引っ込み思案の原因と、内気な性格にしない子育て
「あんなに良い人が、こんな事件を起こすなんて!」
ごく普通のサラリーマンが重大事件を犯してしまうなんてニュースを、たびたび耳にします。
このような事件を起こしてしまう人は…
「言いたいことを言えない」という内向的な性格の人に多い。
今回は『引っ込み思案の原因』と『内気な性格にしない子育て』についてお話させていただきます。
『先天性の内気』は問題ない
「うちの子だけ、一人でポツンと遊んでいる」
「うちの子は、言いたいことが言えない…」
恥ずかしがりな我が子を見ていて、
『将来の不安』や『じれったさ』を感じているご両親も多いと思います。
しかし、
赤ちゃんや乳児を見ていると…
にぎやかなのが好きな子もいれば、
人ごみに行くだけで「抱っこ抱っこ」と泣いてしまう子もいます。
これは、
その子が持って生まれた気質。
『内気な性格』というと、ネガティブなイメージがありますが…
先天性のものであれば、何の問題もありません。
『大勢で遊ぶことが好きな子』もいれば、『一人遊びが好きな子』もいます。
『人懐っこい子』もいれば、『友達を作るまでに時間がかかる子』もいます。
「早くみんなと遊んでらっしゃい」
「言いたいことはハッキリ言いなさい」
などとは、決して言わないこと。
その子には、その子なりの『ペース』や『落ち着けるムード』というものがあるのです。
苦手なことを無理にやらせれば、
ストレスになるばかりか、確実に『自信』を失います。
『親』という字は、『木のうえに立って見る』。
『親の理想』を押し付けず、その子の人格を尊重しながら『信じて見守ってあげる』ことが、とても大切です。
後天性の内気は問題あり!
先天性の内気とは逆に…
後天性の内気は問題あり。
後天性の内気とは『不安感からくる気の弱さ』。
- 幼少期の愛情不足
- 否定されて育つ
- 不安を植え付けられる
などが原因で、 不安感は少しずつ植え付けられていきます。
この状態を「自己肯定感が低い」とも言います。
そして…
『言いたいことが言えない』『自分で決められない』という意志薄弱な性格になってしまいます。
犯罪者の性格分析によると…
『犯罪者』と『一般人』の違いに差があったのは、
『凶暴さ』や『IQの低さ』ではなく、
意志の薄弱さ
彼らは、言いたいことが言えずストレスを溜め、爆発してしまうのです。
『不安感』からくる内向的な性格は、こんな危険もはらんでいるのです。
子供が意志薄弱になる原因
先にも書きましたが、子供を意志薄弱にしてしまう主な原因は3つ。
①幼少期の愛情不足
乳幼児期に十分な愛情を注がないと、『おどおどした性格』や『神経質』になりがちです。
②否定されて育つ
右も左もわからない幼児に対して…
「なにやってるの!」などと否定ばかりしていると、子供は自信を失い、どうしていいのか 分からなくなってしまいます。
また、『口やかましい姉』が原因で、ものが言えなくなるケースもあります。
③不安を植え付けられる
親が不安な顔をしていたら、その不安感は確実に子供に伝わります。
また、ニュースなどを見て、「世の中には、ひどい人がいるね~」などと暗い話ばかりしていると…
『世の中は危ない所だ!』という不安感を、子供に植え付けてしまいます。
些細なことですが、
このような環境の悪影響によって『得体のしれない不安』を抱えたまま、大人になってしまう人も多いのです。
大切なのは『安心感』
お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは『安心感』に包まれています。
しかし、外の世界に出てくると、一気に不安になります。
幼い子供が求めているものは、
おもちゃよりも、ゲームよりも、安心感です。
そして、安心感を与えるキーワードは…
「大丈夫!」
乳児なら…
「大丈夫よ~」と、いつも声をかけてあげましょう。
そして、とことん甘えさせてあげてください。
幼児なら…
たとえミスをしても怒らずに…
「大丈夫!こうしてごらん」という感じで、優しく教えてあげてください。
小学生なら…
たとえテストで悪い点をとっても、
「大丈夫!太郎なら次回はできるよ」という感じで、励ましてあげてください。
もしも…
父親の大切な『ガンダムのプラモデル』を壊してしまっても、
「大丈夫!ママも一緒に謝ってあげるから」と安心させてあげましょう。
怒ったり、不安をあおったりして子供を動かすことは簡単です。
しかし不安感は、子供の心を萎縮させてしまいます。
しつこくて申し訳ありませんが、
幼い子供が求めているものは安心感です。
「イラッ」となる気持ちを抑え「大丈夫!」と励ましてあげることが大切です。
短所を長所に変える魔法
「コミュニケーションが苦手」というのは、たしかに短所です。
しかし、短所を長所に変えるとっておきの方法があります。
それは…
長所を伸ばすこと
『内気』という短所は治さなくてもいい。
それよりも、長所を見つけて伸ばしてあげることです。
長所を伸ばしたとき、
人は短所で愛されます。
たとえば、画家。
山下清(裸の大将)、岡本太郎、ジミー大西などは、長所を伸ばし、短所で愛された人です。
たとえが悪かったかな?
発明家のエジソンが、いい例です。
エジソンは協調性が全くなかったけど、探求心がとても強かった。
それを母親が見抜いて、母親自身が励ましながら教育しました。
その結果、誰からも尊敬される人物になりました。
映画俳優・故高倉健さんや、若いころは超引っ込み思案だったタモリさんも、長所を伸ばして短所で愛されるタイプです。
たとえば…
ゲーム好きのおとなしい子が、コンピュータープログラミングの達人になったとします。
すると周りの人は、
「あの人は、まさに職人だ!」
「脳の構造が、僕たちとは違う」
と尊敬され、
「口数が少ないからこそ、一言一言の重みがちがう」と一目置かれる存在になるわけです。
内気な子供は…
隠れた才能を秘めていることが多いし、好きなことになるとコツコツと没頭できるもの。
長所を励ましながら伸ばしてあげましょう。
人は、長所を伸ばしたとき、短所で愛されます。
まとめ
子供の内気な性格は、親にとっては悩みのタネ。
しかし、生まれつき内向的なら、それを克服する必要はないと思います。
社交的な人は『ワイワイやる』のが楽しい。
内向的な人は『一人でいる』のが楽しい。
ただ、それだけの違いです。
また『人間関係を上手く築けない』のも苦労ですが…
『無理してまで人づきあいをする』というのも、内向的な人にとっては大きな苦労。
どちらを選ぶかは、本人次第。
子供をを信じて、見守ってあげましょう。
まずは、子供を不安にさせないこと。
そして、励ましながら、長所を伸ばしてあげることです。
以上、『【引っ込み思案の原因】内気な性格にしない子育て』でした。