ストレスフリーを実現する！嫌な気分を消す技術2選

花子さんは、小さな会社のOLさん。

最近入ってきた、新入社員の麗子さんが、みんなからチヤホヤされているのを見ると、腹が立ってたまりません。

「なんで麗子ばっかり！」

ムシャクシャして、仕事も手につかない状況です。

そこで花子さんは、お釈迦さまのところへ相談にいきます。

花子：「新入社員の麗子がチヤホヤされているのを見ると、ムシャクシャするんです。

麗子は何も悪いことをしていないと分かっていても、麗子に腹が立つんです。

この気持ち、何とかなりませんか？」

釈迦：「お安い御用です。では、次の3つの質問に答えてください」

釈迦：「1つ目。花子さんが感じている感情は、何ですか？」

花子：「嫉妬だと思います」

釈迦：「はい、そうですね」

釈迦：「では、2つ目の質問。嫉妬の原因はなんですか？」

花子：「嫉妬の原因？そんなの分かりませんよ！心が勝手にムシャクシャするんです」

釈迦：「では、ヒントを差し上げましょう。嫌な気分の裏側には、必ず『欲』が隠れている。

嫉妬の裏側に隠れている欲とは、何でしょうか？」

花子：「嫉妬の裏側に隠れている欲？『自分も麗子のように大切に扱ってもらいたい』とか『麗子に勝ちたい』という欲があるかもしれません」

釈迦：「大正解！ここは大切なポイントなので、よ～く聞いてください」

釈迦：「チヤホヤされてる麗子さんを見て、欲が暴れだすのは仕方のないことじゃ」

花子：「仕方のないこと？」

釈迦：「そう。刺激されて欲が出てくるのは、人間の本能だから仕方がない」

釈迦：「いけないのはここからで、暴れる欲に自分も同調して、一緒になって『わたしも大切に扱え！麗子に勝ちてぇ！』ともがくから、苦しくなる。これが嫉妬の正体じゃ」

花子：「うん、なんか分かる気がする」

釈迦：「暴れる欲に同調することを『執着』というが、人間の苦しみのほとんどは、この執着から生まれるのじゃ」

花子：「なるほど！欲が出てくるのは、仕方のないこと。その欲に執着するから苦しくなっちゃうのですね」

釈迦：「その通り。嫉妬の原因がわかりましたね」

釈迦：「では、最後の質問。嫉妬のメリットとデメリットを考えてみてください」

花子：「嫉妬のメリットとデメリット？嫉妬しても、何も良いことはないし、むしろ苦しくなるだけ。逆に、嫉妬しなかったとしても、困ったことは起こらない」

花子：「わかりました。嫉妬にはデメリットしかありません」

釈迦：「そうじゃな。では、3つの質問と答えを見てみよう。これを見て、何か気づかんかね？」

花子：「そっか。私は、こんなくだらない欲に、振り回されていたんだ。自分も一緒になって、心の中でもがいていたんだ。だから苦しかったんだ」

花子：「何のメリットもないことを、一生懸命やっていたんだ。馬鹿らしい…」

釈迦：「心の仕組みが分かったようじゃのう。もうこれで、あなたは嫉妬から解放されるだろう」

花子：「いやいや、ちょっと待ってください！」

花子：「欲に同調しなければいい、ということは分かりました。でもそれ、具体的にどうやるんですか？」

釈迦：「簡単なことじゃよ。無視すればよい」

花子：「無視？」

釈迦：「そうじゃ。たとえば、こんな感じじゃ。

嫉妬心が出てきたら…

『あっ、心のなかで欲が暴れてるな。こんな奴らと仲良くしたって、何も良いことはない。絶対に同調しないぞ！』

『無視無視。仕事に集中しよう』

こうやって作業に取りくめば、いつの間にか、欲は消えているはずじゃ」

花子：「えっ、無視すると欲が消えるんですか」

釈迦：「そうじゃ。欲というものは、校庭に迷い込んだ犬とおなじで、相手にしなければ、いつの間にか消えていくものじゃ」

花子：「なるほど！無視すると、欲が消えて、同時に嫉妬心も消えていく、ということですね」

釈迦：「その通り。花子さんも、心の仕組みが分かってきたようじゃの」

釈迦：「これを覚えておけば、嫉妬だけでなく、怒り・不安・緊張・焦り・恥じらい・怠け心など、どんな嫌な気分も消すことができる。とても便利じゃ」

花子：「本当ですか？！」

釈迦：「本当じゃ。……あの男性を見てごらん。『馬鹿にしやがって！絶対に許さんからな』と怒っておる」

釈迦：「彼の心のなかでは、『自分を認めてほしい。尊重してほしい』という欲が暴れておる」

釈迦：「だけでなく、『俺を認めろ！尊重しろ！』と、自分も一緒になってもがいておる。だから、怒りが収まらないのじゃ」

花子：「そっか！欲に同調すると、欲は消えないのですね」

釈迦：「その通り。ちなみに、彼のような人を『無明の人』という」

花子：「無明の人ですか？」

釈迦：「心の仕組みが見えていない、という意味で『無明』というのじゃ」

釈迦：「それに引きかえ、花子さんは、心の仕組みが見えている。だから、もうすでに花子さんは、無明の人ではなく『悟り人』じゃ」

花子：「いいですね！悟り人」

釈迦：「では、悟り人の花子さん。もう一人、あの男性をごらんなさい。プレゼン前の緊張で頭が真っ白になっておる」

釈迦：「花子さんは、彼の心の中が見えるかな？」

花子：「はい、見えます」

花子：「『恥をかきたくない』『完璧にこなしたい』『凄いと思われたい』という欲が大暴れしています。そして、彼もそれに同調しています」

釈迦：「大正解！さすが悟り人」

花子：「でも、お釈迦さま。プレゼン前に『恥をかきたくない』とか『完璧にこなしたい』と思うのは、当然じゃないですか？この欲を無視するのは、難しいと思うのですが…」

釈迦：「たしかに、難しいかもしれん。では、欲を無視するコツを、1つ伝授しよう」

釈迦：「そのコツとは、欲と反対のことを考える。たとえば、こんな感じじゃ。

『恥をかいたっていい。完璧にこなせなくてもいい。凄いと思われなくてもいい。でも、自分ができることを精一杯やろう』」

花子：「たしかに！そう考えれば、緊張が消えていくような気がします」

釈迦：「先ほどの、お怒りの男性の場合なら、こうじゃ。

『認めてくれなくてもいい。尊重してくれなくてもいい。自分の評価は自分でする』」

花子：「なるほど！そう考えれば、怒りが消えていきそうです」

釈迦：「反対のことを言うのは、無視するのと同義じゃからな。欲は、かまってもらえないのが寂しくて、どこかへ行ってしまうのじゃ」

花子：「お釈迦さま。よ～くわかりました。ありがとうございます。心の仕組みさえわかれば、どんな嫌な気分も消せるのですね。これからの人生、気分爽快で生きていけそうです」

釈迦：「ハハハ！気分爽快か。そうかい、そうかい」