脳の内部を画像化できる「MRI」。
この奇跡の機器によって、研究者たちはリアルタイムで脳の働きを調べられるようになりました。
その結果、ここ数年で「あっ!と驚く研究結果」がたくさん発表されています。
なかでも目を引くのが…
運動が脳に与える効果
運動が「健康や美容」にいいことは、皆さんご存知のとおり。
それと同時に、運動は「脳にとんでもない影響」を与えているのです。
運動をすると…
●脳が大きくなる
●ストレスに強くなる
●性格が良くなる
●不安が減り 幸福感があがる
●うつの予防と改善
●記憶力・集中力があがる
●アイディアが浮かびやすくなる
●我慢強くなる
●子どもの学力が伸びる・性格が落ち着く
●脳の老化を遅らせる
などなど
というわけで今回は…
・運動が脳に与える驚きの効果
・効果的な運動方法
この2つを合わせてご紹介させていただきます。
これを知ると、運動をしたくてウズウズしてくると思いますよ。
運動が脳に与える驚きの効果7選
【参考文献】
①運動でストレス耐性が上がる
驚くことに!
長期間ストレスがかかると、脳の「前頭葉」と「海馬」が小さく委縮してしまいます。
前頭葉と海馬は、感情の暴走にブレーキをかけるところ。
心を落ち着かせる役目をしています。
そこがストレスによって、すり減ってしまい小さくなる。
つまり、「ストレスに弱い人」や「ストレスの多い人」ほど、感情のブレーキが次第に効かなくなり、ますますストレスに弱くなってしまう。
「私、極度の心配性なの」という方は、その悪循環に入ってる可能性が非常に高いのです。
では、小さく委縮した脳を、どうしたら大きく戻せるのか?
ストレスの悪循環から抜け出すには、どうすればいいのか?
それが「運動」です。
定期的な運動をすると、前頭葉や海馬は物理的に大きくなります。
つまり、感情のブレーキが復活し、やがては「高性能ブレーキ」へと変化する。
その結果、ストレス耐性がグッと上がるのです。
運動の効果は、それだけではありません!
不安・緊張など、ストレスがかかったときに出てくる「汗・ドキドキ・思考停止」などのイヤな症状。
これらの症状の犯人は、ストレスホルモン「コルチゾール」。
運動習慣のある人は、コルチゾールの分泌量が減少します。
「そもそもストレスを感じにくい体質」へと変化できるわけです。
この他にも、運動は、ストレスによる睡眠障害や体調不良の改善にも効果を発揮します。
「ストレスの影響」と「運動の影響」は、まるで正反対。
ストレスが「下り電車」なら、運動は「上り電車」に乗るようなものなのです。
ストレス耐性を上げる「運動法&期間」
ストレス耐性を上げるのにおすすめの運動法は、ウォーキング。
週に3・4回以上、一回1時間程度。すこし息が上がるくらいの早歩きがおすすめ。
効果があらわれるまでに「数か月は必要」と言われていますが、やるだけの甲斐は十分にあります。
※ちなみに、「一時的な不安やストレス」を消したい場合は、ランニング・サイクリング・水泳などの有酸素運動を数十分。
これで、不安やストレスを消してくれるアミノ酸「GABA」、セロトニン、アドレナリンなどが分泌されて、すぐに効果を実感できます。
②運動で太りにくい体質になる
「わたし、贅沢していないのに、贅肉がすごいの…」
もしかしたら、その原因は「コルチゾール」かもしれません。
先ほども登場した、ストレスホルモン「コルチゾール」。
コルチゾールは「脂肪の燃焼をさまたげる作用」があり、ダイエットの大敵。贅肉の味方です。
それだけではありません。
コルチゾールの血中濃度が高いと、「高カロリーのものが食べたい」という気分になってしまうのです。
太りにくい体質になる「運動法&期間」
体内のコルチゾールを減らすには、ウォーキングもいいけど、ランニング・水泳などの「息があがる有酸素運動」のほうが効果的。
一回の運動でも、コルチゾールの血中濃度は下がり、その効果は数日間続くそうです。
さらに運動習慣をもてば、「そもそもコルチゾールが分泌されにくい体質」に変わっていきます。
このほかにも、運動には「基礎代謝があがる」「体形が綺麗になる」などのダイエット効果もあるので、やらない手はないですね。
③運動で集中力が上がる
集中力とは、なにか?
一言でいえば「ドーパミンの量」です。
・大好きな雑誌をみれば、ドーパミン量がふえて集中できる
・興味のない学校の教科書をみれば、ドーパミン量が減って集中できない
つまり、集中力を上げたかったら、脳内のドーパミン量を強引に増やしてあげればいいのです。
そんな方法があるのか?というと、2つあります。
「ADHDの薬」または「運動」。
どちらのほうが良いかは、言うまでもないですよね。
運動直後から、ドーパミン量は増えていき、その効果は数時間つづきます。
それと同時に、心が穏やかになり、苦痛なく集中することができます。
運動の影響は、それだけではありません。
先ほどもお伝えしましたが、長期間運動をつづけていると「前頭葉」が成長します。
前頭葉は、集中力をコントロールする部位。
つまり、運動習慣をもっている人は、ドーパミンと前頭葉のダブル効果で、苦痛なく努力をつづけられるわけです。
集中力を上げる「運動法&期間」
ドーパミンを増やすのに適している運動は、ランニングや水泳などの有酸素運動。
負荷が大きいほど、ドーパミンの分泌量が増えるといわれています。
ただし激しすぎる運動は、NG。
脳の血流量が少なくなってしまうからです。
また、前頭葉を鍛えるには、数か月以上の運動習慣が必要。
こちらはウォーキングでもOKです。
④運動で記憶力が上がる
記憶の脳である「海馬」は、年に1%のペースで小さくなると言われています。
その分、記憶力も悪くなります。
ところが、ある運動を一年間つづけた人たちは、逆に海馬が2%も大きくなったそうです。
差し引きすると、3%。
ある運動で、年間3%も記憶力が良くなるわけです。
その運動とは、なにか?
週3回、40分の早歩き
これ、マジ凄くないですか!
ここで、「一年間続けて たったの3%か」と残念に感じた方もいらっしゃると思います。
安心してください!もっといい報告があります。
それは…
運動すれば、その場で記憶力が上がる
「歩きながら暗記」「踊りながら受験勉強」などでも、記憶力は20%もアップするのです。
⑤運動で性格が良くなる
「落ち着きのない性格が改善する」ことは、先程の集中力のところでお伝えしました。
では、神経質な性格・皮肉な性格・気難しい性格などは改善するのでしょうか?
それが改善するんです!
完璧とは言わないまでも、ある程度までは運動で良くなるということが確認されています。
日本・フィンランド・南アフリカなど、世界中で行われた調査で、運動習慣のある人は「神経質」「皮肉屋」などの性格の人が少ないことが判りました。
オランダの双子約40000人の調査でも、同じ結果になりました。
主な理由は、運動によって分泌されるセロトニン・アドレナリンなどの影響と考えられています。
セロトニン・アドレナリンによって幸福感が上がり、優しくて寛容な気持ちになれるのです。
⑥運動で鬱の改善と予防ができる
運動には、抗うつ薬とおなじ効果がある。
しかも、運動には副作用がなく、再発も非常に少ないことが判っています。
再発がどれくらい少ないのか?
・薬の再発率38%
・運動の再発率8%
運動の凄いところは、それだけではありません。
プチ鬱程度の軽い場合…
・薬はほとんど効果がない
・運動はばっちり効果あり!
ではなぜ、抗うつ薬は有名なのに、運動療法は世に広まっていないのでしょうか?
それは、お金の問題。大人の事情なのだそうです。
薬を開発するには、莫大な費用がかかりますからね。
鬱に効果のある「運動法&期間」
鬱になるとやる気を失うため、「運動はしたくない」と考えるのが普通。
ですので、無理のない範囲からはじめるのが賢明です。
最初は3分の散歩でもいい。
少しずつ増やしていき、「できるだけ歩く」「可能なら走る」という形でOKです。
また、鬱予防の場合は、毎日20~30分のウォーキングでも十分に効果があるそうです。
ちなみに、本人が効果を実感するまでの期間は、薬も運動も同じで「数週間後」と言われています。
結果を焦らないことが肝心です。
⑦運動で子どもの学力が上がる
「学校の体育の授業を、週2回から週5回に変更する」
たったそれだけで、「子どもたちの学力がグンと向上する」ことがスウェーデンで確認されました。
同じ調査をアメリカでおこなっても、やはり同じ結果を得られたそうです。
・国語・英語・算数などの成績が上がる
・「難しい問題」を解く能力は格段に上がる
単純に「運動を増やすと頭が良くなる」というわけです。
さらにもう一つ、驚きの結果が確認されています。
それは…
立って勉強をするだけで、運動をした子どもと同じ効果がある。
「立ち机」をつかって勉強すると、集中力や記憶力が上がるだけでなく、テストの結果は平均10%も向上するそうです。
最近では、企業でも「立ち会議」が増えているそうです。
アップルのスティーブ・ジョブズが「散歩会議」をしていたのも有名な話です。
実はぼくも家では、基本、立って作業をしています。
こちらが、棚を改造して自作した「なんちゃって立ち机」↓
10歳の双子の息子たちも、今は「立ち机」で宿題をしています↓
息子たちの感想は、「頭が疲れないからラク」「長く勉強できる」。
立ち机に変えるだけで頭が良くなり、疲れも少なくなる。
こんなに手軽な方法は、他にないですよね。
ネットを見ても、ここ最近「立ち机」は売れているようで、「スタンディング・デスク」という名前でさまざまな種類が販売されています。
「立ちっぱなしは疲れない?」という方は…
足元にゴルフボールを置いておき、足の裏でゴロゴロすると、ツボが刺激されて全身がラクになると思いますよ。
まとめ
「運動が脳に与える驚きの効果」は、いかがでしたでしょうか?
残念ながら、ご紹介できた効果は、まだほんの一部です。
他にも…
・IQが上がる
・アイディア力が上がる
・辛抱強くなる
・モチベーションが上がる
・脳の老化を遅らせる
・認知症の発症率が40%減
・ピアノや習字など、お習い事の習得がはやくなる
などなど。
運動が脳に与える影響は、まだまだいっぱい!
もちろん、体の健康や美容にも効果がありますからね。
「運は、動より生ず」という言葉があります。
「動けば運勢が良くなる」
これを略して「運動」ですね。
運動を始めれば、さまざまな効果で、人生全体がガラッと変わってくると思いますよ。
☆☆☆
以上、【最先端の科学が実証】運動が脳に与える驚きの効果でした。
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