子供のやる気を奪ってしまう「アンダーマイニング効果」をご存知ですか?
「ご褒美を与えるタイミングが悪いと、やる気が失われる」という人間の心理です。
今回は子供のやる気を奪う「アンダーマイニング効果」についてお話させていただきます。
子供のやる気を奪う「アンダーマイニング効果」
- 絵を描くのが大好き
- サッカーが大好き
- 読書が大好き
このような子に「よくできたから」とご褒美をあげてしまうと…
「大好きだったこと」が次第につまらなくなってしまう。
楽しいはずのことが「嫌い」になってしまうのです。
なんとも不思議なこの心理を「アンダーマイニング効果」といいます。
「えっ!なんでご褒美をもらったのに、きらいになるの?」と思ってしまいますが…
たとえば、こんなことを想像してみてください↓
あなたは週末になると、ボランティアで「公園の掃除」をしています。
そこにお金持ちの老人があらわれ…
「キミ偉いね!これからは私が時給800円を差し上げようじゃないか」
そのお金を毎週受け取ることになったら、どうでしょう?
先週は1,600円、
今週は1,200円…。
なんだかボランティアをする気が失せますよね。
この心理がアンダーマイニング効果。
「好き」でやってることに対して、ご褒美をあげてはいけないのです。
野球のイチローは「引退するまで国民栄誉賞を受け取らない」と2度も辞退しています。
これも、アンダーマイニング効果を知ってのことでしょう。
賞状は飾らないほうがいい?!
部屋に「賞状」を飾っているご家庭も多いと思います。
その賞を「目標にしていた」のなら良いのですが、「好きな事でもらった」のなら飾らないほうが無難。
アンダーマイニング効果が働いてしまい、やる気を失ってしまうかもしれません。
特に『知事賞』とか『大臣賞』などのように…
思いがけずもらったのなら、箱にでも入れて大切にしまっておいた方が子供のためかもしれません。
それでも、ご褒美は大切
「ご褒美」の危険性についてお話してきましたが…
ご褒美が何でもかんでも「悪」かというと、そうではありません。
子どものやる気を引き出すのに「ご褒美」はとても有効。
やりたがらない子どもを動かすには、一番の方法です。
ただ、子どもが「好きでやっていること」に関しては、ご褒美をあげないほうが賢明です。
アンダーマイニング効果まとめ
「好きこそ物の上手なれ」といいますが、「大好きなことがある」というのはそれだけで才能です。
電車マニアが、鉄道職員よりも知識があるように、「好きで熱中している人」には誰も勝てません。
大事な才能を潰してしまわないように、アンダーマイニング効果には気を付けたいものです。
以上、「子供のやる気を奪う『アンダーマイニング効果』に要注意」でした。