子どもは、親の思いどおりに育たないもの。
「私の子育て、間違っているのかしら?」と不安を抱えているお母さんも少なくないと思います。
そこで今回は「子育てでやってはいけないこと」を7つ厳選してまとめてみました。
幼少期の「ほんの些細な出来事」が、大人になってからの人生に大きな影響を与えます。
育児中のママだけでなく、お父さんや祖父母の方にも ぜひ覚えておいてほしい内容です。
「5万円のセミナー」ぐらいの分量を、ギッシリと簡潔にまとめました。
子育てでやってはいけないこと7選
子育てでやってはいけないこと・目次
①「心配」されると子どもは自信を失う
② 乳幼児期の厳しいしつけの悪影響
③ 魔女の呪い
④ 親の「がっかりした顔」で子どもは臆病になる
⑤ 悪いアンカリング
⑥ 悪い暗示
⑦ アンダーマイニング効果
①「心配」されると子どもは自信を失う
「忘れ物はない?」
「時間割は大丈夫?」
「お母さん心配だわ」
このように親から「心配」されて育った子どもは、自信を失います。
「えっ!心配しちゃいけないの?」とビックリされた方もいると思いますが…
心配してはいけないのです。
「あんた大丈夫なの?」という親の心配は、「あなたのことを信用できない」と言っているのと同じ。
「能力を疑っている」というメッセージが子どもに伝わってしまうのです。
1日3回言えば、年に1000回。
毎日心配され続けたら、子どもは確実に自信を失います。
親から信用されない子は、どこへ行っても自信が持てないのです。
大切なのは「心配」よりも「信用」
想像してみてください。
「あなたの運転では心配だわ」
ママ友にこう言われたら、プライドがズタズタですよね。
逆に…
「あなたの運転なら安心だわ」と言われたら、自信と張り合いが生まれます。
子どもだって、同じこと。
「あんた大丈夫?」よりも…
「あんたなら大丈夫!」
「お母さん心配だわ」よりも…
「あなたのこと信じてるわ」
信用されて育った子どもは「自信」と「やる気」が芽生えます。
たとえ忘れ物をしても…
「もっとシッカリしなくちゃ」と自ら改善するようになる。
失敗を繰りかえし、自ら成長した子どもは、自信満々で社会へ出ていけます。
「子どもに失敗させたくない」という親心は素晴らしいものですが、心配するのは病気のときだけ。
「子どもに失敗させる勇気」をもち、成長を信じて見守ることが大切です。
子育てでやってはいけないこと①
「心配される」と自信を失う。
「信用される」と自ら成長し、自信を身につける。
②乳幼児期の厳しいしつけと無関心
●5~6歳ぐらいまでは「親の無条件の愛情」をそそぐ時期
●7歳以降は「しつけ」を徐々に増やす時期
これが子育ての大前提。
小さいうちに、親の愛情をたっぷりと注ぐことが大切です。
愛情をたっぷり受けた子どもは、自己肯定感の高い「素直で心の強い人」に育ちます。
一方…
「厳しすぎるしつけ」や「無関心」など、親の愛情不足で育った子どもは「自己肯定感の低い人」になってしまいます。
これを「愛着障害」とも言います。
愛着障害の人は…
- キレやすい
- 傷つきやすい
- マイナス思考
- ストレスに弱い
- 心の病になりやすい
- こだわりが強い
- 依存症になりやすい
- 子育てが苦手になる
などの問題を抱えてしまいます。
大阪の浪速少年院には、教室に「心の叫び」という書が飾ってあるそうです。
その内容は…
「ぼくは家族の温もりを知らない」
「愛されたかった、認めてもらいたかった」
「お父さん、お母さんみないな家庭を作りたくない」
というような「家族への叫び」ばかり。
両親の愛情不足で、心が乾いているのです。
子どもに最も必要なものは…
成績でも才能でもなく、
「親から無条件に愛されている」と信じ切れること。
そのためには、親がたっぷりと愛情をそそぐことが必要です。
2歳~4歳の第一次反抗期は、イライラしてしまうママも多いと思います。
でも、そこはグッとこらえて、多少のワガママは聞いてあげてください。
12歳ごろからの第二次反抗期に、「学校に行きたくない」という爆弾発言に唖然とするかもしれません。
でも、そんな時こそ、誰よりも強く抱きしめてあげてください。
子どもは「結果」を認められたときではなく、「存在価値」を認められたときに自尊心が満たされます。
子どもが産まれる前に「五体満足ならそれだけでいい」。
そう思いましたよね。
その気持ちを思い出して…
「あなたは生きているだけで素晴らしい存在なのよ」という想いを、子どもにわかりやすく伝えてあげることが大切です。
子育てでやってはいけないこと②
「厳しすぎるしつけ」や「無関心」で子どもの自己肯定感が低くなる。
「親バカ」と言われてもいい。特に乳幼児期は溺愛する。
愛情をたっぷり注ぐと、心の強い子に育つ。
③魔女の呪い
母親が、父親の愚痴をこぼしたり、けなしたりする。
それを聞いて育った子どもは…
・知らぬ間に結婚を避けるようになる
・上司など「父親と同世代の人」との人間関係が上手くいかなくなる
これを俗に「魔女の呪い」といいます。
「夫婦の不和」の影響はそれだけではありません。
・IQが低くなる
・人間嫌いになる
などの報告もあります。
さらに、「笑わない親に育てられた子供の80%は非行に走る」と宣言している学者もいます。
旦那にイライラする日もあると思います。
だけど、せめて子供の前だけでは「明るいお母さん」でいることが肝心。
子どもの一番大好きなもの。
それは、お菓子でもゲームでもなく「両親の明るい笑顔」です。
子育てでやってはいけないこと③
夫婦の不仲を子供に見せると、将来さまざまな悪影響が出てくる。
子どもの前では笑顔でいることが一番です。
④親の「がっかりした顔」で子どもは臆病になる
テストや運動会など…
・結果が良かったら褒める
・結果が悪かったらガッカリする
これが一番やってはいけない最悪のパターン。
ガッカリされると…
「結果が悪いと嫌われる」
「条件付きでしか愛されない」
と子どもは思ってしまう。
すると…
「人前ではミスはできない」と思いチャレンジしなくなる。
たかがカラオケでも、なにか試されている気がして、歌う勇気が出てきません。
親がガッカリすることで…
子どもは臆病な性格になり、他人の目を気にするようになるのです。
大切なのは「がっがり」よりも「励まし」
・結果が良かったら褒める
・結果が悪かったら励ます
これが正解。
結果が悪ければ、子どもはすでに「ガッカリ」しています。
そんなときに、お母さんも一緒になってガッカリしないこと。
強い気持ちになって子供を励ましてあげることが親の務めです。
「太郎なら次回は大丈夫!」
「花子ならきっとできるわ」
「一生懸命走る姿、カッコ良かったわ♪」
「励」という漢字は「一万ノ力」と書きます。
親に励まされて育った子どもは「一万のチカラ増し」で、挑戦する勇気が湧いてきます。
子育てでやってはいけないこと④
結果が悪いときに「ガッカリ」すると、子どもは臆病になり挑戦しなくなる。
ガッカリする気持ちをグッとこらえて、励ましてあげることが大切です。
⑤ため息によるアンカリング
たとえば…
母親が楽しそうに料理をしていたら、子供は「料理=楽しい」と思う。
つまらなそうに料理をしていたら、子供は「料理=つまらない」と思う。
これを「アンカリング」といい、簡単には修正できません。
子どもは、親が言ったようには育ちません。
親がやったのを見て育つのです。
父親がため息をついて帰宅し、仕事の愚痴をこぼす。
すると子どもは「仕事=つまらない」と信じます。
母親がため息ばかりついている。
すると子どもは「大人=つまらない」と信じます。
親がため息をつくたびに、子どもは「未来の希望」を失ってしまう。
すると、勉強する意義も見出せなくなります。
未来に希望をもてば、勉強の意義がわかる
子どもに勉強してほしかったら「やらせる」よりも「やる気にさせる」こと。
「やる気にさせる」ためには「面白いと思わせる」こと。
「面白いと思わせる」ためには「面白そうにやっている親の見本」が必要です。
まずは親が「イキイキ」と生きる。
そして子どもに希望を持たせてあげる。
「大人って楽しいよ、自由だよ」
「仕事で人を喜ばせるって素敵よ。モテるわよ」
そんな親との会話が、あとからジワジワ効いてくる。
「親の楽しそうな姿」を見て、子どもは未来に希望を抱き、勉強の意義を見出します。
「早く大人になりたい?」という質問で、子どもの未来への不安度がわかります。
なにはともあれ、子どもの前で「ため息」をつくことだけはやめた方が良いですね。
子育てでやってはいけないこと⑤
親が「ため息」や「つまらなそうな顔」をすると、子どもは未来に希望を持てなくなる。
「親の楽しそうな姿」を見ると、勉強の意義を見出す。
⑥悪い暗示で洗脳しない
子どもを「洗脳」するのは簡単。
同じ言葉を、何度も繰り返せばいい。
「ダメな子ね」と言い続ければ、本当にダメな子に育っていきます。
「だらしないわね」と言い続ければ、本当にだらしない子に育っていきます。
「友達づき合いが苦手なのね」と言われれば、本当に人間関係が苦手になっていきます。
反対に…
「しっかりしてるわね」と言い続ければ、本当にしっかりした子に育っていきます。
「優しいのね」と言い続ければ、本当に優しい子に育っていきます。
「がんばり屋さんね」と言い続ければ、本当にがんばり屋に育っていきます。
これを「ピグマリオン効果」と言います。
マラソンの高橋尚子さんが、小出監督から「Qちゃんは凄い。世界一になれるよ」と言われ続けて成長したことは有名な話です。
そう思ってなくてもいい。
嘘でもいいのです。
「言われて嬉しい言葉」をかけ続けることが大事。
効果がすぐに表れることはありませんが…
言い続けていれば、子どもの心に徐々に浸透し、漢方薬のようにジワジワと効いてきます。
テレビの暗示にも要注意
親からの悪い暗示だけでなく、「暗いテレビ」の暗示にも注意が必要です。
犯罪・事故・災害…
ニュースをみて「恐ろしい人もいるわね」と親がつぶやけば、
子どもは「世の中は恐ろしい所だ」と心に刻みます。
「衝撃映像」「病気の番組」「警察24時」などの物々しい映像をみれば、子どもは心に小さなトラウマを残します。
すると「得体のしれない不安」を抱えたまま大人になってしまう。
パトカーを見ただけでドキッとしたり、風邪を引いただけで「死んでしまうかも」と疑ったり。
知らぬ間に「臆病者」になってしまうのです。
事件・事故・病気に精通しても、何の利益もありません。
体に取り入れる「栄養」に気をつかうのと同じように、頭に取り入れる「情報」も吟味することが大切です。
子育てでやってはいけないこと⑥
悪いレッテルを貼れば、子どもは悪くなる。
良いレッテルを貼れば、子どもは良くなる。
暗い情報番組は小さなトラウマになる。
⑦アンダーマイニング効果
「部屋の片づけがしっかりできたら、今夜は外食にしよう」
やりたがらない子を動かすのに「ご褒美」をつかうのは賢い方法です。
しかし!
子どもが「好きでやっていること」にご褒美を与えてはいけません。
「花子の絵が入賞したから、特別にお小遣いをあげる♪」
好きでやっていることに「ご褒美」をあげてしまうと、子どもは「好きなこと」が好きでなくなってしまう。
熱が冷めてしまい、せっかくの才能が消えてしまうのです。
何とも不思議なこの心理を「アンダーマイニング効果」といいます。
おじいちゃん、おばあちゃんは特に要注意。
嬉しくて、ついついご褒美をあげたくなりますからね。
子育てでやってはいけないこと⑦
「好きでやっている」ことにご褒美をあげてはいけない
子育てでやってはいけないこと・まとめ
子どもの人格形成は、「生まれつき」よりも「親との関係」のほうが影響が大きいと言われています。
子どもを育てる以上、親は「知識」と「忍耐」が必要です。
ときには、イラっとしてしまうこともあるでしょう。
「なんで、わかってくれないの!」と叫びたくなることもあるでしょう。
ママにとって育児は、楽しい反面、長い戦いでもあります。
ストレスを溜めすぎないよう、
- 美味しいものを食べる
- オシャレをする
- 友達と会話する
など「自分自身を喜ばせていく努力」も子どものためになります。
長い文章になってしまいました。
最後に「子どもは大人の鏡」という詩をご紹介して終わりにします。
子育てをする上で「知っておくべきこと」がまとめられています。
リビングの壁に貼っておいてほしいぐらい大切な内容です。
「子どもは大人の鏡」
ドロシー・L・ノテル作
子どもは、批判されて育つと、人を責めることを学ぶ。
子どもは、憎しみの中で育つと、人と争うことを学ぶ。
子どもは、恐怖の中で育つと、オドオドした小心者になる。
子どもは、憐れみを受けて育つと、自分を可哀想だと思うようになる。
子どもは、馬鹿にされて育つと、自分を表現できなくなる。
子どもは、嫉妬の中で育つと、人をねたむようになる。
子どもは、ひけめを感じながら育つと、罪悪感を持つようになる。
子どもは、辛抱強さを見て育つと、耐えることを学ぶ。
子どもは、正直さと公平さを見て育つと、真実と正義を学ぶ。
子どもは、励まされて育つと、自信を持つようになる。
子どもは、ほめられて育つと、人に感謝するようになる。
子どもは、存在を認められて育つと、自分が好きになる。
子どもは、努力を認められて育つと、目標を持つようになる。
子どもは、皆で分けあうのを見て育つと、人に分け与えるようになる。
子どもは、静かな落ち着きの中で育つと、平和な心を持つようになる。
子どもは、安心感を与えられて育つと、自分や人を信じるようになる。
子どもは、親しみに満ちた雰囲気の中で育つと、生きることは楽しいことだと知る。
子どもは、まわりから受け入れられて育つと、世界中が愛であふれていることを知る。
以上、「知らなきゃマズイ!子育てでやってはいけないこと7選」でした。