子どもに愛情を注いできたつもりだったのに…
周りの人から「過保護」とか「甘やかしすぎ」と言われてしまった!
「愛情って一体なんなの?何をすればいいの?」
そう悩んでいるお母さんも少なくないようです。
「子どもに愛情を注ぐのが大事」という話は、よく耳にします。
では、愛情を注ぐとは「具体的にどういう行動」を指すのでしょうか?
というわけで今回は…
「子どもに愛情を注ぐ」の具体例と注意点をお伝えしていきます。
●前半は、愛情を注ぐと 遺伝子の性質が変わる
●後半は、「子どもに愛情を注ぐ」の具体例と注意点
お急ぎの方は「後半」だけ読んでいただいてもOKですが、「前半」もあわせて読んでいただくとグッと理解が深まるはずです。
ぜひ、あわせて読んでみてください。
愛情を注ぐと 遺伝子の性質が変わる
「多くの子はタンポポで、少数の子は蘭である」
これは、スウェーデンで昔から言われている格言です。
どういうことかと言うと…
・多くの子は、タンポポのように「どこでも生きていけるたくましい遺伝子をもっている」
・一部の子は、蘭のように「うまく育てれば見事な花を咲かせるけど、環境が悪いとすぐに枯れてしまう繊細な遺伝子をもっている」
ということ。
もうすこし深読みすると…
「自分の子が蘭なのか、タンポポなのかは分からない。だから、どんな子どももいい環境で育てましょう」ということでしょう。
このスウェーデンの格言が、最近になって科学的に正しいことが証明されてきました。
子供時代に愛情を注ぐと、遺伝子の性質が変わる!
・落ち着きがない
・暴力的
・人をいじめる
・非行に走る
・ズルい性格
・アルコール依存症になりやすい
・精神疾患を発症しやすい
このような性格は、「悪い遺伝子のせいだ」と以前は考えられていました。
・DRD4-7R遺伝子
・CHRM2遺伝子
・5-HTTLPR遺伝子
などなど。
悪い遺伝子をもっているから「仕方がない」という訳です。
(※難しそうな記号ばかりですが、簡単な話なのでご安心ください)
ところが、最近の研究で「いや!そうじゃないぞ」ということが次第にわかってきたのです。
「悪い遺伝子」をもっている人の中には、人一倍優しくて、とても人間性がよく、がんばり屋で、うんと賢い人たちもいる。
「あれ?どういうこと?」
その違いは、いったい何だったのか?
原因は、子ども時代の環境。
つまり、愛情たっぷりで育ったか、愛情不足だったかの違いだったのです。
まさに、スウェーデンでいう「蘭のような遺伝子」ですね。
愛情一つで、その子の「性格」と「将来」がガラッと変わるわけです。
悪い遺伝子は、悪者の遺伝子ではなく、実は「感受性豊かな遺伝子」。
感受性の強さが、いい方に出るのか、裏目に出るのか。
その分かれ目になるのが、「子供時代にうけた愛情の量」。
極端な話、ドラえもんの「ジャイアン」と「出木杉君」は紙一重ということ。
人の性格は、愛情一つでガラッと変わるのです。
蘭でもタンポポでも、やることは一つ。「愛情を注ぐ」こと
蘭のように感受性の強い人(差次感受性)は、全人口の20パーセントほどいるそうです。
となると、「自分の子どもは蘭遺伝子なのか、タンポポ遺伝子なのか」が気になりますよね。
でも実は、それはどちらでもいいんです。
蘭であろうが、タンポポであろうが、親の役目は一つ。
「たっぷりと愛情を注ぐ」こと。
たっぷりと愛情を注げば…
・タンポポは立派な花を咲かせる
・蘭は見事な花を咲かせる
反対に、愛情不足だと…
・タンポポはしおれてしまう
・欄は枯れてしまう
どちらにしろ、親ができることは「愛情を注ぐ」ことの一点。
どんな花を咲かせるかは、その子に任せるしかありません。
ただし、「親が愛情を注げば、絶対に花開く」というのは少し違います。
環境の要素は「親」だけではありませんからね。
「親が愛情を注げば、自信があって、人間性のいい、心の安定した人に育つ」可能性が高いということです。
「子どもに愛情を注ぐ」の具体例と注意点
ここまでの説明で、「子どもに愛情を注ぐことの大切さ」をご理解いただけたと思います。
ここからは、後半。
「子どもに愛情を注ぐ」の具体例です。
具体例ですので、書き出したらケースバイケースで「無限」に出てきてしまいます。
ここでは、「これだけは押さえておきたい」という代表例をいくつかご紹介させていただきます。
良いときは褒めて、悪いときにガッカリするのは「条件付きの愛」
・成績がいいときは褒める
・成績が悪いときはガッカリしたり叱ったりする
このような愛の形が、「条件付きの愛」。
条件付きの愛で育った子は、こう感じるようになります↓
「いい子じゃないと愛されないんだ」
「能力が低いとイヤな顔をされるんだ」
その結果…
人の顔色をうかがうようになる
↓↓↓
素の自分をだせなくなる
↓↓↓
どんどん自信を失う
↓↓↓
ひどいと、友達の前でカラオケを歌うことすら怖くなる
条件付きの愛で育った子は、「自分がどう評価されるのか」がものすごく気になってしまう。
その結果、社会で胸を張って生きていけないのです。
「条件付きの愛」は、学校の先生のしごと。
親の役目は「条件付きの愛」ではなく、「無条件の愛」を注いであげることです。
無条件の愛とは…
「そのままの君が大好き」
「能力が高くても低くても、大好き」
「成績が良くても悪くても、大好き」
「お母さんは、いつだって応援してるから」
という感じ。
先ほどの例でいえば…
・成績がいいときは褒める
・成績が悪いときは励ます
「40点でもいいじゃない。あなたなら次はきっとできるわよ」と励ましてあげたり、
「お母さんは算数できないけど、こうしてちゃんと生きていけるんだから」と安心させてあげたり。
そうやって、「成績が悪くても、ちゃんと愛されるんだ」ということを示して、子どもを安心させてあげる。
これが、「無条件の愛」のひとつの例です。
無条件の愛がたっぷりで育った子は、素の自分を出すことを怖れません。
「そのままでも愛される」ことを知っているから、胸を張って社会で生きていけるのです。
学校は、成績・運動などの目に見える結果を出さないと、なかなか評価されないところ。
子どもは、「そのままの君ではダメですよ」という教育を受けて、疲れて家に帰ってくるわけです。
だから、せめて家庭では「そのままの君が大好き」と伝えてほしい。
態度で表現してほしい。
態度が難しかったら、「そのままのあなたが大好きよ」と口で伝えるだけでもOKです。
照れくさいかもしれませんが、「照れくさい言葉」ほど子どもの胸に響くもの。
子どもは「なに言ってるの?」という顔をするかもしれませんが、想いはちゃんと伝わっているはずです。
ここで、こう感じた方もいらっしゃると思います↓
『そのままでOK』なんて伝えたら、子どもが頑張れなくなるんじゃないの?不安だわ
ちょっと想像してみてください。
①旦那さんに「君の料理はいつも美味しいね」と言われた
②旦那さんに「この味噌汁は味が薄いぞ」と言われた
どちらの方が、「もっとがんばろう!」と思いますか?
指摘されるよりも、「そのままでOK」の方がやる気が出てきますよね。
人は「そのままでOK」と認められると、「そのまま」でいられなくなり、逆に頑張れるものなのです。
POINT「そのままの君が大好き」という無条件の愛を、子どもにわかりやすく表現しよう!
親のつとめは、心配ではなく信用すること
「忘れ物はない?」
「あんた、テストは大丈夫なの?」
子どものことが心配で、つい口出ししてしまう。
そんなお母さんも多いと思います。
でも、心配を口にするのは絶対にやめたほうがいい!
なぜなら、「心配=信じられない」だからです。
ちょっと想像してみてください。
もしも、友達からこう言われたら↓
「あなたの運転で大丈夫?心配だわ」
「あなたが子供会会長なんてできるの?」
心配されると、嫌な気分になるだけでなく、自信も失いますよね。
子どもたちだって同じ。
親から心配されると、自信を失ってしまうのです。
「ぼくはダメなんだ。能力が低いんだ」と。
その結果、大人になると「どうせ無理」が口癖になってしまう。
何をやってもダメな気がしてしまうのです。
親のつとめは「心配」ではありません。
大切なのは「信用」すること。
「あなたなら大丈夫!お母さん信じてるから」
「今回はダメだったけど、次はきっとうまくいくわ!」
親から信用されて育った子は、自信が出てきます。自主性も出てきます。やる気も出てきます。打たれ強くもなります。
子どもにとって、「親から信用される」ことほど心強いものは他にないのです。
子どものことが心配で心配でたまらないのは、どこの親も同じ。
でも、「大丈夫なの?」と言いたい気持ちをグッとこらえて、「お母さん、あなたのこと信じてるから」。
子どもを信じてあげることも、大切な愛情の一つです。
POINT心配はNG。大切なのは、子どもを信用してあげること
過剰な期待はしない
「子どもに過剰な期待をかけてはいけない」というのは、ほとんどの親が気づいていると思います。
ところが!
「自分は、子ども過剰な期待をかけていない」と思いながら、子どもに過剰な期待をかけてしまっている親が、見ていて少なくありません。
「過剰な期待」の代表的な言葉が、こちら↓
「やればできるから」
「がんばれば、あの高校にだって入れるから」
「もっと練習すれば、花子ちゃんみたいにピアノを弾けるようになるから!」
たしかに、やればできるんです。
でも、できないんです。
どういうことか?
世間の人を見れば、よくわかります。
・ダイエットだって、やればできるんです。でも、できないんです
・禁煙だって、やればできるんです。でも、できないんです
・毎日1時間の読書だって、やればできるんです。でも、できないんです
「自分がやりたいこと」ですら、継続できない。
大人ですら、この程度。
「自分の子どもだけはできる」ということはないのです。
忍耐力や継続力には、どうしても個人差があります。
なかには「できる子」も確かにいます。
しかし、「その子の忍耐力」をこえて努力をつづけると、心に猛烈な負担がかかってしまう。
それでも「やればできるから」と親が言い続ければ、子どもはどんどん追い込まれてしまうのです。
子どもは元々、「お父さん大好き!!お母さん大好き!!」。
どんな子でも、最初は「お父さん大好き!!お母さん大好き!!」です。
ところが残念なことに、追い込まれた子は、ひねくれたり、親に反発したりするようになります。
これは、一種の防衛本能。
そうなったら、もう取り返しがつかないのです。
もちろん、子どもに期待することは悪いことではないと思います。
ただし、「過剰な期待」は厳禁。
・子どもの顔が、苦痛で歪んでいないか
・「ただいま」の声のトーンが暗くないか
・すぐに部屋に閉じこもってしまわないか
そのような「子どもの微妙な変化」に気付いて、子どもの心の負担を取り除いてあげることも、親の愛情の一つです。
POINT「やればできる」には個人差と限界がある。子どもの「心の負担」を敏感に察知しよう
他の子と比較しない
「あなたも、お兄ちゃんみたいに勉強をがんばりなさい」
「花子ちゃんと同じ塾なのに。なに!この成績は」
人と比べられて育つと、子どもはこう感じるようになります↓
「私はダメな人間だ」
「ぼくは人より劣っている」
そうなってしまうと、怖いのが「自責」と「劣等感」です。
●自責
「私はダメな人間だ」と自分を責める。
これは、だんだん癖になります。
自責の癖がついてしまうと、ちょっと問題が起きるだけで、すぐに「私はダメな人間だ」と自分を責めるようになる。
そうなってしまうと、将来的にうつ病などの精神疾患は発症しやすくなります。
●劣等感
「ぼくは人より劣っている」
このように劣等感の強い人は、「自分が成長する」ことをあきらめてしまいがち。
その代わりにすることが、「他人の足を引っ張る」ことです。
劣等感が強いと、悪口・陰口・噂話・クレーマー・意地悪など、いわゆる「めんどくさい人」になってしまう可能性が非常に高くなります。
米国には「一人一人がユニークな存在」という考え方があります。
ユニークとは、「面白い」ではなく「オンリーワン」。
・山田太郎は、山田太郎という種類の生き物
・山田二郎は、山田二郎という種類の生き物
つまり、人と比べるのではなく、自分の個性(長所・短所)を社会に生かしていこう、という考え方です。
これからは、個性の時代。
子どもに、一般的な知識を鎧のように身につけさせるよりも、その子の個性をみつけて伸ばしてあげることの方が、遥かに大切になってくるはずです。
POINT他の子と比較しても、良いことは一つもない。その子の個性をみつけて伸ばしてあげることが、なにより大事
※すみません。長い文章になってしまいました。でも、もう少しで終わります
スキンシップは超大切な愛情表現!
言うまでもありませんが、スキンシップはもの凄く大切な愛情表現。
「手で触れるだけでもホルモンバランスが変わるなど、体内であらゆる良い変化が起こる」ことがわかっています。
乳幼児期は、「抱きグセがつく」くらい抱っこしてあげるのがベスト。
大きくなっても、一緒にお風呂に入ったり、隣で寝たり。
中高生くらいになると、スキンシップも難しくなりますが、でもやっぱりスキンシップは大事!
さりげなく肩や背中をさわったり、頭をポンポンとやるくらいはできると思います。
ちなみに、ぼくがおすすめのスキンシップ法は、こちら↓
「出かける前に、8秒間抱きしめる」
「1.2.3.4.5.6.7.8」と数えながら、子どもを抱きしめるというものです。
この方法は、ソニーの創業者であり、子育て研究で有名な井深大さんが考案したもの。
我が家でも、毎日やっています。
POINTスキンシップは超大事!出かける前に「8秒間抱きしめる」のもおすすめ
まとめ
長い文章をお読みいただき、ありがとうございます。
最後に、「子どもに愛情を注ぐ」のポイントだけを簡潔にまとめておきます。
「これは、やったほうがいいな」というものがありましたら、ぜひ今日から実践してみてくださいね。
●「そのままの君が大好き」という無条件の愛を、子どもにわかりやすく表現しよう!
●心配はNG。大切なのは、子どもを信用してあげること
●「やればできる」には個人差と限界がある。子どもの「心の負担」を敏感に察知しよう
●他の子と比較しても、良いことは一つもない。その子の個性をみつけて伸ばしてあげることが、なにより大事
●スキンシップは超大事!出かける前に「8秒間抱きしめる」のもおすすめ
その他に、「子どもの話をしっかり聞いてあげる」というのも、とても大切な愛情表現です
☆☆☆
以上、「子どもに愛情を注ぐ」の愛情とは何か?具体例・注意点でした。
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