叱らない子育てのコツ
子どもが言うことをきかないから、叱る。
親なら、当然の行動ですが…
叱られることは、子どもにとっても大きなストレス。
なのになぜ、子どもは叱られるようなことをするのでしょうか?
その原因は、親にあるのかもしれません。
今回は『非行・引きこもり・嘘つき予防にもなる、子どもを叱らずに育てる方法』をお伝えします。
悪いのは犬?飼い主?
言うことを聞かない犬をドッグトレーナーに預ける。
すると、立派な犬になって帰ってきます。
しかし、しばらくすると、またダメ犬になってしまう。
実は、犬がダメなのではなくて、飼い主がダメなんですね。
では、
「ダメ飼い主」と「ドッグトレーナー」の違いは何でしょうか?
違いは、たったひとつ。
『感激』です。
『感激してあげる』か『無関心』かの違い。
投げたボールを、犬がくわえて持ってくると…
ドッグトレーナーは、
「よーーしっ!!よし!よし!えらいぞ!」と全身で感激して見せます。
しかし、ダメ飼い主は、
「もっと投げてほしいのか?」と、またボールを投げます。
犬は、
投げてほしいからボールを持ってくるのではなくて、飼い主に「感激してほしい」のです。
犬は、感激してくれない飼い主の言うことは、聞かなくなる。
叱ってもダメで、反発するようになります。
逆に、
感激してくれる飼い主のためなら、どんなことでも頑張ります。
感激させたい欲求
この「感激させたい」という想いは、犬だけでなく人間の心にも備わっています 。
オリンピック選手は、国民を感激させたいし、
プロ野球選手は、観客を感激させたい。
作家も、
音楽家も
映画監督も、
建築家も、
画家も、
パティシエも、
人を感激させたいがために、寝食を忘れるほど努力ができるのです。
子どもを動かすにも、この心理を活用したらいいわけです。
承認欲求とは
『感激させたい欲求』
これを心理学的には『承認欲求(しょうにん よっきゅう)』といいます。
「自分は価値ある存在だ」と認めてほしい欲のことです。
実は、この『承認欲求』は
食欲や物欲のように、自覚することはほとんどありませんが、
たいへん強い欲求で、心に大きな影響を与えています。
非行・引きこもりの原因は「承認欲求が満たされない」
承認欲求は…
本来、乳幼児期に「充分すぎるほどの愛情」を注ぐことで、ある程度 満たされるものです。
ところが、
『承認欲求』が満たされないままだと、年頃になったころに困ったことが起こります。
エネルギーを自分の外側へ向ける子どもは、非行に走ってでも『承認欲求』 を満たそうとすることもある。
エネルギーを自分の内側へ向ける子どもは、『ひきこもり』になりがちです 。
これらは「愛着障害」とも呼ばれています。
子どもの承認欲求を満たすには…
では、どうしたら、
子どもの『承認欲求』を満たしてあげられるのでしょうか?
いろんな方法がありますが…
簡単なのはこれ↓
「人を感激させる方法」を教える
「人を感激させる方法」を教える?
難しそうですが…
実は…
簡単です!
感激したことを、子供のに話すのです
「隣の花子ちゃんがさぁ、お母さんの買い物袋をもってあげてたよ。やさしいんだね!」
と、感激して話せば…
子どもは、
「あっ!買い物袋を持ってあげると、こんなに感激してくれるんだ」
という ことを、心に刻み込みます。
「お姉ちゃん、いつもお部屋がピカピカね!」
と、感激して話せば…
それを聞いた兄弟は、
「部屋をピカピカにすると、感激してくれるんだ」
ということを心に刻みます。
「今朝、二丁目の太郎君がさぁ、大きな声であいさつしてくれて、すごく気持ちよかったよ!」
と、感激して話せば…
子どもは、またひとつ
「人を感激させる方法」を心に刻み込みます。
そうするうちに、
子どもは、その方法を行動に移すようになります。
『承認欲求』がそうさせるのです。
この方法は「間接暗示」とも呼ばれています。
『叱らず育てる』は、大人にも効果アリ!
「感激したことを話すだけ?!
本当に、そんなことで子どもが変わるかね??」
そんな声も聞こえてきそうですが…
これ、子どもだけでなく、
大人も変わるほど効果があるんです。
たとえば、
「営業課の山田君は丁寧にホッチキスを止めてくれているよ。
こういう細かな心づかいが、お客様の心をつかむんだよな」
という、上司の感激の独り言。
それを耳にしたあなたは、
その後、ホッチキスを丁寧に止めずにはいられなくなる筈です。
感激した話を聞くだけでも、
人って、変わることができるのです。
ぼく自身も…
妻の「速水もこみちって凄い!メチャ料理うまいね!」という感激の言葉を聞き…
料理に挑戦しました!
市場で食材を仕入れ、一からラーメン作り。
腕によりをかけ、一日がかりで出来上がりました。
それを食べた妻の一言が忘れられません!
「なんか違う」
嘘つきの原因は『叱り過ぎ』
「叱ったほうが、手っ取り早いんじゃない?」
なんて声も聞こえてきそうですが…
たしかに、叱らなくてはならない時もあります。
しかし、叱って子どもを動かしてばかりいると、子どもは防衛手段を使い始めます。
子どもの防衛手段とは…
『うそ』
叱ってばかりいると、ウソの多い子どもになってしまう。
すると、
「なんでウソなんかつくの!」とまた叱る。
そうなったら、もうドツボです。
まとめ
感激したことを、どんどん子どもに話してあげる。
独り言でもいいので、大きな声で聞かせてあげる。
たったそれだけで…
子どもを叱らずに、いい方向へ動かすことができるし、
長い目で見れば、
非行や、引きこもりや、嘘つきの予防にもなるのです。
とても簡単ですが、効果バツグンです。
以上、『【非行・引きこもり・嘘つきを予防】叱らない子育てのコツ』でした。