この記事でお伝えしたいこと
- 不安のメカニズム
- 不安を消す2つの方法
不安に襲われることは、誰にでもありますよね。
「顔に出来物ができたけど、悪い病気じゃないかしら…」
![出来物](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image01.png)
「最近、会社の業績が悪いけど、リストラになったらどうしよう…」
![リストラ](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image02.png)
「大学受験に落ちたら、私の人生 どうなるの?」
![大学受験](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image03.png)
「考えても仕方がない」と分かっているのに、グルグルグルグル考えが止まらない。
悪い妄想が、どんどん大きく膨らんでいく。
それでもって、食事がノドを通らない、寝ても眠れないなど。
![食欲不振と不眠](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image04.png)
「自分では どうすることもできない」というのが、不安の特徴。
この厄介な不安を、ピタッと止めることができたら嬉しいですよね。
今回は、そんなお話。
不安を消す方法
では、どうすれば不安を消すことができるのか?
結論から言ってしまうと、こちら↓
不安のメカニズムを知る
手品も、裏のからくりが分かれば、誰だって出来るようになる。
![手品のからくり](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image05.png)
それと同じで、不安もからくりが分かれば、誰だって簡単に止めることができるようになる。
というわけで今回は…
①不安のメカニズム
②不安を消す2つの方法
この2つを、順番にご紹介させていただきます。
今回ご紹介します方法は、心理学の王道のやりかた。基本中の基本。
ですので、アッと驚くようなことではありませんが、効果のほどは心理学のお墨付き。
覚えておけば必ず役立つときがくると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
①不安のメカニズム
まずは1つ目の、不安のメカニズム。
ちょっと想像してみてください。
10万年前の原始人。
![原始人](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image06.png)
山で食べ物を探していると、目の前に一匹のヒョウが現れました。
こちらをニラんでいます。
![ピンチ](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image07.png)
「やばい!ピンチだ」
危険を感じると、脳の扁桃体という部分が興奮します。
![扁桃体が興奮](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image08.png)
すると、扁桃体は、自分に対して命令をくだす。
「逃げろ、もしくは攻撃しろ」
![命令](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image09.png)
これが、不安なときにあらわれる「いても立ってもいられない」という、あのイヤな症状(闘争・逃走反応)。
![闘争・逃走反応](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image10.png)
さらに、戦闘態勢に入るために…
扁桃体は、ノルアドレナリンとコルチゾールという2つのストレスホルモンを分泌させます。
![ストレスホルモンの分泌](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image11.png)
すると、呼吸が速くなり、心臓はドキドキ。
![心臓ドキドキ](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image12.png)
すべり止めのために、手の平には汗をかく。
![手汗](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image13.png)
筋肉は収縮し、震えがくる。
血管も収縮し、顔面蒼白。
![顔面蒼白](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image14.png)
瞳孔は開き、焦点が合わない。
脳の前頭葉が働かなくなり、頭が真っ白になる。
![頭が真っ白](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image15.png)
今必要のない消化機能を弱めてしまうため、食欲がなくなったり、お腹が痛くなったり。
さらに、免疫機能を低下させ、風邪を引きやすくなるなど。
![不安の身体症状](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image16.png)
これらが、不安なときにあらわれる身体症状。
さらに、あともう1つ。
扁桃体は、ちょっとおバカさんなところがあって…
自分でストレスホルモンを出しておきながら、呼吸や心臓が速くなると、「これまた非常事態だ!」ということで、もっとストレスホルモンを分泌しろと命令する。
![扁桃体の勘違い](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image17.png)
自分でやったことを忘れちゃうんですね。扁桃体は。
これを何度も繰り返すことによって…
ストレスホルモンの濃度がいつまでたっても下がらない。薄まらない。
だから、不安な感情は、いつまでたっても消えない。
「考えないでおこう」と思っても、いつまでも考えてしまうというわけです。
![止められない不安](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image18.png)
これが、不安のメカニズム。
「なに、いらんことしてくれてるの!」って感じですよね。
最初にも言いましたが、不安は「逃げるか攻撃する」ために必要な感情。
でも、今の時代…
獣に襲われることもないし、人間同士なら、言葉があるから なんとかなる。
つまり、不安は、今の時代に不要な感情。
もちろん、多少の不安はモチベーションになるので、大切ですけど。
顔面蒼白になったり、頭が真っ白になるようなひどい不安は、邪魔になるだけ。
そのため、不安のことを「不要残留本能」と呼んでいる哲学者もいます。
②不安を消す2つの方法
では、この不安を消すにはどうしたらいいのか?
もう、おわかりだと思いますが…
①扁桃体を落ち着かせる
②ストレスホルモン濃度を下げる
この2つができれば、不安は消えていく。
ここまではOKですね。
1つ目の方法
というわけで、まず1つ目の方法は、こちら↓
運動
とくに、足をつかう運動がおすすめ。
ウォーキング、ジョギングはもちろんですが、近所を一周散歩するだけでもOK。
自転車で、コンビニに買い物に行くのもOK。
![足を使う運動](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image19.png)
なぜ運動なのかというと…
不安は「今すぐ動け!」という扁桃体からのサイン。
![扁桃体からのサイン](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image20.png)
動けば、扁桃体は安心する。
「もう、ピンチは脱出したかな」と。
![扁桃体が安心](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image21.png)
これ、魚をみると分かりやすいのですが…
水槽の魚に近づくと、パッパッと動きますよね。
![逃げる魚](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image23.png)
でも、2・3秒すると、おとなしくなります。
![おとなしくなった魚](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image22.png)
そう!
動くことで、動物の扁桃体は落ち着くようにできているのです。
「セロトニン」でストレスホルモン濃度を下げる
さらに、人間の場合は…
足をつかって運動すると、セロトニンが出てきます。
![セロトニンの分泌](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image24.png)
セロトニンは、不安に効くお薬。
扁桃体をリラックスさせる働きがあるだけでなく、
ストレスホルモンの分泌量を正常に戻してくれる働きもある。
だから、あの嫌な身体症状もおさまってくる、というわけです。
![安心](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image25.png)
医学の父と呼ばれているヒポクラテス。
![ヒポクラテス](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image26.png)
ヒポクラテスは、医学界のお釈迦さまみたいな人で…
素晴らしい教えを数多く残しているのですが、その方がこんなことを言っています。
気分が悪かったら、散歩に行きましょう。
それでもダメなら、もう一度散歩に行きましょう。
今風に言えば…
セロトニンが出てくるまで歩きましょうということ。
これが、不安を消す1つ目の方法。
簡単ですよね。
運動だけでは、うまくいかない!
でも実は、運動だけでは上手くいかないんです。
というのは、運動して、いったん心が落ち着いたとしても…
また不安なことを考えたら、扁桃体が興奮してしまいますからね。
![再び不安になる](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image27.png)
1からやり直しになってしまう。
また、運動しなければならない。
では、どうすればいいのか?
2つ目の方法
それが、2つ目の方法↓
不安を書き出す
簡単なことですが、これが凄いんです!
おもしろくて分かりやすい話があります。
鉄鋼王のアンドリュー・カーネギー。
歴史的な大金持ちですが、ある時期、たくさんの悩みを抱えていました。
- 家庭の問題
- 会社の問題
- 身内の暴力事件
- 政治家の圧力
などなど
![アンドリュー・カーネギー](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image28.png)
大きな不安に襲われ、思考停止状態に。
「わけワカメ。もう、どうでもいいや!」と、カーネギーはみずから命をたつ決意をします。
![思考停止](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image29.png)
鉄砲を取り出そうと、机の引き出しをあけると、そこには便箋が。
![便箋](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image30.png)
カーネギーは、ふと思います。
「ところで、私の悩みは何個あるのだろう?書き出してみよう」
![悩みの数](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image31.png)
箇条書きにしてみると、約70個。
![箇条書き](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image32.png)
すごいですよね!
普通の人なら、1個か2個だと思うのですが、なんと70個!
カーネギーは、この便箋をチョキチョキ切って、70枚のカードにしました。
![切る](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image33.png)
さらに、それらを仕分けします。
・今すぐできるカード
・今すぐじゃなくてもいいカード
・自分には解決できないカード
![カードの仕分け](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image34.png)
自分には解決できないカードは、ゴミ箱に捨てました。
![捨てる](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image35.png)
そして、今すぐできるカードを見つめて、一言。
「なんだ、これだけか。余裕のよっちゃん!」
![安心するカーネギー](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image36.png)
「それより腹が減ったな」ということで…
![空腹](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image37.png)
そのまま奥さんと、食事に出かけたとさ。
![食事](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image38.png)
めでたし、めでたし
おわかりいただけたと思いますが…
紙に書き出すと、モヤモヤと渦巻いていた思考がきれいに整理されて、気持ちが楽になるんです。
それだけではなく、今すべきことが見えてくる。
これを例えるなら、洗濯機。
![洗濯機](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image39.png)
不安というのは、頭のなかで、言葉にできないモヤモヤが、グルグルグルグル渦巻いている状態。
![渦巻く不安](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image40.png)
手が出せない状態。
そして、紙に書くというのは、山になった洗濯物を畳んでいる状態。
![たたむ](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image41.png)
きれいに整理できる。悩みが小さくなる
そして、「次にやるべきこと」も見えてくるというわけです。
![次にやること](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image42.png)
で、ここで2つ目の方法をまとめると…
まず、不安を全部紙に書き出す。
次に、今できることを考える。
ひとつ例を上げると…
「明日は初デート。うまく話せるかな?嫌われちゃったらどうしよう」という不安
![初デートの不安](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image43.png)
まずは、不安を全部書き出す。
・うまく話せるかな?黙り込んじゃったらどうしよう
・嫌われたらどうしよう
・お腹が痛くなったらどうしよう
・女の子の気持ちがわからない
・ドタキャンされたら、どうしよう
![不安を書き出す](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image45.png)
つぎに、今できることを考える。
・話のネタを10個考えよう
・不潔な男は嫌われるから、今から爪を切ろう。靴も磨こう。洗車もしよう。
・正露丸糖衣Aを持っていこう
・今からイオンにいって、本を買ってこよう
![今できることを考える](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image44.png)
自分に解決できないことは、どうしようもないので、塗りつぶてしまえばいい。
![塗りつぶす](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image46.png)
そして、実際に行動をはじめれば、もう不安は消えているはずです。
![行動に移す](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image47.png)
なぜなら…
扁桃体は「もう大丈夫」と思うと、興奮しないように出来ているからです。
![もう大丈夫](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image48.png)
まとめ
不安とは、扁桃体の興奮。
![ストレスホルモンの分泌](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image11.png)
今の時代には、ほとんど必要のない大昔の本能。
![不要な本能](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image49.png)
そして、止めたくても止まらないというのが、不安の厄介なところ。
![止められない不安](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image18.png)
これを鎮めるには、まず運動。
![足を使う運動](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image19.png)
運動すると…
扁桃体が安心するだけでなく、ストレスホルモン濃度も下がります。
心が落ち着いたら、不安を紙に書き出す。
つぎに、今できることを考える。
![今できることを考える](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image44.png)
ここまでくれば、もう悩みは小さくなっているはずです。
そして行動に移れば…
扁桃体はすっかりリラックスして、もう不安は出てこなくなるというのが、今回のお話。
![もう大丈夫](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image48.png)
ただ、ご紹介しました「運動」と「紙に書き出す」という2つの方法。
やり方があまりにも平凡すぎて、いまいち価値を感じないのか、実践してくださるかたが意外と少ない。
でも、不安を消すのに、これ以上に効果のある心理療法は、ほかにないと思いますからね。
いざというときには、ぜひ実践して、その効果を確かめてください。
また、不安を乗り越えるために行動することで、人間は成長する生き物です。
たとえ小さな不安であっても、紙に書き出して解決するクセをつければ、人間的にも大きく成長できると思いますよ。
![書いて考える](https://panda-ondo.org/wp-content/uploads/2020/07/20200719image50.png)
☆☆☆
以上、【不安を消す方法】あら不思議!不安がピタっと止まるでした。
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