どんな人の周りにも、かならず「けなす人」や「批判する人」が現れます。
・「食べかたが汚いのよ」とけなす妻
・「あっち行って!」とけなす娘
・「こんな企画書、全然ダメ」とけなす上司
・「服のセンスが悪いなぁ」と批判する友達
「悪いことをした覚えはないのに、何でこんなに批判されるのだろう?」と思うときもあります。
でも実は…
「批判される」ことも、人にとって必要なことなのです。
今回は「人に批判される訳」と「批判する人を好きになる考え方」についてお伝えいたします。
「人に批判される」のには訳がある
芸能人や政治家は…
有名になればなるほど「批判されること」も増えていきます。
また、会社で出世した人も…
同僚から「あいつは上司にこびを売っている」などと批判されたりします。
勉強で成績が上がっても…
同級生から「あいつはガリ勉だ」とけなされたりします。
なぜ頑張れば頑張るほど、けなす人も増えていくのでしょうか?
本来なら、褒められることが増えるはずなのに…。
心理学博士の故小林正観さんはこう言います。
人間は、けなされてばかりだと枯れてしまいますが、褒められてばかりでも天狗になってしまう。
理想的なのは50%:50%のとき。
実は人間はどんな人でも、
自分への賞賛が50%
自分への批判が50%
になっている
出典
どんな人でも、
自分への賞賛が50%
自分への批判が50%
になっている。
つまり…
褒められる量=批判の量
「褒められる」ことが増えれば、それに比例して「批判を受ける」ことも増えてしまうのです。
たとえば…
仕事をバリバリがんばって、大会社の部長になった人。
その人は、部下から「さすが部長!」と言われることがあっても、批判されることはまずあり得ない。
取引先からも、チヤホヤされることでしょう。
しかし、そういう立場の人に限って、家に帰れば猛烈に批判される。
会社と同じように、偉そうな口をきけば…
息子から「父さんは何もわかってない!」と怒鳴られる。
妻からは、
「脱いだものぐらい自分で洗濯機に入れなさい!」
「トイレを汚さないで!」
「今朝、ゴミ出し忘れたわね!」
「また夜のお付き合いですか?ずいぶんご機嫌で…」
と叱られる。
このように「高くなりかけた鼻っ柱」は、必ずどこかで折られるようになっている。
まるで自然の摂理であるかように
「賞賛50:批判50」のバランスをうまく保っているようです。
なぜ、批判されることが必要なのか?
人から批判されることは、とても気分が悪い。
出来れば「ずーっと褒められっぱなし」がいいですよね。
しかし、褒められっぱなしだと人間がダメになってしまう。
そのいい例が、芸能界の「子役」。
子役といえども大物となれば、
機嫌を損ねないように、まるで「王子様」のような扱いを受けます。
「褒められる量」と「批判の量」のバランスが崩れてしまうのです。
バランスが崩れてしまうと、どうなってしまうのか?
たとえば、
映画「ホーム・アローン」で一世を風靡した子役マコーレー・カルキンくん。
ギネスにも認定されている世界一の有名子役でしたが…
お金の問題をめぐって、父親とは絶縁状態。
さまざまなことで警察沙汰になったこともあり、精神的に不安定になってしまいます。
そして自殺未遂したとの報道もありました。
また、日本の天才子役といえば宮脇健さん。
テレビドラマ「ケンちゃんシリーズ」で一世風靡しました。
その後の金遣いは荒く、高校時代に女遊びで3000万円を浪費したそうです。
しかし、子役時代のわがままぶりのせいか、どこへ行っても芸能界の仕事はなく2億円の借金を背負うことになり、最後は地上げ屋ケンちゃんに…。
しかし今では、夫婦の懸命の努力で借金を完済したそうです。
人は、褒められっぱなしだと考え方が歪んでしまう。
ときには誰かから、批判されることも必要なのでしょう。
あなたをけなす人は…
「賞賛50:批判50」の批判役を担当してくれている人。
「自分が嫌われてでも、あなたの役に立ってくれている人」とも言えるのです。
まとめ
農業に適した地域ほど、大水害が起こりやすいものです。
しかし、大水害がすべて「悪」かといえば、そうではありません。
肥沃な土を運んできてくれる大自然のシステム。
それと同じように…
「けなす人」や「批判する人」も、わたしたち人間にとって必要な存在なのかもしれません。
「わざわざ批判役を引き受けてくれて、ありがとう!」
そう思うことは難しいかもしれませんが、ほんの少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。
人は自分に賛同してくれる人といると快適だが、自分に賛同しない人といると成長する
(フランク・A・クラーク)
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以上、「批判する人」を好きになる考え方でした。