今回ご紹介するのは、不安な気持ちを消す技術『反論思考』。
反論思考の効果は、不安が和らぐだけでなく、上手くなると「不安になりにくくなる」。
つまり、前向きで楽観的な性格になれるのです。
「すぐに不安になる」という方には、きっと役立つ内容だと思いますよ。
不安な気持ちを消す技術『反論思考』
●子どもの帰りが遅いけど、事故にあってないかしら…
●胃が痛いけど、大きな病気じゃないかしら…
●リストラになったらどうしよう…
不安とは、「妄想の暴走」。
「考えても仕方がない」と分かっているのに、それを止められない状態です。
そして、「妄想の暴走」を食い止めることができるのが、今回ご紹介します『反論思考』。
心理学の世界的権威マーティン・セリグマンさんは、「反論」について こう言います。
反論の練習は、楽観主義を身につけるベストな方法だ
反論思考の効果は、一時的に不安を和らげるだけではありません。
反論思考をくり返すことで、自然と楽観的な考え方ができるようになる。
つまり、不安になりにくくなるということです。
では、反論思考とは、どんなものなのでしょうか?
反論思考のやり方
反論思考のやり方は、至って簡単。
自分の抱いている不安に「反論」する
自分で「自分の不安」に対して、反論する。
他人になったつもりで、反対意見を言うことです。
たとえば、息子が海外旅行に行ったときに…
「飛行機は大丈夫かしら?事件に巻き込まれないかしら?」と良からぬ妄想が膨らんできたら、すかさず反論する。
↓↓↓
「飛行機が落ちる確率なんて、宝くじに当たるよりずっと難しいんだから!」
「大丈夫!ツアーだから事件の心配なんてないよ。きっと今ごろ笑顔で楽しんでるよ」
このように、不安に対して理屈で反論する。
「自分の脳みそを説得する」と言ってもいいかもしれません。
ほかにも…
「風邪が長引いてるけど、悪い病気じゃないかしら」と良からぬ妄想が膨らんできたら、すかさず反論する。
↓↓↓
「ちゃんと定期健診も受けてるし、大丈夫だよ!」
「そんなに気になるなら、今すぐ病院に行きなよ」
これが、反論思考。
難しいことではないですよね。
大切なのは、反論を上達させること
先にもお伝えしましたが、反論思考で大切なのは…
「一時的に不安を和らげる」ことではなく、「不安になりにくくなる心を手に入れる」こと。
マーティン・セリグマンさんも、こう言っています。
反論する方法はどんな子どもでも覚えることができ、一度身に付ければ一生忘れない。
最初は少しぎこちなく感じるものだが、早いうちにこの方法を覚えておけば、悲しい目に会わずにすむわけだ。
つまり、反論が上手くなれば、妄想が暴走するまえに食い止められる。
自然と前向きな考え方ができるようになり、無駄な不安に襲われないということです。
どれくらいの練習が必要か?
これは、あくまで目安ですが…
反論思考が上達するまでの期間は、毎日練習すれば4週間。
タスマニア大学の研究ですが…
心配性の人ばかりを集めて、反論思考の練習を4週間つづけてもらったら、みんな前向きで楽観的な考え方をするようになったそうです。
でも、いちいち練習するのは面倒ですよね。
不安になるたびに反論を行えば、それで充分だと思います。
ピアノと同じで、ときどき練習すれば、かならず上手くなりますからね。
反論思考の「上手なお手本」・5選
最後に、反論思考の上手なお手本を、5つご紹介させていただきます。
お手本があったほうが、上達が早いですからね。
ちなみに、ご紹介するお手本は、5つとも「アスリートの言葉」。
ほとんどのアスリートは、メンタルトレーニングを受けていて、反論思考がとても上手いんです。
きっと参考になると思いますよ。
マイナーリーグに落ちたからって、それで死ぬわけじゃない
(元メジャーリーガー・川﨑 宗則)
「それで死ぬわけじゃない」というのは、応用範囲がとても広い。
「リストラされたからって、それで死ぬわけじゃない」
「ミスしたからって、命まで取られない」
この一言で、覚悟が決まるというか、やる気になるというか、すごくいいですよね。
ツラいのは、自分だけじゃない
(水泳・鈴木大地)
不安を抱えてるのは、自分だけではありません。
みんな顔には出さないだけで、ニコニコ笑っているおばあちゃんだって、何かしらの不安を抱えながら生きているものです。
そんな風に、「みんな同じなんだ」「みんなだってツラいんだ」と思えれば、自分の不安も少しは和らぐのではないでしょうか。
起こることはすべて必要があって起こっているんだ
(柔道・山下泰裕)
運命を信じる、ということですね。
「もし彼女に振られたとしても、それが自分にとって必要だから起こるんだ。その先には、もっと良い未来が待っているんだ」
そんなふうに思えたら、不安にビクビクすることも無くなりますね。
何があるかわからへんから人生は楽しい
(元ヤクルトスワローズ・古田敦也)
心理学では「波乱万丈な人生のほうが幸福度が高い」と言われています。
「どうなるか分からないから不安」ではなくて、「どうなるか分からないからワクワクする!」。
そう思えたら、不安も吹っ飛びますね。
何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせば、やがて大きな花が咲く
(マラソン・高橋尚子)
がんばってもがんばっても結果が出ないときは、猛烈な不安に襲われるものです。
「こんなことやってて大丈夫なのかなぁ」と。
そんなときに、「今は花を咲かせる時期ではなく、根っ子を成長させる時期なんだ」と自分を説得できれば、もっと頑張ろう!という気にもなりますよね。
反論思考のお手本を5つ見てきましたが、アスリートの反論思考はシンプルというか、すごく上手いですよね。
これも、普段の練習の賜物だと思います。
まとめ
●不安は、自然発生するもの
●楽観は、努力から発生するもの
あの松岡修造さんも、こんなことを言っています。
メンタルトレーニングなどを通して「ポジティブな考え方をする」ための訓練を続けてきました。
こうして出来上がったのが「ポジティブな松岡修造」であり、僕は後天的ポジティブ人間なわけです。
松岡修造さんですら、元々はかなりの悲観主義・心配性だったそうです。
楽観的というのは、「生まれつき」ではなく、「技術」なんですね。
ぜひ、みなさんも反論思考を上達させて、「不安になりにくい心」を作っていってくださいね。
きっと、今よりもっと明るい毎日になって、顔つきまで変わってくると思いますよ。
☆☆☆
以上、不安な気持ちを消す技術『反論思考』でした。
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