そもそもですが、「片づけができない人」と「片づけができる人」では、いったい何が違うのか?
理由はとってもシンプルで…
・片づけができない人は、「片づけなければならない」と思っている
・片づけができる人は、「片づけたい」と思っている
それだけの違い。
「食べたいから食べる」のと同じで、片づけができる人は、片づけたいから片づけているだけ。
がんばっているわけではないのですね。
では、「片づけたい!」と思えるようになるには、どうしたらいいのか?
これも簡単な話で…
片づけのメリットを知ること
これが何より重要です。
最近は心理学や脳科学の発展で、「すっきり整った部屋は、人生に計り知れない影響を与える」ということが分かってきました。
仏教の禅寺でも、「一に掃除、二に信心」といって…
「自分を変えるには、仏道よりも身の回りを綺麗にすることだよ」と教えています。
片づけをすることで、考え方や生き方に変化がでてきて…
仕事・お金・人間関係・性格・容姿など、あらゆるものがより良く変化します。新しい人生がはじまります。
これらのメリットを知ることで、「片づけには、こんなにたくさんのメリットがあるんだ!」となり、「片づけなきゃ」が「片づけたい!」に変化する。
ここまでくれば、片づけは半分終わったも同然です。
「でも、どうやって片づけたらいいのか分からない」「もう手が付けられない」、そんな方もみえるかもしれませんが、大丈夫です!
実はぼく自身、10年くらい前までは「片づけが大の苦手」だったのですが、片づけには正しいやり方があって…
①捨てる
②整える
③リバウンドしないようにする
多少コツはありますが、正しい片づけ法さえ身につければ、いとも簡単に部屋をきれいにキープできます。
ということで今回は…
●片づけの5つのメリット
●片づけの具体的なやり方
この2つを、順番にご紹介させていただきます。
片づけを好きになれば、人生がドラマチックに変化していくと思いますよ。
片づけのメリット①
片づけのメリットの1つ目は、こちら↓
清らかな心になる
これは「部屋がきれいだと、清々しい気持ちになる」というレベルの話ではなくて…
「乱れた部屋で過ごしていると、人間がダメになる。精神不安定になる」というちょっと怖い話です。
わかりやすいのが、「ブロークンウィンドウ理論」。
環境が乱れていると、心も乱れるという法則です。
たとえばニューヨークでは、地下鉄の落書きを消したら、凶悪犯罪が半減しました。
交通課のお巡りさんによると、事故車の8割くらいは、車内が散らかっているそうです。
もう1つ面白い話があって、「現場の東海林です」でおなじみのテレビレポーター東海林のり子さん。
事件現場のマンションに到着すると、「現場はあの部屋ね」と一発でわかるそうです。
超能力者みたいですが、そのカラクリは簡単で…
「ベランダの一番汚れた部屋」がたいてい事件現場なのだそうです。
また、大阪のある中学校では、学校崩壊状態でした。
校内は、ゴミや落書きだらけ。
そこで、保護者たちがゴミを片づけたり、落書きを消したりしたところ…
校内が綺麗になっていくのに比例して、子どもたちは落ち着きを取りもどし、学校崩壊からよみがえったそうです。
「心が乱れている」から「部屋を乱す」のではなく、
本当は、「部屋が乱れている」から「心も乱れる」のですね。
これが、「ブロークンウィンドウ理論」。
ここで、ちょっと想像してみてください。
●左側には「スッキリきれいに整った部屋」
●右側には「乱雑に散らかった部屋」
・どちらの部屋のほうが、健やかな気持ちでいられるでしょうか?
・あなたを不安な気持ちにさせるのは、どちらの部屋でしょうか?
・物事に集中できるのは、どちらの部屋でしょうか?
・家族のいざこざが増えるのは、どちらの部屋でしょうか?
・自分の将来について真剣に考えられるのは、どちらの部屋でしょうか?
・めんどくさい気持ちになるのは、どちらの部屋でしょうか?
「整った部屋」と「散らかった部屋」では、心の持ちようが全然違ってきます。
これだけでも、片づける価値は十分にありますよね。
「夫婦喧嘩が多い」「子どものやる気がない。集中力がない」など…
心の乱れの原因は、「散らかっている物から出ているザワザワ感」かもしれませんので、部屋をスッキリ整えると、何かしらの変化が出てくると思いますよ。
片づけのメリット②
片づけのメリットの2つ目は、こちら↓
お金が貯まる
いらないものを捨てていくと、のこる物は「お気に入りのモノ」になります。
お気に入りのものに囲まれて生活していると、「本当に気に入ったモノ」や「上質の物」しか欲しくなくなってくる。
「安いから買っておこう」「便利そうだから買ってみよう」ということがなくなってきます。
また、片づけは物をたくさん捨てますが、捨てるときには心が痛みます。
「このTシャツ、高かったのに…」というように。
この痛みを感じることで、物を買うことに対して慎重になります。
「これカワイイけど、着る機会も少なそうだし、やめておこう」というように、買い物上手になれます。
そんな2つの理由で…
ムダな買い物がへり、散らかす物も減る。
お金の節約をしながら、上質で心豊かな暮らしができるというわけです。
片づけのメリット③
片づけのメリットの3つ目は、こちら↓
ダイエット効果
散らかった部屋にいるだけで、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
慢性的にコルチゾール濃度が高いと…
体重の「設定値」がだんだん高くなってしまうのです。
体重の「設定値」とは…
たとえば僕の体重は「63キロ」ですが、正月太りで66キロになろうが、風邪を引いて59キロになろうが、1か月もすれば63キロに戻ります。
つまり、体重の設定値は63キロ。
これが、散らかった部屋で暮らしていると、64キロ→66キロ→68キロとどんどん増えていく。
やせない体質になってしまうんです。
さらにコルチゾールは、満腹ホルモン・レプチンの分泌を低下させるので、必要以上に食べてしまう。
このダブルパンチで、だんだんだんだん太ってしまう。
コルチゾール太りは、とくにお腹周りに脂肪がつきやすくなります。
それと逆に、きれいで整った部屋で眠ると、睡眠の質が高まります。
睡眠の質が高まると、食欲ホルモン・グレリンと満腹ホルモン・レプチンが正常に分泌されるので、無理なくダイエットできます。
「部屋の散らかり具合」と「体重」には、密接な関係があったのですね。
片づけのメリット④
片づけのメリットの4つ目は、こちら↓
メンタルが強くなる
散らかった部屋で暮らしていると、メンタルがどんどん弱くなります。
というのは、先ほど「散らかった部屋で暮らしていると、コルチゾール濃度が慢性的に高くなる」と言いましたが…
コルチゾール濃度が慢性的に高いと、脳の「海馬」という部分が物理的に小さくなります。
海馬は、感情をコントロールする役目があるので、そこが小さくなると、不安や鬱に悩まされたり、感情的になったりします。
「部屋を片づけただけで、鬱や精神疾患が改善した」という研究報告もあります。
メンタルが弱くなると、それだけで生きるのがツラくなりますからね。
そうならないためにも、片づけはやっぱり大事、ということですね。
片づけのメリット⑤
片づけのメリットの5つ目は、こちら↓
悩みがへる
仏教では、悩みのほとんどは「執着」が原因といいます。
執着とは、「必要のないもの」を必要と感じてしまう錯覚。
たとえば、「腐れ縁の友だちと離れられない」というのも執着。
息子が「体操教室をやめたい」と泣き叫んでいるのに、やめさせることができない、というのも執着。
ほかにも…
「あの人が許せない」
「友達にこんなこと言われた」
「あのとき、こうしておけばよかった」
いずれも、「過去の執着を捨てられないから、苦しみつづける」ということです。
では、執着を捨てるにはどうしたら良いのか?というと…
それが「物を捨てる」こと。
「必要のないものを捨てても大丈夫なんだ!」
「無駄なものが減ると、気分がスッキリするんだ!」
「捨てる勇気」と「未来を大切にする気もち」がでてくると、過去の執着を手放すことも容易になります。
1つ捨てるたびに、執着心が剥がれていきます。
執着心が弱くなると…
たとえば、部長にイヤミを言われても、5分後にはすっかり忘れている。
そんな切り替えのはやい自分になれます。
その結果として、悩みやイライラも減ってくるということですね。
片付けのやり方
いよいよここからは「片付けのやり方」。
順番は…
①捨てる
②整える
③リバウンドしないようにする
最初の捨てるが8割。捨てれば、ほぼ終わったも同然。
あとは、オマケみたいなものです。
片付けのやり方 ①捨てる
どういう基準で捨てたらいいのか?
・ミニマリストのように「必要最低限まで捨てる」
・こんまりさんのように「ときめくものを残す」
捨てる基準はいろいろあると思いますが、ぼくが一番簡単でスピーディーと思う方法は、これ↓
「家のモノをすべてリサイクルショップに売ったとして、これを買い戻すのか?」
・1年以上履いてない靴
・3回しか使っていないミキサー
・なぜか5セットもある菜箸
財布からお金を取り出して、これらを買い戻すのか?
菜箸1セットを残して、あとは要らないですよね。
こんな基準でモノを捨てていくと、スピーディーに終わります。
ガンガン捨てられます。
もちろん、「人にあげる」「メルカリで売る」というのでもOKです。
捨てて後悔しないの?
「ガンガン捨てて、後悔しないの?」という疑問もあると思いますが…
後悔することは、あります!
捨てて後悔するのは、多くても100個中1個。
我が家でも前回片づけをしたときに、大量のものを捨てたのですが…
それから1カ月後に「穴あけパンチ700円」を再び購入しました。
でも、これを「もったいない」とは思わない。
というのは、たとえば東京の「1畳当たりの家賃」は平均5,100円。
年間で6万円以上です。
もしも、100個中1個の後悔をしたくないがために、100個全部とっておけば、1畳以上の面積を占領されます。
すると、所有コストは年間6万円以上。
10年とっておけば60万円以上です。
そう思うと、穴あけパンチ700円のほうが遥かにお得ですよね。
なにより、モノを減らせば部屋が美しくなるだけでなく、たくさんのメリットを得られます。
なので、「リサイクルショップで買い戻すつもりのないモノ」は、捨てたほうがお得なんですね。
捨てるときは感謝を忘れずに
ただ、捨てるときは、感謝が必須。
感謝することで、物を捨てる罪悪感から解放されます。
思い出のつまったモノは、どうする?
それから、もう1つ。
思い出のつまったモノは、捨てづらいですよね。
・昔の写真
・トロフィー
・卒業証書
・中学校でつくった小物入れ
・旅の記念品
・旦那からもらったラブレター
押しいれの奥でホコリをかぶったままなのに、捨てられない。
それは、優しさだと思います。
なので、取っておきたい物は、取っておいた方がいいと思います。
ただ、捨てるかどうか迷うのであれば、写真を撮って捨てるのがオススメです。
というのは、本当に捨てられないモノは、そのモノ自体ではなく、モノにまつわる思い出だからです。
写真にとれば、思い出は残せます。
デジタルで保存すれば、場所も取りません。
クラウドに保存すれば、地震・火事・洪水などの災害で、思い出を奪われる心配もありません。
あと、昔の写真はスキャンして捨てる。
デジタル化しておけば、いつでも写真に戻せます。
思い入れのあるものは捨てづらいですが、「写真」という技をつかうことで、一気に片づくと思いますよ。
片付けのやり方 ②整える
捨てるが終わったら、②整える
整え方は簡単で、「必需品をインテリアにする」。
・部屋にモノが少ない
・お気に入りのものばかり
こういう状態だと、必需品がインテリアになります。
あとは「配置」を決めるだけ。
ポイントは、「すき間をあける」こと。
すき間をあけることで、高級感が出ます。
100円ショップやドンキは、すき間なくギッチリ詰めこむことで、商品を安く見せています。
逆にブランドショップは、商品のすき間をあけることで、高級感を出しています。
これは、家庭でも同じ。
「すき間をあける」ことで、どことなく高級でオシャレな雰囲気になります。
すき間があって安っぽく見えるのは、歯並びだけです。
クローゼットや収納ボックスも、インテリアにはなりませんが、やっぱりすき間が大事です。
片づけた時点でパンパンだと、3カ月後には確実にあふれ返ります。
見える部分も見えない部分も、いっぱいすき間をつくりましょうということですね。
片付けのやり方 ③リバウンドしないようにする
最後は、③リバウンドしないようにする
これは、ポイントが2つあります。
ポイント① ワンイン・ワンアウト
1つ目のポイントは、「ワンイン、ワンアウト」というテクニック。
やり方は簡単で…
1つ買ったら、1つ捨てる
新しい洗濯機を買ったら、古い洗濯機は必ず処分しますよね。
「いやいや、我が家は全部取ってあります」という人はいないと思います。
それと同じで、「1つ買ったら、1つ捨てる」を続けていけば、永久にモノは増えない。
たとえば…
「この服欲しいなぁ」と思ったときに、「捨てる物」を考えてみる。
捨てるものがあれば、買う。
捨てるものがなければ、買わない。
「ワンイン、ワンアウト」という簡単なルールを守るだけで、部屋は散らからないし、無駄遣いも防止できます。
ポイント② 感謝
リバウンド防止・2つ目のポイントは、感謝。
「靴は、いつも私を支えてくれて、ありがたい!」
「布団も、お茶碗も、ボールペンも、ありがたい!」
「財布も、メガネも、ドライヤーも、ありがたい!」
「ありがたい、ありがたい」と感謝すると、物に愛着がわき、大切になります。
大切なものは、散らかりません。
また、「感謝すると、不足感がなくなり物欲がへる」ということも、数々の心理学研究でわかっています。
「自分は必要なものをすべて持っている。とくに欲しいものはない」、そういう気持ちになれるのですね。
つまり、物に感謝すれば、物が増えないだけでなく、今あるモノを大切にできる。
そうなればもう、散らかりようがないですよね
実は感謝こそが、部屋を散らかさない、最強かつ最も簡単な方法。
片づけ術の王様だったのです。
まとめ
「きれいに整った部屋は、どうも落ち着かない」
「少し物が多いくらいが落ち着く」
そう感じる方もみえると思いますが、そういう人こそ、ぜひ片づけをしてほしい!
というのは、乱れた部屋で暮らしていると、心も乱れます。
それが長年続くと、心の乱れた状態が「普通」になります。
そこで部屋を整えると…
「部屋の波長」と「自分の波長」が合わなくなる。
これが、「どうも落ち着かない」の原因。
でも、整った部屋で8週間も過ごせば、自分の心も整ってきます。
やがて、心が整った状態が「普通」になります。
そうなれば、しめたもの!
今度は逆に、部屋が散らかると落ち着かなくなります。片づけたくなります。
実は、部屋の波長に敏感な人ほど、片づけの素質があるのですね。
だから、「きれいに整った部屋は、どうも落ち着かない」という人ほど、片づけしてほしい。
片づけのやり方は…
・「リサイクルショップで買い戻すのか?」という基準で捨てる
・思い入れのあるものは、写真で保存する
・すき間をあけて、必需品をインテリアにする
・ワンイン・ワンアウトで買い物する
・「ありがたい」と物に感謝する
いらないモノを捨てていくと、きっと驚くほどすんごい量になるはずです。
「今まで、こんな部屋で暮らしていたんだ」と驚くはずです。
そして、スッキリ整った部屋で暮らしていれば…
●心が清らかになる
●やる気・集中力アップ
●イザコザが減る
●買い物上手になる
●お金が貯まる
●睡眠の質が高まる
●スタイルが良くなる
●メンタルが強くなる
●執着を手放せる
●悩みや怒りが減る
片づけの良いところは、部屋がキレイになることではありません。
本当の利点は、人生が豊かになることです。
片づけが済んだその先に、今よりもっと大きな幸せが待っています。
「新しい人生をスタートさせるんだ!」
そんな気持ちで片づけを始めれば、一気に片づくと思いますよ。
みなさまへご挨拶
最後の最後に、みなさまへご挨拶。
今年も一年、みなさまには大変お世話になりました。
いつも観てくださる方がいるから、こうして好きなことを書くことができます。
充実した毎日を送ることができます。
心から感謝しています。
本当にありがとうございます!
来年も、お役に立てる情報を発信していこうと張り切っていますので、これからも何卒よろしくお願いいたします。
それでは、少し早いですが、みなさま良いお年を!
以上、【片づけの心理学】人生が激変する!大掃除の極意でした。
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