突然ですが…
遊園地にいくと、「ここから待ち時間200分」と書いた立て札をみかけますよね。
あの立て札の役割は大きくて…
もしも、待ち時間が分からなかったら、猛烈な苦痛とストレスで、長時間並びつづけることはできないんです。
マラソンでも、「42.195キロ」というゴールがわかっているから走り切れるけど、
もしも、ゴールを知らされていなかったら、10キロもいかないうちに疲れきって走れなくなるそうです。
このように、「知らないというだけで、しんどくなること」はたくさんあるわけですが、
心理学の世界でも、「知らないだけで人生がしんどくなりますよ」という事がたくさんあるんです。
ストレスや悩みの多いしんどい人生か、それとも順調でストレスの少ない楽な人生か。
どちらの方がいいか?と問われたら、絶対に楽なほうがいいですよね。
だったら、絶対に知っておいた方がいい!
というわけで今回は…
「知らないと人生がしんどくなること」を厳選して3つご紹介させていただきます。
知るだけでOK。努力はゼロですので、ぜひ最後までご覧ください。
知らないと、人生がしんどくなること①
知らないと人生がしんどくなることの、まず1つ目は、こちら↓
ストレスの長所
これは、絶対に知っておいた方がいい!
というのは、ストレスにはとても不思議な性質があって、
・「ストレスは体に悪い」と思っている人は、ストレスが毒になる
・「ストレスは大切だ」と思っている人は、ストレスが薬になる
もうすこし具体的にいうと、
「ストレスは体に悪い」と思っている人は…
・心臓病、うつ病になりやすい
・体力、集中力、自制心が低下しやすい
・充実感、幸福感が低下する
・孤独になりやすい
反対に、「ストレスは大切だ」と思っている人は…
・心臓や脳の老化がゆるやかになる
・うつ病、不安症、不眠症、腰痛になりにくい
・体力が高まり、太りにくい
・脳力、集中力がアップする
・寿命がのびる
など。
考え方一つで、これほど大きな違いが出てくるんです。
「うそでしょ!」と言いたくなるくらい衝撃的な話ですが、これが最新の心理学で分かってきた事実。
ストレスで寿命がのびる⁈
1つ分かりやすい研究をご紹介すると…
30000人を対象に8年間にわたって行われた大規模研究。
「ストレスは体に悪い」と思っている人が、強いストレスを受けると、死亡リスクが平均43%も高まりました。
ところが、「ストレスは大切だ」と思っている人が、強いストレスを受けると、逆に死亡リスクが下がったのです。
どれくらい下がったのかというと…
「ほとんどストレスを感じていない人」より、死亡リスクが低かった。
まさに、「ストレスが薬になった」ということですね。
知るだけでダイエットになる⁈
もっと驚きの研究もあって、ホテルの清掃員。
ホテルの清掃は、短時間で掃除をしたり、ベッドメーキングをしたり、身体的ストレスが激しい仕事。
そこで、ホテルの清掃員を2つのグループに分けて…
●Aグループには、「あなたたちの仕事は身体的ストレスがきついけど、アメリカ公衆衛生局が定める運動基準をみたしていますよ」と、ストレスのプラス面を伝えました。
●Bグループには、なにも伝えませんでした。
それから4週間後。
ストレスのプラス面を知ったAグループの人たちは…
・体重と体脂肪が減少
・ウエストが引き締まった
・血圧が低下
・自分の仕事を前よりも好きになった
Bグループの方はというと、当然ですが、何の変化も起こりませんでした。
すごいですよね!
やっている仕事は同じでも、ストレスのプラス面を知るだけで、これだけの違いが出るんです。
だいたいお分かりいただけたと思いますが…
ストレスというものは、それ自体が体に悪いわけではなくて、「ストレスは体に悪い」という考え方が体に悪い。
反対に、「ストレスは大切だ」と思えば、ストレスは体にいい。
ちなみにアメリカでは、「ストレスは体に悪い」という考え方のせいで、年間約2万人が命を落としていると推測されています。
怖いですよね。
そんなわけで、一日でも早く「ストレスは大切だ」という考え方に切り替えたほうがいい。
「ストレスは大切だ」と思えるようになるには?
どうすれば、「ストレスは大切だ」と思えるようになるのか?
それが、ストレスの長所を知ること。
これだけでいいんです。
でも、「ストレスに長所なんてあるの?」と思われた方もみえると思いますが、これがあるんです。いっぱいあるんです。
というのは、ストレスは、もともと「自分を守るため」のものですからね。
痛みは「健康の源」
たとえば、痛みは健康の源。
痛みがあるから病院にいけるし、お腹が痛いからタイミングよくお手洗いにいける。
痛みをまったく感じない「先天性無痛症」という病気があるのですが、先天性無痛症の半数は4歳までに亡くなってしまうそうです。
痛みって、大切なんですね。
不安は「やる気の源」
つぎに、不安はやる気の源。
将来の不安がゼロなら、仕事も勉強もやる気が出ません。
ぼくの友達で、何を買うにもローンをくむ人がいます。
「なんでローンを組むの?」と聞いてみたら、「不安がないと、仕事をする気にならないから」だそうです。
「新しいローンの使い方だな」と感心しちゃったのですが、人間というのは多少の不安があったほうが生活にハリがでるのですね。
緊張は「集中力の源」
次は、緊張は集中力の源。
緊張というのは、精神を一点集中している状態。
「カフェだと仕事がはかどる」という方もみえると思いますが…
なぜ、はかどるのか?といえば、カフェで仕事をすると緊張するから集中できる。
「リモートワークになってから、仕事がはかどらない」というかたも多いと思いますが…
その理由も、家だと緊張感がないから、集中力が上がらない。
悲しみは「優しさの源」
あと、悲しみは優しさの源。
失恋・家族やペットの死など、悲しみを感じることで、人は人間的に成長します。
他人の気持ちがわかるようになり、優しくなれます。
ストレスがないと不幸になる
最後に、ストレスがないと不幸になる。
「お金持ちになったら、南の島でのんびり暮らしたい」という話をときどき聞きますが…
実際にそれを実現した人は、何年かすると日本に帰ってくる人が多いそうです。
なぜか?といえば、幸せじゃないから。
ストレスのない生活は、「小学生の夏休みの後半」みたいなもので…
気持ちにハリがなくなって、なんにもやる気がしないし、遊んでいてもなぜか楽しくない。
人間、多少のストレスを抱えていた方が、イキイキと生きられるのですね。
ストレスの長所をいくつか見てきましたが、他にも…
・失敗するから、成長できる
・悔しいから、がんばれる
・風邪を引くから、健康のありがたみがわかる
など、「ストレスの長所」をシッカリと頭に入れておく。
「ストレスは大切なんだ。ストレスのおかげで頑張れるんだ。イキイキと生きていけるんだ」と。
たったそれだけで、先ほどご紹介しましたうれしい効果がでてきますからね。
- 心臓や脳の老化がゆるやかになる
- うつ病、不安症、不眠症、腰痛になりにくい
- 体力が高まり、太りにくい
- 脳力、集中力がアップする
- 寿命がのびる
ぜひとも、ストレスの長所を忘れずに、これからの人生を歩んでいってくださいね。
知らないと、人生がしんどくなること②
つづいて、知らないと人生がしんどくなることの2つ目は、こちら↓
人間は不完璧な生き物
これも頭に入れておかないと、人生がもの凄くしんどくなります。
どういうことか?というと…
どんなに立派そうに見える人でも、人間は完璧ではないんです。
人間だれだって、欠点があるし弱さもある。
ストレスでイライラしてしまうときもある。
素直になれないときもある。
ミスを繰り返してしまうときもある。
掃除・早起き・ダイエット…、「やればできる」とわかっていても、それがなかなかできない。
ときには、いけない事をしてしまうときもある。
これが人間。誰でも同じ。
弁護士さんだけは違うとか、イチローだけは違うとか、そういうことはなくて、人間は誰もが不完璧な生き物。
人間のご先祖様と、チンパンジーのご先祖様は、まったく同じ。
つまり、わたしたちはチンパンジーと血がつながっている。
遺伝子も、チンパンジーとほとんど同じ。
そんな人間が、少しずつ知恵をつけ、100年くらい前から急に学校に行くようになり、スーツを着るようになった。
あたかも立派であるかのような顔をして、街を歩くようになった。
でも、やっぱり中身はチンパンジーと、ほとんど同じ。
どんなに見た目が立派になっても、人間誰もが不完璧なんです。
で、ここからが大切なポイントなのですが…
立派そうにしている両親、立派そうにしている先生、それから、立派そうにしている上司や同僚など。
まわりに「立派そうにしている人」が多ければ多いほど…
「人間は完璧でなければならない」「ミスを犯してはならない」といった間違った信念をもつようになる。
これが心理学でいう「完璧主義」。
完璧主義の特徴は…
・他人の評価が気になる
・自分に自信がもてない
・素の自分を出せない
・怖くてチャレンジできない
・他人の欠点が許せない
など。
その結果、自分らしく生きられないし、人間関係もうまくいかない。
不完全燃焼の人生になってしまい、うつ病にもなりやすい。
心当たりのある方もみえるかもしれませんが…
完璧主義で得することは1つもなく、完璧主義の度合いが強ければ強いほど、人生はしんどくなってしまうのです。
完璧主義から抜け出すには?
では、この完璧主義から抜け出すには、どうしたらいいのか?
これはもう、みなさんお分かりですよね。
そうです!
「人間は不完璧な生き物」という事実を、しっかりと頭に入れる。
それだけ。
立派そうに見える両親も、完璧そうにみえるどこかの社長さんも、本当は欠点だらけ。
直接、本人に聞いてみればわかります。
部長に「そんなことも出来ないのか」と怒られることもあるかもしれませんが…
「自分にできて部長にできないこと」もたくさんあります。
有名人が不祥事を起こすと、寄ってたかって騒ぎ立てる人たちもいますが…
本来、他人のことをとやかく言える人なんで、一人もいない。
もしも、そんなに立派な人がいるのなら、その人の生き方を一度見てみたい。
で、こんなことを偉そうに語っている僕自身も、一皮むけば、せいぜい30点くらい。
自分で自分のことが情けなくなるときも、しょっちゅうあります。
このように、自分だけでなく、他のすべての人間が不完璧なんだという事実を、頭の中に叩き込む。
これが、完璧主義におちいらない一番の方法。
「人間は不完璧な生き物」という事実を、受け入れられるようになると…
・自分を許せるようになり、自信が湧いてきます
・他人のことも許せるようになり、人間を好きになります
・不完璧なまま、胸を張って生きていけます
お分かりいただけたと思いますが…
「人間は完璧でなければならない」と思っている人と、「人間は不完璧な生き物なんだ」と思っている人とでは、人生が大違いですからね。
とくに完璧主義の傾向がある方は、「人間は不完璧な生き物」という事実を頭に叩き込んで、本来の自分、イキイキとした人生を取り戻してくださいね。
知らないと、人生がしんどくなること③
知らないと人生がしんどくなることの3つ目は、こちら↓
誰の人生にも辛いことがある
「誰の人生にも辛いことがある」と思っている人は…
・幸せを感じやすい
・周りの人から助けてもらいやすい
・レジリエンスが高い(立ち直りが早い)
・人生満足度が高い
ということが、心理学の研究でわかっています。
なぜ、「誰の人生にも辛いことがある」と思っているだけで、こんなに良いことが起こるのか?
お釈迦様のわかりやすい逸話があるので、ご紹介させてください。
キサーという若いお母さん。
ある日突然、幼い息子を急病で亡くしてしまいます。
パニックになったキサーは、お釈迦様のもとへかけつけ、こう言います。
「息子を生き返らせてください!」
「わかりました。では、ケシの実をもってきなさい」
「ただし、ケシの実は、今までに一度も死者の出ていない家からもらってくること」
キサーは慌てて村にもどり、民家を渡り歩きます。
「ケシの実はあるけど、去年おじいちゃんが亡くなったんだよ。残念だったね」
「3年前におばあちゃんを、10年前に娘を亡くしました」
どこの家にもケシの実はあるのですが、一度も死者の出ていない家がみつからない。
そのとき、キサーは悟ります。
「自分だけが苦しんでいると思っていたけど、そうじゃないんだ。誰の人生にも辛いことがあるんだ」
「今までに何度もお葬式に主席したけど、亡くなった人の家族は、こんなにもツラい思いをしていたんだ。知らなかった…」
その瞬間、キサーのパニックは治まり、落ち着きを取り戻します。
そして、そのままお釈迦様の弟子になったとさ。
(終わり)
人間、他人の悩みは小さく感じるけど、自分の悩みは大きく感じますからね。
どうしても「自分だけが苦しんでいる」と思いがち。
そして、この「自分だけが苦しんでいる」という思いによって、ますます苦しみが増幅してしまうのです。
でも、本当は誰でも同じくらい「苦しい経験」をしているもの。
今朝、笑顔であいさつを交わしたおばさんも、電車で笑っていたあの人たちも…
挫折・失恋・失敗・大切な人の死など、自分と同じくらい苦しい経験をしている。
また、人は誰でも、何かしらの悩みを1つか2つは抱えながら生きているもの。
もしかしたら部長は、子どもが反抗期で悩んでいるかもしれません。
掃除のおばちゃんは、ヒザが痛んで立っているのがやっとなのかもしれません。
このように、「誰の人生にも辛いことがあるんだ」と心の底から理解したとき、先ほどのキサーのように、自分の悩みや苦しみが小さくなります。
さらに、他人の痛みがわかると、人に優しくできます。
人に優しくすれば、自分にも優しさが返ってきます。
そんな、なんだかんだの理由で、最初にお伝えしました嬉しいことがたくさん起きてくる、ということですね。
明日一日だけでもいいですので、ぜひ試しにやってみてください。
「あの人も、自分と同じように苦しい経験をしてきてるんだ」
「頑固な部長も、わたしと同じように苦しい経験をしてるんだ」
「あのおじいちゃんは、もしかしたら私より大きな悩みを抱えているのかもしれない」
こうやって人のことを想うと、なんとも言えない「穏やかで優しい気持ち」になれるはずです。
また、自分が今抱えている悩みが小さくなるのを実感できるはずです。
「誰の人生にも辛いことがある」
これは当たり前のことですが、心の底から実感するのは、なかなか難しいもの。
ですので、ときどき、こうやって練習してみるのがおすすめですよ。
まとめ
今回ご紹介しました、知らないと人生がしんどくなることは、この3つ↓
①ストレスは大切だ
「ストレスは大切だ」と考えれば、ストレスは毒ではなく薬になります。
心も体も、より健康になります。
②人間は不完璧な生き物
「人間は不完璧な生き物」という事実を心に刻めば、自信が湧いてきて、不完璧なまま胸を張って生きていけます。
他人にも寛容になり、人間を好きになります。
③誰の人生にも辛いことがある
「誰の人生にも辛いことがある」と思っていれば、自分の悩みが小さくなり、立ち直りも早くなります。
心優しい人になれます。
この3つを頭に入れておくだけで、人生がイージーモードになります。
忘れてしまったら、ハードモードの人生になります。
いっそのこと、この3つを紙に書いて、壁に貼っておくのも良いかもしれませんね。
以上、知らないと…人生がしんどくなること3選でした。
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