悩みのほとんどは、人間関係。
人間関係さえ何とかしてしまえば、人生のイラツキはほとんど解消できます。
ということで、人間関係の知恵を3つお伝えしていこうと思うのですが…
今回は、心理学の話ではなく、寓話(昔話)をご紹介させていただきます。
なぜ寓話か?というと、人間関係の話は、心理学よりも寓話のほうが圧倒的に分かりやすい。
しかも、心理学以上に知恵が深い。
さらに、一度聞いたら忘れない。
人間関係を学ぶなら、寓話が一番です。
ひとつ例をあげると…
「悪者ぞろいの家」というお話。
ある村に、2軒の家がありました。

東の家族は仲良しで、争いごと一つありません。

一方、西の家族は毎日喧嘩が絶えず、面白くない日々お送っていました。

あるとき、西の主人が、東の家を尋ねて聞きました。
「わしの家は、毎日喧嘩が絶えず、修羅場のような有様だ。どうしたら、おまえさんの家のように、仲良く暮らせるのじゃ?」

「それは簡単なことですよ。わたしの家は、みんな悪者だから仲よく暮らせる。あなたの家は、みんな善人だから喧嘩になる。それだけのことですよ」

「はて?どいうこと?」

「なぞなぞ」のような話ですが…
・みんなが悪者だから、仲よく暮らせる
・みんなが善人だから、喧嘩になる
「それって逆じゃないの?」と思ってしまいますが、タネ明かしをすると簡単なことです。
たとえば、主人がバケツにけっつまずいて倒してしまったときに…
「ごめん。バケツ倒しちゃった」

「あら、そんな所に置いた私が悪いのよ」

「いやいや、おれがボーッとしてたから、いけないんだよ」

このように、お互いが競い合うように「悪者」になろうとする。
「おれが悪い」「わたしが悪い」と。
だから、喧嘩になりようがない。
これが、東の家族。
一方、西の家族は…
「なんで、こんな所にバケツがあるんだ」

「あらっ!ベタベタじゃない。いい加減にしてよ!」

「置きっぱなしにしてるお前が悪いんだろ!」

「あなたこそ、ボーッとしてたんでしょ!」

このように、お互いが「自分は悪くない。おまえが悪い」と言い合ってしまう。
自分が「善人」になろうとする。
だから、喧嘩が絶えない。
そういう話なんです。深いですよね。
家族みんなが、この話を覚えておくだけで、イザコザのほとんどは消えてなくなります。
すっごく簡単だし、すっごく為になりますよね。
だから、人間関係を学ぶには、寓話が一番!
というわけで今回は、寓話をつかって「人間関係の知恵」を3つお伝えさせていただきます。
寓話には、真に役立つ知恵がギュギュっと凝縮されています。
その知恵を学び、自分の力に変えていくことで、人間関係がグッと楽になると思いますよ。
人間関係の寓話①「極楽と地獄の長い箸」
1つ目の寓話は…
「極楽と地獄の長い箸」というお話。

ある男が、極楽と地獄の見学に出かけました。

地獄に到着すると、ちょうど食事の時間。

コッソリのぞいてみると、ビックリするような豪華料理が並んでいる。
しかし、人々はみんなイライラしている。

「おかしいぞ」と思って、よく見ると、彼らは1メートル以上ある箸を使っている。
ご馳走をうまく食べられず、イライラしていたのだ。

ストレスがたまり、争いをはじめる者までいました。
「なるほど、これが地獄か。幸せそうな人が、一人もいない」

次は、極楽に向かいました。

極楽も食事の時間だったのですが、なんと地獄と同じ豪華料理。
箸も同じ。1メートル以上ある。
「極楽と地獄、いったい何が違うのだろう?」

理由は簡単だった。
極楽の人は、長い箸で「どうぞ」と、向かいの人に食べさせている。

すると相手は、「ありがとう!次はあなたもどうぞ」とお返しをしている。

会話がはずむ、楽しい食事風景であった。
「なるほど、極楽と地獄の違いは、親切心の違いだったんだ」

お分かりいただけたと思いますが…
人に親切にすることで、相手からも親切が返ってくる。

だんだん、いい人間関係ができてくる。
それを繰りかえすことで、良い人たちに囲まれて暮らすことができる。

たとえ困難があろうとも、みんなで乗り越えられる。
この世にいながら、極楽のような環境で暮らしていける、ということですね。
「いやいや、こんなのおとぎ話だよ。現実そんなに甘くないよ」

そう思われた方もみえるかもしれませんが、実はこの話、心理学でも実証されています。
一番わかりやすいのが、コカ・コーラ社で行われた研究。
まず社員を3つのグループに分けます。

研究者はAグループの人たちに、こっそりお願いをしました。
「Bグループの人たちに、親切にしてください」

Aグループの人たちは、毎日親切を実践しました。

その結果、どうなったか?
なんと、Bグループの人も、周りの人たちに親切をしはじめたんです。

さらに、親切にされた人が、他の人たちにも親切にする。

社内に親切の輪がどんどん広がっていき、先ほどの極楽のような職場になりました。
その結果として、社員たちは働きがいを感じるようになり、仕事の熱意も幸福感も劇的に高まりました。

すごいですよね!親切のパワー。
良い人たちに囲まれたかったら、親切が一番なんですね。
親切とはいっても、たいそうなことをする必要はありません。
・笑顔で自分から挨拶する
・缶コーヒーをおごる
・「手伝うことある?」と聞く
・「おかげで助かったよ」と感謝する
小さな親切を増やしていくことで、自分を取りまく環境が「極楽」へと変わっていくと思いますよ。
人間関係の寓話②「シカの皮と足」
人間関係の寓話の2つ目は…
「シカの皮と足」というお話。

ある日、お釈迦さまが弟子たちを集めて、質問しました。
「道には、ゴツゴツした石が突き出ていたり、木の枝が落ちていていたり、足をケガする人が絶えないよね。どうしたらいいと思う?」

弟子の一人が答えました。
「すべての道を、鹿の皮でおおうのはどうでしょうか」

「それ、めっちゃええやん!鹿の皮ならフワフワだし、ケガ人もいなくなるよね」

「でも、すべての道を鹿の皮でおおうっのって、大変じゃない?」

「わたしなら、自分の足を鹿の皮でおおうだろうな」

「なるほど!自分が靴をはけば良いのですね」

これは、道の話ではなく、人間関係の話。
「他人を変えることができれば、それが理想だけど、難しいよね。それよりも、自分が変わるほうが楽だよね」とお釈迦さまは言いたかったのです。
たとえば、「子どもが野菜を食べない」というときでも…
きつく叱れば、食べさせることもできるかもしれませんが、子どもはますます野菜嫌いになる。お母さんのことも嫌いになる。

それよりも、クックパッドとかで料理を調べて、子どもが美味しく食べれるようにするほうが簡単ですよね。

「なぜか、自分にだけ冷たい課長がいる」というときでも…

課長に会社を辞めてもらうわけにもいかない。
頭をこじ開けて、配線替えするわけにもいかない。

やっぱり、自分が変わるしかない。
たとえば、課長とうまくやっている田中君に秘訣を聞いてみるとか、

『上司とうまくやる本』みたいなのを買ってきて、いろいろ試してみるとか。

自分が変わる努力をすれば、解決の糸口が見えてくるはずです。
人間生きていれば、かならず「困った人」に遭遇します。
・意地悪な人
・ズルい人
・ワガママな人
離れられるのなら離れたほうがいいのですが、仕事となると、そうはいかない。

そんなときは、相手を変えようとするのではなく、自分を変える。
「なんで、そんな人のために、自分が変わらないといけないの!」と言いたくもなりますが…

お釈迦さまが言うように、自分を変えることが一番楽なんですね。

人間関係の寓話③「オアシスの老人」
人間関係の寓話の3つ目は…
「オアシスの老人」というお話。

砂漠のオアシスに、一人の老人が座っていました。

そこを通りがかった旅人が、老人に尋ねます。
「となり町に行くのですが、どんな町ですか?」

「君が今までいた町は、どんな町だった?」
「性格の悪い人が多い、ひどい町でした」

「それならとなり町も、性格の悪い人が多い街だよ」

しばらくすると、また別の旅人がやってきました。
「となり町に行くのですが、どんな町ですか?」

「君が今までいた町は、どんな町だった?」
「親切な人が多い、すてきな町でした」

「それならとなり町も、親切な人が多い、すてきな町だよ」

これは、他人の短所ばかり見る人は、どこへ行っても、イヤな人ばかりになる。
逆に、他人の長所をみる人は、どこへ行っても、いい人ばかりになるというお話です。
満月をカメラで撮ると、「あれ?」と思うほど小さく写りますよね。

なぜ、そうなるのか?というと…
人の脳は、注目しているものを巨大化する性質があるからです。

これを「フォーカシング・イリュージョン」というのですが、そのせいで、肉眼で見る満月は実際よりも大きく感じる。
それと同じで、他人の短所に注目する人は、短所だけが大きく見える。
長所が隠れてしまう。

だから、「自分の周りは、イヤな人ばかりだ」となってしまうんですね。

同じ会社に勤めていても…
「この職場は耐えられない」と思う人もいれば、
「この職場、けっこう好きだよ」という人もいます。

他人の短所をみるか、他人の長所をみるかで、大きな違いになるんですね。
人の脳は、困ったことに、他人の短所を見つけることは得意だけど、長所を見つけるのは大の苦手。

なので、他人の長所は、意識して探す必要があります。
「部長は怒ると怖いけど、いざとなると頼りになるよな」

「吉田さんはおっちょこちょいでミスが多いけど、毎朝笑顔であいさつしてくれるのは、うれしいよな。癒されるよな」

「うちの妻は、けちん坊だけど、上手にやりくりしてくれてるんだよな」

このように、長所を探すクセをつければ、フォーカシング・イリュージョンで、相手の長所が大きく見えます。
「あの人も、いいとこあるじゃん!」と思えるようになります。

それを続けることで、先ほどの旅人のように、良い人たちに囲まれて暮らすことができると思いますよ。

まとめ
いつも言いますが…
・幸福度を高める最も重要な要素は、良好な人間関係
・もっとも健康にいいものも、良好な人間関係
・運勢を高める最も重要な要素も、良好な人間関係
・悩みを減らすのに最も重要な要素も、良好な人間関係
・自信を高めるのに最も重要な要素も、良好な人間関係
人生でもっとも大切なものは、人間関係です。
そして、人間関係を学ぶベストな方法は、寓話。
というわけで、今回ご紹介しましたお話が、この4つ。
・悪者ぞろいの家……「おれが悪い」「わたしが悪い」で、家族のいざこざはなくなる
・極楽と地獄の長い箸……親切の輪を広げれば、そこは極楽になる
・シカの皮と足……人間関係に困ったら、相手ではなく自分を変える
・オアシスの老人……他人の長所を探せば、いい人達に囲まれる
生きていると、人間関係に悩むときが何度もやってきます。
そんなときに役立つのが、先人たちの知恵。
ご紹介しました4つを使いこなせるようになれば、今よりもっと楽しい毎日、もっと豊かな人生になると思いますよ。
以上、簡単!人間関係うまくいく!3つの知恵でした。
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