この記事でお伝えしたいこと
●親切をして得をするのは自分
1.親切をすると心が健康になる
2.親切をすると体が健康になる
3.親切をすると若返り効果がある
親切をして得をするのは自分
「人に親切にする」と聞くと…
「自分がちょっと損をした分、相手がちょっと得をする」というイメージがありませんか?
実は、そうではないんです。
親切にすると、相手がちょっと得をして、自分は猛烈に得をします。
どれくらい得をするのかというと…
びっくりするくらい得をします。
今回はそんなお話。
「親切の3つの効果」という内容です。
親切の3つの効果
電車で席をゆずったり、街角で募金箱に100円入れたり、おばあちゃんの肩たたきをしたり…。
親切なことをすると、心がほっこり温かい。
みなさんも、経験があると思います。
このとき、体のなかで一体何が起きているのでしょうか?
●胸があたたまるのは、愛のホルモン・オキシトシンが分泌された証拠
●気持ちがすがすがしいのは、幸せホルモン・セロトニンが分泌された証拠
●うれしさを感じるのは、快楽ホルモン・エンドルフィンが分泌された証拠
●イキイキ元気になるのは、やる気ホルモン・ドーパミンが分泌された証拠
一言でいえば、「自分を幸せにする物質」がたくさん分泌されているということです。
さらに、たくさんの親切をする人は、これらのホルモンの影響により、体内でさまざまな奇跡が起こります。
・風邪にかかりにくい
・よく眠れる
・偏頭痛が少ない
・鬱が改善する
・不安がへる
・人を好きになる
・ストレスが溜まらなくなる
・血管が丈夫になる
・筋肉が丈夫になる
・肌の調子が良くなる
・寿命がのびる
などなど。
親切による効果は、数え上げたらキリがないほど。
世界中を探しても、これほど効果のあるお薬やサプリメントはありません。
この記事では、親切の効果のなかで代表的なものを「3つの項目」にわけてお伝えしていきます。
①親切をすると心が健康になる
②親切をすると体が健康になる
③親切をすると若返り効果がある
読み終わるころには、きっと「親切をしたくてウズウズしてくる」と思いますよ。
①親切をすると心が健康になる
英国政府科学局が2008年に発表した「心の健康のための5つの方法」の一つに、このようなことが書かれています↓
●人に与えることをしよう●
・友人、知らない人のために何かいいことをしよう
・人に感謝しよう
・笑顔になろう
・ボランティア活動に時間を割こう
・地域のグループに参加しよう
これら5つをまとめれば、「人に親切に」ということ。
「親切をすれば、心が健康になりますよ」と国の機関が言っているわけです。
では、親切をしたとき、心のなかで一体何が起こっているのでしょうか?
親切はストレスを無害化する
ある大学でおこなわれた「親切とストレスの関係」の実験研究の結果は…
●親切の数が多かった人は、ストレスが多い日であってもポジティブでいられた
●親切の数が少なかった人は、その日のストレスにいつまでも振り回されていた
つまり、親切をすることで、ストレスが無害化するということ。
親切は「ストレスの毒消し」になるわけです。
「今日もなんだかんだあったけど、それでもいい一日だったなぁ」
そう思えるために必要なのは「親切」。
一日のストレスを「酒でまぎらわす」という人もいると思いますが、「親切の数」を増やしていけば、自然とお酒の量が減るかもしれませんね。
親切で社会不安が改善する
最近の研究では、「親切はストレスだけでなく、社会不安にも大きな効果がある」ということが分かってきました。
社会不安とは、「人前での緊張や不安」。
誰にでもある感情です。
社会不安が人一倍ひどいと、「社会不安障害」と診断されることもあります。
ある大学で、重度の社会不安障害の人を「3つのグループ」にわけて研究がおこなわれました。
①親切をするグループ
②認知行動療法をするグループ
③なにもしないグループ
その結果、親切にするグループは…
・研究開始直後から、幸福感が高まった
・次第に自信が高まり、人間関係も改善し、人前での不安が消えていった
・研究終了後も、その効果はつづいた
たくさん親切をすれば、対人恐怖が改善する。
これはもう「親切療法」と呼んでもいいでしょう。
「私、引っ込み思案で…」と悩んでいる方は、積極的に親切な行為をふやしていくといいかもしれませんね。
最初は勇気が必要だと思いますが、その勇気もだんだん不要になってくるはずです。
親切で、人間好きになる
親切をしたときに分泌される「愛のホルモン・オキシトシン」。
オキシトシンは、脳の「扁桃体」の活動をおさえる働きがあるそうです。
扁桃体とは、「これは安全かな?危険かな?」とジャッジする脳。
言い方を変えれば、「オドオド ビクビクしている脳」です。
つまり、オキシトシンが豊富に分泌されて、脳のオドオドビクビクが消えると、他人への疑いが消え「人間好き」になるということ。
さらに、オキシトシンには「相手の感情を理解しやすくする働き」もあるそうです。
これらを簡単にまとめると…
たくさん親切をすれば、「気さくな性格になり、コミュニケーションもうまくなる」ということ。
心理学でも、脳科学でも、医学でも、幸福度を上げるのに一番大切なのは「人とのコミュニケーションだ」と言われています。
たくさん親切にすることで、幸福のために必要な「コミュニケーション上手な脳」が自動的に手に入るわけです。
②親切をすると体が健康になる
オキシトシンは「心の健康」だけでなく、「体の健康」にもいいことが分かっています。
あのWHOも、オキシトシンは「ヘルスケアに必須」と言っているほどです。
オキシトシンは心臓や血管にいい
オキシトシンが動脈に入ると、あれこれといろんなことが起こります(※ややこしい話は省略)。
その結果…
・血管が柔らかくなる
・悪玉コレステロール値が下がる
・血圧が下がる
オキシトシンが、わたしたちの「心臓と血管」を守ってくれるわけです。
「じゃあ、どれくらい効果があるの?」という話ですが、これがまた凄い!
麻布大学の研究で、「ペットをかわいがるだけでオキシトシン濃度が上がる」ということは分かっていました。
そこで、心臓発作を起こしたことのある人を、「犬を飼っている人」と「犬を飼っていない人」に分けて比較したところ…
1年以内の死亡率は、「犬を飼っている人」のほうが6分の1だったそうです。
すごいですね!オキシトシンの効果。
わたしたち日本人の死因2位が「心臓病」で、4位が「血管の病気」。
人に親切にすることで、この2つの予防になるのですから、やらない手はありませんね。
オキシトシンは、抗酸化作用と抗炎症作用がある
体内での「酸化」は、老化や万病のもと。
体内での「炎症」は、痛みや大病のもと。
そして、この2つを抑えてくれるのが、われらの味方「オキシトシン」。
オキシトシンには、抗酸化作用と抗炎症作用の2つの効果があるからです。
何種類の病気に効果があるのか、数えあげればキリがないほど。
アルツハイマー病やリウマチ、パーキンソン病など、難病の予防にもなると言われています。
親切で免疫力が上がる
先述しましたとおり、親切は「ストレスの毒消し」になりますから、それだけでも免疫力は上がります。
また、親切や思いやりで「心が温まったとき」にも、免疫系が活性化することがわかっています(マザーテレサ効果)。
免疫力が上がれば、風邪からガンなどの大病まで「あらゆる病気の予防」になることは、皆さんご存じのとおりです。
③親切をすると若返り効果がある
最後の3つ目は、親切による若返り効果です。
老化の主な原因は、「体の酸化」。
先ほどご紹介しましたとおり、オキシトシンには抗酸化作用があるので、それだけでも「体内からアンチエイジングしている」ということになります。
オキシトシンの効果はそれだけではありません。
親切で美肌になる
・ストレスは、肌の老化スピードを早めます
・オキシトシンは、肌の老化スピードを遅くします
ということは……
何が言いたいのか、もうおわかりですね!
親切はストレスを減らし、オキシトシンを増やすから、「劇的にお肌にいい」というわけです。
オキシトシンが不足すると、筋肉がおとろえる
筋肉は、ほかの細胞と同じで再生をくり返します。
そして、筋肉の再生に必要不可欠なのが「オキシトシン」。
オキシトシンが不足すると、新しい筋肉をつくることができず、老化を早めてしまうのです。
ちなみに、心臓も「筋肉のかたまり」。
体の隅々まで十分な栄養を運ぶ「元気な心臓」を保つのにも、オキシトシンは必須です。
他にもまだまだある!
親切による若返り効果は、まだまだたくさんあります。
●寿命がのびる
●食欲をおさえる
●自律神経を整える
などなど。
書き出したらキリがないので、ここまでとさせていただきます。
親切の効果をもっと知りたいというかたは、ぜひこちらの本を手に取って読んでみてください。
この本を「何度も読んで、しっかり実践」すれば、どんな人でもまず間違いなく「今以上の幸福」が得られると思いますよ。
「親切」を実行するにあたっての注意点
最後に、「親切」を実行するにあたっての注意点を1つ。
残念なことですが、「一日1回の親切」では、親切の効果はあまり期待できないそうです。
1回の親切では、オキシトシンが増えるのも一瞬で、ストレスを減らすまでに至らないということでしょう。
では、どれくらいの親切が必要なのか?
研究によると、「一日5回の親切」がもっとも効果が高かったそうです。
「一日5回なんて、できないよ!」
そう感じた方もいらっしゃると思います。
でも、大丈夫!
親切といっても、本当に些細なことでいいんです。
・ドアを開けておいてあげる
・笑顔で人の話をきく
・ペットをかわいがる
・ご近所さんに笑顔であいさつする
・募金箱に1円入れる
・家族に「ありがとう」と感謝する
・家族にアイスを買って帰る
・同僚の仕事を手伝う
・飴をあげる
・エレベーターの行先ボタンを押してあげる
・飲食店で「ごちそうさま」と言う
・掃除のおばちゃんに「ありがとう」と言う
・友人を励ます
・電車で席をゆずる
・コンビニなどの狭い通路で「どうぞ」と道をゆずる
・車で道をゆずる
・みんなの靴をそろえる
・落ちているゴミをゴミ箱にいれる
・宅配便のお兄さんに缶コーヒーをわたす
・昔の友人にメールする
・田舎のおばあちゃんに電話する
・コンビニで賞味期限の古いほうから買う
・妻の家事を手伝う
・旦那の肩をもむ
その気になれば、5つくらい出来そうですよね。
いっそのこと「親切ゲーム」と称して、一日5回の親切を目標に「親切の数」を数えてみるといいかもしれませんね。
「今日は、目標達成まであと1回だ!」「今月は7回達成したぞ!来月は10回をめざすぞ!」みたいに。
「親切の数をかぞえる」で思いだしたのですが…
日本人女性を対象にした研究で、「親切の数をかぞえた人」全員が、以前よりも幸福度があがり、さらに自尊心も高まったそうです。
そういう意味でも、「親切ゲーム」はいいかもしれませんね。
長い文章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
ほかの人に幸せになってほしいなら、思いやりを実践しなさい
自分が幸せになりたいなら、思いやりを実践しなさい
(ダライ・ラマ)
☆☆☆
以上、「親切の3つ効果」というお話でした。
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