今回のテーマは、「他人の目を気にしすぎる」の原因と解決法。
突然ですが、下のツイートをご覧ください。
先日、ぼくが書いたツイートです。
ラッキーが偉そうなこと言っていますが、そこは勘弁してやってください。
で、このツイートに対して、こんなコメントをいただきました↓
「めっちゃ気にしてる、窮屈。そうじゃない人になりたい」
きっと、この方と同じように悩んでいる人が、すごく多いと思うんです。とくに日本人は。
というのは、実はぼく自身も昔はそうでした。
たとえば、
「なんだか悪いから…」という理由で…
- 友達の誘いを断れない
- セールスの電話に「うちは結構です」と言えない
- 本当はラーメンが食べたいのに、「何でもいいよ」と言ってしまう
- 買ってきたものが最初から不良品だったのに、泣き寝入りしてしまう
- 「イヤです」「ムリです」が言えず、苦笑い
「どう思われるかな…」という理由で…
- 髪型の崩れがやたらと気になる
- つい地味な服ばっかり買ってしまう
- 「そんなことも知らないの?」と言われるのが怖いから、知ったような顔をする
- ご近所さんに「どこに就職したの?」と聞かれても、「あっ、えーと」と答えを濁してしまう
- 店員さんに、商品の質問をできない
このように、「生きづらさ」を感じながら毎日を送っている人も少なくないと思います。
でも、「他人の目を気にしてしまう」というのは悪いことばかりではありません。
長所もあるんです。
それは、「人当たりがいい」。
当然ですけどね。そうしているのですから。
「人当たりがいい」というおかげで…
- 顔が広い
- 出世できた
- イケメンと結婚できた
など、いいこともあります。
でも実は、ここに最大の落とし穴があるんです!
なぜかと言うと…
我慢してうまくいってしまったら、永久に我慢し続けなければならないから。
- 言いたいことが言えない友達と付き合っていても、疲れるだけ
- いい人を演じて出世したら、ずーっとお人好しでいなければならない
- 素の自分をかくして結婚したら、永久に仮面をつけて夫婦生活を送らなければならない
- 親の期待にこたえて入った会社は辞められない
そうなると、最悪の場合、こんなことが起きてしまいます。
「あんなにいい人が、こんな事件を起こすなんて!」
そんな話、ときどき耳にしますよね。
仕事も家庭も近所づきあいうまくいって、とても優しい人が事件を起こしてしまう、みたいな。
それは、我慢して我慢して、自分の感情を押し殺して、いい人を演じてきた結果、溜まりに溜まったストレスが、何かのきっかけで大爆発を起こしてしまったということなのです。
これは、ちょっと極端な例でしたが。
ほかにも…
今の会社がイヤでイヤで仕方がないのに、「親をガッカリさせたくない」「上司になにを言われるかわからない」などの理由で、会社をやめられずに鬱になってしまう、という人も少なくありません。
夫婦生活が完全に破綻しているのに、「みっともないから」という理由で離婚できない、というのも同じ。
「他人の目」や「世間の目」を気にして生きていると、人生がどう転んでも、結局は自分がつらいだけ。
他人から見たら「幸せそう」でも、自分は「本当の幸せ」を感じられないのです。
では、どうして他人の目を気にせずにはいられないのか?
心の底にあるものは、いったい何なのか?
それが、こちら。
「人に嫌われるのが怖い」
「相手を不機嫌にしたくない」
これを心理学では「ドライバー」といいます。
ドライバーの力は、とても強力!
たとえば、『セールスの電話に「結構です」と言えばいい』と頭では分かっているのに、なぜか口が動かない、声が出ない。
まるで催眠術にかかったように、一度身についてしまったドライバーはとても厄介なのです。
というわけで、ここからが本題。
●ドライバーが身についた原因
●ドライバーを壊す方法
前置きがとても長くなってしましましたが、ここから先は短いです。
他人の目を気にするようになった原因
他人の目を気にするようになる原因のほとんどが…
幼い頃「よい子」だった
親の顔色をうかがってきた、ということです。
たとえば…
「こんなことも出来ないの?」と親がガッカリした顔をする。
↓↓↓
すると「親の期待にこたえなくちゃ」とがんばってしまう
何かをお願いしたときに、「自分でやりなさい!」と親に怒られる
↓↓↓
すると「お願いすると親は不機嫌になるんだ」と覚え、気をつかう
「そんなことも知らないの?」と親があきれる
↓↓↓
すると子どもは、質問するのが怖くなる
スーパーで親を怒らせて、置いてけぼりにされる
↓↓↓
すると、見捨てられるのが怖くなる
そんな経験を重ねることで、「親を不機嫌にしないよう努力してしまう」という悪い癖がついてしまう。
子供は、親に見捨てられたら生きていけませんからね。怖いんです。
で、その考え方の癖が、大人になっても残ってしまって「周りの人を不機嫌にしないよう努力してしまう」。
これが、ドライバー。
もともとは「親に嫌われるのが怖い」「親を不機嫌にしたくない」
↓↓↓
大人になると「人に嫌われるのが怖い」「他人を不機嫌にしたくない」
「三つ子の魂、百まで」ということです。
「人に嫌われるのが怖い」「他人を不機嫌にしたくない」というのは、もちろん誰にでもある感情ですが、それが人一倍強いということ。
これを心理学では「過剰適応」といいます。
ドライバーは、親子代々 引き継がれる
これは、ちょっと余談になるかもしれませんが…
ドライバーは、親から子、子から孫へと、親子代々 引き継がれます。
親が、他人の目を気にして…
「みっともないから静かにしなさい」
「自転車くらい乗れないとみっともないから」
「低レベルの高校ではみっともないから」
などと不機嫌になる。
このように「みっともない基準」で子育てすると…
子供も、親になったときに「みっともない基準」で子育てをしてしまいます。
子どもも、「他人の目」が基準になってしまうのです。
これを、「因果がめぐる」といいます。
原因と結果が、親子代々くり返されるということです。
つまり、自分の代で解決しないと、自分の子供も孫も、そのまた子供も、自分と同じ苦しみを味わうことになってしまう。
というわけで、ここからは解決法です。
「他人の目を気にしすぎる」の解決法
解決法ですが、この方法が一番簡単だと思います。
「悪いから…」を「悪いけど…」に変える
それだけ。
「試食を食べて買わないのは悪いから」
↓↓↓
「悪いけど買わない」
「忙しそうな店員さんに話しかけるのは悪いから」
↓↓↓
「忙しいところ悪いけど」と質問してみる
まずは簡単なところから始めてみて、自己主張に少しずつ慣れていく。少しずつレベルアップしていくわけです。
つぎは…
●セールスの電話に「悪いけどうちは結構です」ときっぱり断る
●「悪いけど このLINEグループからは抜けさせてもらう」
このように、「悪いけど…」を意識して使って、自分の気持ちを大切にすることに慣れていく。
もっと慣れてきたら、「親には悪いけど、今の会社は耐えられないから、もう辞める」とかね。
でも!なんですが…
これが、頭でわかっていても、なかなかできない。勇気が出ないんです。
「やっぱり人を不機嫌にするのは怖い」とか、「友達が減るのが怖い」とかね。
なかなか抜けられないんです。
ドライバーの力は、それほど強力なのです。
でも、安心してください。
いい方法があるんです!
ゲシュタルトの祈りで「悪いけど」を言えるようになる!
そのいい方法とは、「ゲシュタルトの祈り」。
祈りといっても、変な宗教ではないのでご安心ください。
ゲシュタルト療法という心理療法の創設者パールズさんがつくった詩です。
★ゲシュタルトの祈り★
私は私のことをする
あなたはあなたのことをする
私は、あなたの期待に応えるために生きているわけではない
そしてあなたも、私の期待に応えるために生きているわけではない
私は私、あなたはあなた
もしも偶然、私たちの心が触れ合うならば、それは素敵なことだ
もし触れ合えないとしても、それは仕方のないことだ
江戸時代の寺子屋では、論語を暗唱させました。
子供たちは、いまいち意味がわからないのに、何度も暗唱しているうちに、論語の思想が身に付いていきます。
それと同じで…
「ゲシュタルトの祈り」をメモ帳などに書いておいて、ときどき読んでいると、内容が心に染み込んできます。
ゲシュタルトの祈りの中にある「あなたはあなた、私は私」というのは、さまざまな心理学で「とても大切な考え方」とされているもの。
たとえば、アドラー心理学では「課題の分離」と呼んでいます。
課題の分離ができるようになってくると…
ちょっと極端な例えですが、となりで誰かが喧嘩をしていても、自分はリラックスしてお紅茶を飲んでいられる。
「周りの人の感情に振り回されない」ということです。
その結果、「悪いけど…」と言うのが平気になり、容易にドライバーを壊していくことができる。
そして、やがては…
- 人の目が気にならなくなる
- 言いたいことを言えるようになる
- 素直な感情を表にだすこと出来るようになる
今まで苦しんできた「生きづらさ」を解消できるのです。
まとめ
長い文章になってしまいましたので、簡潔にまとめておきます。
●他人の目を気にして生きていると、「幸せそうな生活」はできても、「本当の幸せ」はやってこない
●人の目を気にしてしまう原因は「ドライバー」
「親を不機嫌にしたくなかった」という気持ちが、大人になって「人を不機嫌にしたくない」に変化したもの。
●そこから抜け出すためには、まずは「ゲシュタルトの祈り」
ゲシュタルトの祈りを何度も読みかえして、「あなたはあなた、私は私」という考え方を心に染みこませていく。
●すると、「悪いから…」を「悪いけど…」に変えるのが容易になる
意外と簡単に、ドライバーを壊していくことができる。
自分の意見や感情を、表に出す事が出来るようになる。
あと最後に、一冊の本をご紹介させてください。
他人の目や、世間の目を気にしてしまう人は、この本にかなり感情を揺さぶられるはず。
もしかしたら、この一冊が人生を変えるきっかけになるかもしれません。
新品でも、文庫版は504円ですので、ぜひ手にとって何度も読んでみてくださいね。
☆☆☆
以上、「他人の目を気にしすぎる」の原因と解決法でした。
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