
そのため、ハーバード大学の児童発達研究センターでは…
このような親子のコミュニケーションに名前をつけて、「サーブとリターン」と呼んでいます。
テニスみたいですが…
・赤ちゃんの仕草や行動が、サーブ。
・お母さんが、子どもの気持ちを言葉にしてあげるのが、リターン。
そして、リターンしない親に育てられた子は、恐ろしいことに、脳の発達が遅れてしまう。
具体的には、感情・認識・言葉・記憶を制御する領域同士の「つながり」が、貧弱になってしまう。
その結果、本来の脳力を発揮できなくなるだけでなく、
精神的・感情的にも不安定な人に育つそうです。
怖いですよね。
「サーブとリターン」というやり取りは、親にしてみれば、無意味な繰り返しのように感じてしまいますが、
子どもにとっては、脳を発達させるための大切な情報をたくさん含んでいるのです。
というわけで、子育てでやってはいけないことの1つ目は…
リターンしない
健全な脳の成長のためには、子どもの気持ちを言葉にしてあげることが、なにより大事ということでした。
子育てでやってはいけないこと・その2
つづいて、子育てでやってはいけないことの2つ目は、こちら↓
子どものストレスを和らげない
これまた「なんのこっちゃ?」ということですが…
たとえば、公園で、子どもが犬におびえている。
そのときに、お母さんが「このワンちゃんは優しいから、大丈夫よ!ほ-ら」と、子どもを安心させてあげる。
「まだ遊びたいよ-」とかんしゃくを起こしたときには…
「そうだよね。もっと遊びたいよね。あと1回だけ滑り台をすべったら、帰りましょうね」と、なだめてあげる。
このように、「子どものストレスをすぐに和らげてあげる親」に育てられれば、子どもの心は健全に育ちます。
それとは逆に…
「ワガママ言わないで!」と無理ヤリ子どもを引きずっていったり、
「男の子なのに、なんで注射が怖いのよ」と突き放したり。
泣いてる子どもを、ほったらかしにしたり。
このように、子どものストレスを和らげようとしない親に育てられると、子どものホルモンバランスがおかしくなる、
だけでなく、なんと!DNAにも悪影響を及ぼしてしまうのです。
簡単に言うと、「遺伝子にゴミが付く」感じなんですけど…
こうなると、脳の海馬に異変が起きる。
海馬は、記憶の脳であると同時に、ストレスホルモンを処理する役目もあります。
そして、遺伝子にゴミが付くと、ストレスホルモンを処理する機能がおとろえてしまう。
その結果…
・ストレスに弱くなる
・感情をうまく処理できなくなる
・オドオドと臆病になる
といった困った症状が出てくる。
しかも、遺伝子なので、これは一生モノ。
怖いですよね。
「子どものストレスを和らげない」というのは、脱水症状の心に水を与えないのと同じこと。
子どもの心に後遺症を残してしまう。
「物心がつく前に厳しくしておけば、強い大人になる」と言っているおじいちゃんが、昔はよくいましたが…
これは絶対にやってはいけないんです!
というわけで、子育てでやってはいけないことの2つ目は…
子どものストレスを和らげない
子どもが幼いうちは、ストレスをすぐに取り除いてあげることが、なにより大事ということでした。
子育てでやってはいけないこと・その3
つづいて、子育てでやってはいけないことの3つ目は、こちら↓
子どもと遊ばない
これが、かなりヤバくて…
楽だからということで、子どもの相手をテレビに任せたり、スマホを渡して一人遊びさせたり。
ほかにも、仕事が忙しくて、なかなか子どもと遊べないというご両親もみえると思いますが、
親と遊ぶことの少ない子どもは、脳の発達が遅れてしまうのです。
すごく分かりやすい研究があって…
ジャマイカの貧困地域には、知能の成長が遅れている子どもが多かったそうです。
その原因は、「おそらく栄養不足だろう」と思われていたのですが、
それに疑いをもった大学の研究者が、知能の遅れている子どもを対象に、ある実験を行いました。
●片方のグループの親たちには、栄養補助食品を与える
●もう片方のグループには、「親子でたくさん遊ぶように」と指導する
どちらも、週に1回、2年間つづけたそうですが、それから30年後。
子どもたちが30代になって、結果を調べました。
すると、驚いたことに…
栄養指導をしたグループよりも、「親子でたくさん遊ぶように」と指導したグループのほうが、遥かに立派に成長していたのです。
- 知能指数が高い
- 攻撃的な行動が少ない
- 自制心が強い
- 平均して収入が高い
つまり、貧困地域で育った子どもの知能レベルが低かったのは…
栄養不足が原因ではなく、子どもと遊ぶ親が少なかったことが、最大の原因だったのです。
我が家でも、同じことが起きていた!
実は、このジャマイカの話…
我が家でも、まったく同じことが起きていました。
うちの下の子は、双子の男の子ですが、
誕生した頃、ぼくたち夫婦はいろいろと忙しくて、なかなか遊んであげられなかった。
ずーっとテレビを見せている、という毎日。
「アンパンマン」と「きかんしゃトーマス」。
それから「いつも元気なワンワン」が、お母さん代わりみたいな状態。
そして、1歳半検診で、衝撃的な診断を受けたのです!
「二人とも、おそらく自閉症です。
あっちの世界に行っちゃってます。
仕事も結婚もできません。
あきらめてください」と。
たしかに、先生が言うように、二人ともしゃべりもしなければ、表情も乏しかった。
でも、「あきらめる訳にはいかない!」ということで…
徹底的に本を読み漁っていたら、こんな文章を見つけました↓
今からできることは、これしかない。
時間が許すかぎり遊んであげなさい。
そして、いろんな場所へ連れていき、脳に刺激を与えなさい。
それから約5年間、小学校に上がるころまで、毎日毎日遊びまくりました。
「もう行ったことのない場所がない」というくらい、毎日毎日いろんなところに連れていきました。
その結果、どうなったか?
2歳7ヶ月で、やっとしゃべりはじめました。
そして、今は中学生ですが、ごくごく普通の中学生。
ありがたいことに、塾には行ってないのですが、自分で勉強できる子に育ちました。
独学でプログラミングを覚えて、ゲームを作ったりもしています。
そうなんです!
脳の発達が、同年代の子どもたちに追いついたのです。
親子の遊びが、脳の発達にこれほど大きな影響を及ぼすとは、ぜんぜん知らなかったので…
生まれて最初の1年半のことは、今でもとても後悔しています。
でも、それからの5年間、目一杯遊んでホントに良かった!
「間に合ってよかった」と、今ではホッと胸をなでおろしています。
お伝えしましたとおり…
子どもの知能や精神性の土台は、親との遊びを通してはぐくまれます。
子どもが幼いうちだけでなく、
できれば小学校6年生くらいまでは、できるかぎり親子いっしょに遊んであげてくださいね。
子育てでやってはいけないこと・その4
つづいて、子育てでやってはいけないことの4つ目は、こちら↓
子ども一人で食事
「家族で食事をしているかどうかが、子供の発達を左右する」
これは、日本の厚生労働省の研究結果です。
具体的には…
・コミュニケーション能力が遅れるリスクが70倍。
・理解力が遅れるリスクが44倍
とんでもない数字ですよね!
コミュニケーション能力と理解力が低ければ…
とうぜん勉強も、人間関係も、仕事も、読書も苦手になる。
そうならないためにも、家族みんなで食事をとること。
家族でゆっくり話をする時間をつくることが大事ということですね。
子育てでやってはいけないこと・その5
最後。子育てでやってはいけないことの5つ目は、こちら↓
夜ふかし
「日本人の子どもは、夜ふかしをする」
これは、世界的にみても有名な話。
なぜ、こんなことが世界的に有名になるのか?というと…
夜ふかしは、子どもにとって非常に危険な行為だからです。
就寝時間が遅ければ、睡眠時間が短くなる
↓↓↓
睡眠時間が短いと、睡眠負債が溜まっていく
すると、脳に負担がかかり…
事実上「酩酊状態」になる。
本人に自覚はないのですが、酒を飲んだのと同じ状態になる。
つまり、酔っぱらい状態で、学校に行くことになる。
その結果…
- やる気が出ない
- 集中できない
- 記憶できない
- 我慢ができない
それが強いストレスを生み…
勉強が嫌いになる。
先生が嫌いになる。
学校が嫌いになる。
最終的には、自分が嫌いになる。
「どうせ俺は、みんなのように出来ないから」と、生まれつきのレベルが低いかのように勘違いしてしまう。
そして、これが問題行動のはじまりになる。
エネルギーの強い子は、非行に走ったり。
逆に、エネルギーの弱い子は、不登校になったり。
このように、「夜ふかし」は、丘を転がる雪玉のようなもので…
小さいうちは何とかなるけど、雪玉に勢いがつくと、もう手がつけられない。
それとは反対に…
「毎日9時には寝てます」という子は、暴走族に入ったりはしないんです。
なぜなら、十分な睡眠が取れていれば、人生がとても楽しくなるからです。
ちなみに、理想的な睡眠時間は、
・幼児で、10~13時間
・小学生は、9~12時間
・中高生は、8~10時間
と、けっこう長い。
「朝7時に起きる」として逆算すると…
小学生であれば、遅くとも9時台に床についていなければならない。
中高生であれば、遅くとも10時台。
「そんなの、うちではムリ!」というご両親もみえると思いますが、これは、あくまで理想ですからね。
理想どおりには出来なくても、理想に近づけることはできると思います。
「子ども時代の睡眠量が、その後の人生を左右する」と言っても過言ではありません。
夜をなんとか工夫して、十分な睡眠時間を確保してあげてくださいね。
まとめ
今回ご紹介しました、以下の5つ。
- リターンしない
- 子どものストレスを和らげない
- 子どもと遊ばない
- 子ども一人で食事
- 夜更かし
これらが、子どもの脳の成長をさまたげ、知能や精神の発達に悪影響を与えます。
実は、それだけではなくて…
この5つはすべて、子どもの自己肯定感を下げる原因にもなるのです。
つまり、子どもは、自分のことを嫌いになる。
「あら!わたし、ウッカリやっちゃってる」と、思い当たるものが1つでもあれば、ぜひとも改善してみてくださいね。
子育て中に、絶対にしたほうがいいこと
最後に、オマケでもう1つ。
子育て中に、絶対にしたほうがいいこと。
それは…
「家族のヒストリー」を話してあげる
「パパとママは、この場所で出会ったのよ」とか、
「おじいちゃんは、九州から出てきて、苦労して八百屋をはじめたんだよ」とかね。
家族の歴史をよく知っている子は、そうでない子より…
・自制心がはるかに強い
・自尊心も高い
・情緒が安定している
・ストレス耐性が高い
つまり、「家族の歴史を知ってる度合い」と「心の健康度」は、きれいに比例するということが研究でわかってきたのです。
ちなみに、この研究結果は、非常に重要な発見といわれています。
家族の歴史を話してあげるだけで、ビックリするほどの効果があるのですから、やらない手はないですよね!
自分の昔話をするのは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、
子どもにとっては、きっと楽しい話になるはずです。
ぜひとも、「家族の歴史」を面白おかしく聞かせてあげてくださいね。
☆☆☆
以上、子育てで絶対やってはいけない!こと・5選でした。
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