「他人の目が気になって、つい、いい人ぶってしまう」
「どう思われるかが気になって、意見も本音もいえない」
「外出したら、気が休まる暇がない」
そして…
玄関を入ると、チカラが抜けて「ふーーっ」と長いため息をつく。
そんな方も少なくないと思います。
「他人の目が気になって、自分らしく生きられない」
なぜ、そうなってしまうのか?
心の中で、いったい何が起きているのか?
そして…
どうしたら、他人の目を気にせず、自信をもって自分らしく生きられるのか?
今回は、そんなお話です。
他人軸と自分軸
「他人の評価」が気になって…
・思っていることを言えない
・いい人ぶってしまう
・相手に合わせてしまう
このような生き方を「他人軸」といいます。
・見られているから、がんばる
・誰も見ていないから、サボる
というのも、他人軸の生き方。
・褒められると、嬉しい、がんばれる
・批判されると、落ち込む、やる気を失う
というのも、間違いなく他人軸。
福祉に興味があるわけでもないのに…
「将来は介護の道に進みたいです」
と立派なこと言ってしまい、やりたくもない仕事に就いてしまうのも、他人軸の生き方です。
こうやって並べてみると…
日本人のほとんどが、強弱の差こそあれ、「他人軸」の生き方をしています。
「なんとなく生きづらい」と感じるのも、他人軸で生きているから。
ところが、ごく一部、
「自分軸」で生きている人もいます。
自分軸の人は、イキイキしていて、人生がとても順調です。
自分軸の生き方とは
自分軸の生き方とは…
自分勝手・わがまま・傲慢・ナルシストなどではありません。
あのイチロー選手は、
「タイムリーヒットを打ったのに、不満げな顔」のときもあれば、
「三振しても、嬉しそうな顔」のときもあります。
これが、まさに自分軸の生き方。
観客がどれだけ騒ごうが、お構いなし。
「いい・悪い」のジャッジを下すのは、つねに自分なのです。
自分軸で生きている人は…
他人の目や、人の評価をほとんど気にしません。
褒められようが、批判されようが、そこに左右されない。
OKを出すのは、つねに「自分」。
根も葉もない悪口をいわれても、
「言いたいヤツには言わせておけ」というスタンス。
他人の評価に、凹むことも、怒ることも、やる気を失うことも、ほとんどありません。
松井秀喜さんの名言に、こんなものがあります。
「ズルはできない、俺が見てるから」
これも、まさに自分軸の考え方。
松本人志さんの場合は、こうです。
「100点は無理かもしれん。でもMAXなら出せるやろ」
自分軸の人の判断基準は…
結果や他人の評価ではなく、
自分が納得できるか、どうか。
なので、やる気はいつも満々です。
・イチローをはじめ、成功者のほとんどが自分軸の生き方
・さんまさんをはじめ、「簡単に凹まない人」も自分軸の生き方
・タモリさんや長嶋茂雄さんをはじめ、「個性が魅力的な人」も自分軸の生き方です
他人軸より、自分軸のほうが、遥かにお得。
天と地ほどの開きがあります。
それなのに…
なぜ、多くの人が自分軸で生きられないのでしょうか?
「あのイキイキしている人たち」と「私」は、なにが違うのでしょうか?
いったい、自分軸の「軸」とは何なのでしょうか?
自分軸の「軸」の正体は?
自分軸の「軸」は、主に2種類。
その1つ目は、「自己肯定感」です。
自己肯定感とは
自己肯定感とは…
人に批判されようが、テストで0点だろうが、「自分は価値ある存在だ」という感覚。
自己肯定感が高い人ほど、軸がしっかりしていてブレません。
「OKを出すのは、他人ではなく、自分」という、自分軸で生きられます。
一方、自己肯定感が極端に低い人は…
「自分はダメだ。どうでもいい存在だ」と思ってしまったりします。
では、
自己肯定感を高めるにはどうしたらいいのか?というと、
残念なことですが…
自己肯定感を高めるチャンスは、「乳幼児期」のみ。
乳幼児期に、親や祖父母から「充分すぎるほどの愛情を注がれる」ことで、育まれます。
しかも、自己肯定感は「一生モノ」。
「三つ子の魂、百まで」です。
批判されても減らないし、褒められても増えません。
自分で増やすことも、減らすこともできません。
自分の努力では、どうすることもできない。
それが自己肯定感です。
では、
自己肯定感が低い「他人軸」の人は、どうしたらいいのでしょうか?
あきらめなければならないのでしょうか?
大丈夫!
「二つ目の軸」を使えばいいのです。
二つ目の軸とは?
ちょっと想像してみてください。
自分の眼球のうしろに、「小さな人」が住んでいる。
その人が、自分の行動の一部始終を見ている。
実は、この小さな人が「二つ目の軸」。
その名前は、「ジ・ソンシン」さん。
韓流スターのような名前ですが、漢字で書くとこうなります。
「自尊心」さん。
自尊心は、自己肯定感とまったく同じで、「軸」の役割をします。
・高ければ、自分軸で生きられる
・低ければ、他人軸になってしまう
自己肯定感と一つだけ違うところは…
自尊心は、自分で育てることができる
というわけで、次はいよいよ、
二つ目の軸、「自尊心さん」の育て方です。
自尊心を育てるベストな方法
自尊心を育てるセミナーや講座など、たくさんありますが…
今回ご紹介する方法は、セミナーにできないほど簡単。
子どもでも出来ます。
それでいて、効果はバッチリ!
で、その方法とは…
「人知れず、いい事をする」
たとえば、
散らかったスリッパを、きれいに並べておく。
すると…
それを見ていた自尊心さんは、こう言います↓
おっ!おまえ、なかなかやるじゃないか
この「おっ!おまえ、なかなかやるじゃないか」という言葉が、自尊心さんの栄養源。
これを言うたびに、自尊心は一つ成長します。
●スーパーの募金箱に10円入れれば…
「おっ!おまえ、なかなかやるじゃないか」と、また一つ成長する。
●落ちてる空き缶をゴミ箱に入れれば…
「おっ!おまえ、なかなかやるじゃないか」と、また一つ成長する。
●コンビニで、あえて賞味期限の近い商品を選べば…
「おっ!おまえ、なかなかやるじゃないか」と、また一つ成長する。
●人より早く出社して、事務所の掃除をしておけば…
「おっ!おまえ、なかなかやるじゃないか」と、また一つ成長する。
他にも…
・お墓参りに行って、綺麗にしてくる
・一人のときでも「いただきます」と食べ物に感謝する
・電車が混んできたら、スッと席を立ち、体調が悪い人のために空けておく
・昼飯時の混んでるラーメン屋なら、食べたらすぐ出る。代金は準備しておく。食器は片付けやすく並べておく。椅子を戻す
・イオンの駐車場では、出入り口から遠いところに止める。出入り口から近いところは、老人や足が悪い人のために空けておく
このように「人知れず、いい事」を日々繰り返していると…
大きく成長した自尊心さんが、大きなパワーを与えてくれるようになります。
「自分は正しいことをしている」
「自分は間違っていない」
「自分は価値ある人間だ」
という、自信と信念が湧いてくる。
すると…
・胸を張って、自分らしく生きていくことができる
・人から認められなくても、自尊心さんだけは分かってくれる
・人に陰口をたたかれても、「おまえは、なにも悪くない」と自尊心さんが励ましてくれる
他人の評価に翻弄されない、「ブレない自分軸」が出来あがるのです。
「ブレない人」と聞いて、ぼくがパッと頭に思い浮かべるのは、ビートたけしさん。
たけしさんは、こんなことを語っています↓
「30年以上ずっとトイレ掃除をやり続けてきた。
自分の家だけでなく、ロケ先や公園、ときには隣の家のトイレ掃除もした」
ブレない人は、やっぱり、やってるんですね。
人知れず、いい事を。
ちなみに、
なぜ「人知れず」なのかというと…
人に見られていると、「どう見られてるかな?」「褒めてもらえるかな?」という他人軸が、心の隙間から入り込んでしまうからです。
自尊心と優越感は違う
ここまで読んで…
「そんなことしなくても、いい学校に入って、いい会社に入れば、自信満々で生きられるんじゃないの?」
そう思われた方もいるかもしれません。
でもそれは…
「自尊心」ではなく、
他人との比較による「優越感」です。
優越感による自信は、とてもモロいものです。
・たとえ東大に入学できても、またそこで競争に勝たなければならない
・たとえエリート会社に就職できても、成績が上がらなければ、自信はポキッと折れてしまう
優越感は、キリがないんです。
エリート職業に鬱が多い理由も、ここにあると思います。
自尊心とは、文字どおり…
「自分を尊いとおもう心」
結果や評価に、左右されるものではありません。
だから「軸」として機能するのです。
とはいっても…
がんばって優越感を得るのは、悪いことではありません。
自尊心と優越感を両立できると一番いいですね。
まだまだある!
自尊心を育てる方法
先にご紹介しました「人知れず、いい事をする」以外にも、自尊心を育てる方法はたくさんあります。
その一部を、駆け足でお伝えして、終わりにします。
自分を褒めて眠る
効果:★★★★☆
布団にもぐりこんだら…
「今日もわたし、よくがんばったね!偉いよ」と、自分を褒めて眠る。
眠たいときは、潜在意識の扉が開いているので、その声が自尊心さんまで届きます。
自己受容
効果:★★★☆☆
自己受容とは、「自分の弱さを受けいれ、本当の強さを手に入れる」こと。
こちらの記事で、軽く触れています↓
人と比較しない
効果:★★★☆☆
「あの人はいいよなぁ。それに比べてわたしは…」
人と比較するクセがあると、他人軸の生き方になってしまいます。
こちらの記事で、詳しく紹介しています↓
読書
効果:★★★★☆
読書は、「個性つくる作業」ともいえます。
読書家の多くは、自分なりの考えを持っていて、ブレない人が多いもの。
ビートたけしさんも、超がつくほどの読書家です。
カズレーザーさんも読書家だそうですが、やっぱりブレてませんね。
ぼくのおすすめ本は、こちらで紹介しています↓
ズルいことはしない
効果:★★★☆☆
当然ですが…
ズルいことをすれば、それを見ている自尊心さんは弱体化してしまいます。
だらしない生活をしない
効果:★★☆☆☆
だらしない生活を続けていると…
「わたしはダメな人間だ」という暗示にかかってしまいます。
人の悪口は言わない
効果:★★★☆☆
人の悪口や陰口が多いと…
やがて、「自分も言われてるんじゃないかしら?」と疑心暗鬼になります。
他人の目が気になるようになります。
消極的な言葉をつかわない
効果:★★★☆☆
「情けない」「どうせムリだ」「わたしはダメだ」などと、消極的な言葉をつかうと、自尊心さんの耳に届いてしまいます。
「大丈夫!」「なんとかなる」「一丁、やってやるか」というような強気言葉に切り替えたほうがいいですね。
まとめ
人知れず、いい事をしたら…
どこからともなく、天の声が聞こえてきて…
「こころ正しき青年よ。汝に褒美として、自尊心を授けよう」
なんてことは起こりませんが…
自尊心は、少しずつ少しずつ確実に成長していきます。
大きく育った自尊心は、大きな力を与えてくれます。
他人の目を気にすることなく、自分らしく、胸を張って生きていくことができます。
評価や結果よりも、生き様やプロセスに価値を置くようになります。
いわゆる「ブレない自分」になれるのです。
「人知れず、いい事をする」と聞くと、敷居が高い感じもしますが…
実際には、10秒程度でできるものがほとんどです。
お金もかかりません。
しかも、すがすがしくて、心がほっと温まる。
ローリスク・ハイリターンな最高の自己投資になると思いますよ。
他人の目ばかりを気にしていたら、やりたいこともできない。それこそ、自分の人生ではなく、他人の人生になってしまう
(見山 敏)
以上、『他人の目が気になって、自分らしく生きられない人への処方箋』でした。