自分の「悲観的な性格」に悩む人も、少なくありません。
友達からメールの返信がこない。なにか悪いことを言っちゃったかしら?怒ってるのかな?嫌われてるのかな?もしかしたら、みんなで私の悪口を言ってるのかもしれない
娘の高熱は、風邪じゃなくて、重大な病気かもしれない。病院で精密検査を受けたほうがいいのかしら?どうしよう、どうしよう?このままじゃ、家事も手につかないよ
根拠のない「悲観的な想像」がどこまでも広がって、止めようにも止められない。
そんなネガティブ感情は、ツラいものです。
実は、日本人の98%が、遺伝子的にもネガティブだと言われています。
ということは…
悲観的な性格は、「一生もの」なのでしょうか?
そんなことはありません。
直るんです。
あのポジティブ男・松岡修造さんも、もともとは「かなり悲観的な性格」だったそうです。
著書では、こう明かしています↓
僕は現役時代から、読書、イメージトレーニング、メンタルトレーニングなどを通して「ポジティブな考え方をする」ための訓練を続けてきました。
こうして出来上がったのが「ポジティブな松岡修造」であり、僕は後天的ポジティブ人間なわけです。
修造さんが証明してくれたように…
「悲観的な性格は、トレーニングで直せる」もの。
「楽観的で、明るくて、ストレスに強い心」を手に入れることは、大人になってからでも可能なのです。
というわけで、今回は…
ぼくが知るかぎりで、「もっとも効果的な楽観トレーニング法」をご紹介させていただきます。
この方法は、うつ病にも使われる「認知療法」がベースになっていますが、難しいことは何一つありません。
- 簡単
- 効果が高い
- 一人でできる
と、三拍子そろったトレーニング法。
しかも、トレーニングなのに、少しもツラくない。
滝に打たれる必要もなければ、ガマンや辛抱も、一切必要ありません。
それでいて、効果が「すごい!」。
悲観的思考は、ツラいだけでなく、身体や心の健康も害します。
百害あって一利なしです。
これを機会に、悲観的思考を改善してみてはいかがでしょうか。
ではさっそく、やり方をご紹介していきます。
悲観的な性格を直す方法
準備するもの
・ノート
・ペン
やり方
やり方は…
ノートに、「3つのこと」を書き込む。
たった、それだけ。
ここでは、以下の事例を参考に、3ステップでご説明していきます。
【事例1】
●出来事
会社からの帰宅途中、駅で男性と肩がぶつかり、「チェッ」と舌打ちされた。
●ネガティブな感情
「私はいつもドンクサイ。すぐに人をイライラさせてしまう。迷惑かけてばかりのダメな人間だ。部長がイライラするのも、私がドンクサイからだ」
ステップ①
「ネガティブな感情を書き出す」
ノートに書くこと、1つ目は…
悲観的になってしまったときの「出来事」と「ネガティブな感情」を書きます。
上記の【事例1】を、そのまま書けばOKです↓
●出来事
会社からの帰宅途中の駅で、男性と肩がぶつかり、「チェッ」と舌打ちされた。
●ネガティブな感情
「私はいつもドンクサイ。すぐに人をイライラさせてしまう。迷惑かけてばかりのダメな人間だ。部長がイライラするのも、私がドンクサイからだ」
※上の「ネガティブな感情」のことを、「説明スタイル」といいます
※「悪い説明スタイル」が、悲観の原因です
※説明スタイルは、一瞬のうちに脳裏をかすめるものです
※そのときの気持ちに戻って、できるだけ多く書き出すようにしてください
ステップ②
「反論する」
ノートに書くこと、2つ目は…
ネガティブな感情に「反論」する
他人になったつもりで、ステップ①の「ネガティブな感情」に精いっぱい反論し、それを書き出します。
●反論
・「いつもドンクサイ」って言うけど、駅で肩がぶつかるなんて、誰にでもあることだよ
・そんなことで舌打ちするなんて、相手の人間性が悪いだけだよ
・その男は、ぶつかる前から不機嫌だったんだよ
・「肩がぶつかったこと」と「部長のイライラ」は、なんの関係も無いよ
ステップ③
「納得する」
ノートに書くこと、3つ目は…
もう一度「自分」に戻って、納得した気持ちを書きます↓
●納得
・確かにそうだよね。肩がぶつかるのは、誰にでもあることだよね
・あの男が最初から不機嫌だっただけで、私は何も悪くないよね
・部長のイライラも、今回のこととは何の関係もないよね
これで終わり。
3つ書くだけだから、簡単ですよね!
これで、自分がどう変われるのか?
- ネガティブな感情
- 反論
- 納得
この「3つのこと」をノートに書きだすことで、自分がどう変われるのか?
ビフォー・アフターで見てみましょう。
会社からの帰宅途中の駅で、男性と肩がぶつかり、「チェッ」と舌打ちされた。
↓↓↓
Before
After
こう思えれば、悲観的な感情は、いっさい出てきません。
自分を責めることもなくなります。
「すこし嫌な気分になる」のは仕方ありませんが、3分もすれば消えて無くなるはずです。
「反論」で、考え方が変わっていく
なぜ、このような変化が表れるのか?というと…
ステップ②の「反論」が、心に定着するからです。
先にも書きましたが…
ステップ①のネガティブな感情が、「悪い説明スタイル」。
悲観的な感情の原因です。
一方、
ステップ②の反論は、「良い説明スタイル」。
自責・不安・後悔・失望・焦りなどの、悲観的な感情は生まれません。
「3つのこと」をノートに書くだけで…
「悪い説明スタイル」が消滅していき、
「良い説明スタイル」が上書き保存される。
簡単ですよね。
この「反論」というやり方について…
うつ病の世界的権威であり、ポジティブ心理学センターの長でもあるマーティン・セリグマンはこう言います。
「反論の仕方の練習。これは、楽観主義を身につけるには一番の方法だ」
さらに、こんなことも言っています。
「反論する方法はどんな子供でも覚えることができ、いちど身に付ければ一生忘れない。
最初は少しぎこちなく感じるものだが、早いうちにこの方法を覚えておけば、悲しい目に会わずに済むわけだ」
反論する方法を知っていれば…
自分が楽に生きられるだけでなく、人にも教えてあげられます。
「悲観的な自分」に悩んでいる知人がいたら、ぜひ教えてあげてくださいね。
その人の人生を一変させる、すばらしい人助けになると思いますよ。
それでは最後に、
もう2つ【事例】をご紹介して終わりにします。
一度読むだけで、やり方がしっかり身につくと思います。
ぜひご一読ください。
【事例2】ママ友とホームパーティー
ステップ①「ネガティブな感情」
●出来事
友達になったばかりのママ友3人を家に招いてパーティーをひらいた。腕にヨリをかけて作ったピザは全部食べてくれたが、パエリアは半分以上残して帰っていった。
●ネガティブな感情
「きっと美味しくなかったんだわ。料理がヘタで恥ずかしい。みんな「美味しい」って言ってたけど、お世辞だと思う。今ごろみんなで笑ってるのかもしれない。あの人達とは、この先うまくやっていける気がしない。もうパーティーなんて絶対しない!」
ステップ②「反論」
●反論
・みんなが言うように、ピザもパエリアも、実際に美味しかったよ
・確かに、あまり食べなかった人もいたけど、その人の苦手なモノが入っていたのかもしれない
・ダイエット中だったかもしれないし、緊張して食べられなかったのかもしれないし、もともと小食なのかもしれない
・そもそも、作り過ぎだったのかもしれない
・みんなたくさん笑ってたから、パーティーは大成功だったはずだよ
ステップ③「納得」
●納得
・たしかに、作り過ぎだった気がする
・みんな、お菓子も食べてたしね
・パーティーは盛り上がったから、大成功だよね
・さあ、次回はなにを作ろうかな?
・とりあえず、作り過ぎには要注意だね
ビフォー・アフター
Before
↓↓↓
After
【事例3】冷たくなった上司
ステップ①「ネガティブな感情」
●出来事
最近、山田課長がぼくに冷たい気がする。入社したての頃は、よく話しかけてくれたし、笑顔で挨拶もしてくれた。最近では、挨拶も目を合わせてくれない。
●ネガティブな感情
「山田課長は、僕のことを嫌っているに違いない。きっと僕に才能がないからだ。「役立たず」と思ってるのかもしれない。やっぱり僕はダメな人間だ」
ステップ②「反論」
●反論
・山田課長だって人間だよ。元気が出ない時期だってあるさ
・もしかしたら、自分の仕事のことで頭が一杯なのかもしれない
・息子さんのことで悩んでるかもしれないし、親の介護で疲れているのかもしれない
・直接、文句を言われたわけでもないのに、「自分が悪い」と思うなんて、どう考えても間違ってるよ
ステップ③「納得」
●納得
・たしかに、そうだよね。僕が悪いことをした覚えはない
・山田部長だって、笑顔になれないときがあるよね
・今までさんざんお世話になってきたから、今度は、僕が課長を支えていく番かもしれない
・さあ、仕事がんばるぞ!
ビフォー・アフター
Before
↓↓↓
After
まとめ
「悲観は惰性の問題であり、楽観は努力の問題である」
人間は、放っておけば「悲観的に考える」ようにできています。
楽観的な人は、松岡修造さんのように「何かしらの努力」をしているものです。
今回ご紹介しました方法は、もっとも効率的な「楽観の努力」になると思います。
ぜひ身につけて、「元気でストレスに強い心」を手に入れてくださいね。
長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝しています。
過去20年間の心理学における最大の発見は、人は考え方を選べるということだ
(心理学者マーティン・セリグマン)
以上、【ポジティブ思考】悲観的な性格を、楽観的に変える簡単トレーニング、でした。