子供のやる気を引き出す「効果的な褒め方」
「いつまでゲームやってんの!」
「早く勉強しなさい!」
「さっさと片付けなさい!」
多くの子どもが、面倒くさがり。
怒らないと、なかなか動かないものです。
「もう怒り疲れた…」というお母さんも少なくないと思います。
そこで今回は「子供のやる気を引き出す効果的な褒め方」をご紹介いたします。
怒ったところで、子どもは変わらない
子どもを怒って動かしたところで、それはその場限り。
むしろ、子どもは、そのことが嫌いになってしまいます。
大人ですら、上司に怒られて
「どんどん、ヤル気が湧いてきたー!」
なんてことはありません。
子どもも同じで、
怒られれば、ヤル気をなくしてしまう。
今、無理にやらせてヤル気を奪うよりも…
長い目で見たら、
ヤル気を引き出すほうが、ずっと得策です。
人間の動機は2つだけ
子どものヤル気を引き出し、自主的に行動させるにはどうしたら良いのでしょうか?
それは、みなさんもご承知のとおり…
褒める
「褒めるのがいいのか?」
「叱るのがいいのか?」
と議論されることもありますが…
褒める方が、心理学的にも、
断然すぐれた方法といえます。
人間が行動するには『動機』が必要です。
動機は大まかに分けると、次の二つ。
①苦痛を避けたい
②快感を得たい
すべての行動は、この2つの動機から始まります。
これは、あらゆる動物に当てはまる自然の摂理です。
●怒ってやらせた場合…
『苦痛を避けたい』という動機から、嫌々行動を起こします。
しかし、これでは、
『一度きり』
『その場限り』
になってしまう。
ライオンから逃げのびた人が、「もう一度、逃げてみたい」とは思わないのです。
さらに、思春期ぐらいの歳になると
押しつけには抵抗を示すようになり、
大人になると…
親と同じ解決策を、子供にも使うようになります。
●褒めた場合…
人間は『褒められることで快感を感じる』ことを知っています。
だから『また快感を得たい』という動機から、同じ行動をとる。
そして、また褒められる。
それを繰り返すことで、
快感は、徐々に潜在意識に刻み込まれる。
すると、「もっともっと」とまた同じ行動をしたくなります。
褒めて子どもを動かすには、怒って動かすよりも時間がかかります。
しかし、褒めることで、子どものヤル気をよび起こし、
いずれ自主的に行動してくれるようになります。
「よし!なんとなく理屈はわかった。じゃあ、今日から褒めて伸ばそう」
実は…
問題はここからです!
褒めるって難しい
いざ「褒めよう!」と思っっても、
「どうやって褒めたらいいか、わからない!」
「褒めてあげられる所が見つからない!」
と、訴えるご両親も多いようです。
そうですよね!
褒めるって、意外と難しい。
最も基本的な褒め方は…
「今、できていることを褒める」ことと言われています。
たとえば、
ゲームばっかりやっている子に、
手先が器用ね!
と、言ったりすることなんです。
ところが、
実際にやってみようと思うと…
「今、できていること」を見つけることすら難しい!
「今、できていることを褒める」のは、簡単そうで簡単ではないんです。
簡単で効果的な褒め方
というわけで、
本日は、もっと簡単な褒め方をご紹介いたします。
「今、できていることを褒める」より、もっと簡単な褒め方とは…
まだ、できていないことを褒める
たとえば、
「太郎は優しい子ね」
「花子はしっかりしてるわね」
とかって。
今は、できていなくてもいいのです。
そう思ってなくてもいいから、とりあえず褒める。
普段の何気ないひとときで、
どんどん褒める
それは、
『できる前から、勲章を与える』
『子どもに、良いレッテルを貼る』
ということ。
不思議とこの方法で、子どもが徐々に変わっていくんです。
ぼくラッキーの子どもの頃の話ですが、
隣に、鈴木さんというおばあちゃんが暮らしていました。
鈴木のばあちゃんは、
僕と会うたびに、
「えーちゃんは、ホントに優しいね~」と言ってくれたんです。
(※ラッキーの本名はえいじです)
何の根拠かわかりませんが、いつもそう言ってくれました。
(『まだ、できていないこと』を褒めてくれていたんですね)
その都度、僕は心の中で、
「全然、そんなことないけど!」と思ったのですが、顔は照れている。
照れているのは、嬉しい証拠で「快感」を感じているわけです。
そんなことが続くと、面白いもので…
鈴木のばあちゃんに会うたび、
『優しいえーちゃん』
を演じている自分がいるんです。
だから、また褒められる。
この好循環を繰り返すうちに、
「人に優しくするって、気持ちいいんだな~」ということに気づくことができました。
鈴木のばあちゃん、ありがとう!
同じように…
もし、あなたが、
『正直で優しい人物』
として扱われたならば…
なかなか、不正なことや、冷たい行動はできないはずです。
人間は、自分について良い評価が与えられると、
『その評価を裏切らない行動』をとってしまうものです。
(心理学では、ピグマリオン効果といいます)
人は、良い評価が与えられたとき…
「実際は、そんなことないけど」と うすうす感じながらも、
そのギャップを埋め合わせようと、努力してしまうもの。
つまり、
『まだ、できていないこと』を褒めていると、
いずれその子は、できるようになっていくのです。
だから『まだ、できていないこと』をドンドン褒めちゃってください。
よく頑張ってるね!
きっと出世するよ!
そう思っていなくてもいいから、どんなことでも褒めちゃってください。
もし、
そんなことないよ!
と子どもに言われても…
私は、そう思ってる!
と言ってあげてください。
他人の前でも褒める
どうでしょう?
『まだ、できていないことを褒める』
って、簡単ですよね!
えっ!
「腹にもないことを言うな!と親に言われて育ちましたから…、わたしには言えません」
なるほど!
しかし…
本当のことを言って、どうなるのでしょうか。
「あんたはダメな子ね!」
「こんなこともできないの!」
このように言われた子どもが、どう育っていくのか?
ピグマリオン効果で、言ったとおりの子どもに育ってしまいます。
それから、
「子どもに直接言うのは、恥ずかしいわ」という方も、多いでしょう。
いい方法があります
野球界の超大物、楽天イーグルス・野村克也元監督も使った方法です。
それは…
他人の前で褒める
野村監督は、田中将大投手のことを、
「マーくんは、神の子」
と、いつも記者の前で褒めていました。
マーくんだって、
絶対に人の子なんですが…
「神の子」って言っちゃってました!
結果、
マーくんはグングンと実力を伸ばし、
アメリカ大リーグへの挑戦1年目から、驚くほどの大活躍をみせてくれました。
まさに「神の子」のような活躍ぶり!
他人の前で褒めることで、さらに効果は上がります。
心理学では、これを「間接暗示」といいます。
子育ての場合、
他人の前で褒めるチャンスは、学校での三者面談や家庭訪問のときなどですね。
「こう見えて、実はしっかりしてるんです」
「うちでは、ホント優しい子で助かります!」
などと、
子どもの前で、先生に言っちゃってください!
思ってなくてもいいから、言っちゃってください!
それを聞いた子どもは、
「えっ!そう見ててくれてたんだっ」
となって、
その評価を裏切らないような行動を、とってしまうものです。
まとめ
今までの話をまとめると、
◆「まだ、できていないこと」を褒める。
◆他人の前でも褒める。
すると、
その子は、その評価を裏切らない行動をとってしまう。
いずれその子は、できるようになっていく。
この方法は、
子どものヤル気を引きだし、良い方向へ導くのにたいへん効果的です!
一人のファンとして、子どもを成長させていけば、
その子は、自信満々で社会に出ていけます。
この方法は、自分の子どもだけでなく、
- 部下
- アルバイト
- 後輩
- 教え子
などを伸ばしたいときにも使えます。
怒って動かすよりも、時間がかかってしまいますが、
長い目で見たら、実に簡単で優れた方法です。
以上、『【子供のやる気を引き出す方法】効果的な子供の褒め方』でした。